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直木賞作家・朝井リョウの連作短編小説を映画化した『少女は卒業しない』が2月23日から公開される。卒業式を翌日に控えた地方の高校を舞台に、それぞれに秘めた思いを抱える4人の少女たちの姿を描いた青春恋愛映画だ。小野莉奈、小宮山莉渚、中井友望ら、期待の若手女優が顔をそろえる中、彼氏へのある思いを抱えながら卒業生代表の答辞を担当する山城まなみ役で初主演を務めたのは、『由宇子の天秤』(20)、『PLAN 75』(22)などで注目を集める河合優実。初主演の舞台裏や俳優としての思いを聞いた。
中川(駿)監督が、最初に打ち明けてくださったご自身の体験がまなみに強く投影されていると感じたので、それを参考にまなみを作っていきました。原作からは料理部所属ということなど、基本的な人物像を参考にした程度で、映画版のまなみを中川監督と一緒に作っていった感じです。
いつも似たようなことをするんですが、台本の最後にメモができるページがあったので、そこに「まなみの思い」をメモしていきました。いや応なく卒業しなければいけないことへの戸惑いや抵抗感、「別れを宣言する」、「ピリオドを打つ」といった「答辞を読む意味」みたいなものを、思いつくたびにテーマ的に書いていって。
答辞を読むシーンは、撮影最終日、最後の撮影でした。どういうシーンになるのか、中川監督も私も事前にある程度のイメージはもちろんありました。ただ、あのシーンの撮影がこの映画全体のクランクアップということもあり、実際に声に出して読んでみたときの反応は、一回目が一番新鮮じゃないかと思ったんです。そこで、「テストのつもりで、最初から回しませんか」とお伝えしました。
特に「駿といるときは目線をこうしよう」と決めていたわけではないので、2人の関係性の中で自然とそうなったんじゃないかと思います。意識して「こっちを見る」みたいなことをやると、それだけで大きな表現になってしまいますし…。ただ、完成した映画を見たら、私だけでなく、全体的に顔の表情を捉えたショットが多い気がしたので、目が印象に残ったのはそのせいもあるかもしれません。
難しかったです。でも、街を歩いていても、嫌な目に遭った人や疲れた人、元気いっぱいな人などは後姿だけで分かります。そんなふうに、背中から撮っているけど、まなみの感情がどうにか伝われば…という感じで、やり過ぎない程度のギリギリの表現を目指しました。
たぶん、完全にその場からもらった感情だけで動いているわけではなく、「こっちから撮っているから、このぐらい動いてみよう」みたいな意識が半分ぐらい残っているんだと思います。昔からダンスをやっていたこともあって、自分の体がどう見えるのか、意識する習慣が恐らくあるので。役の中から自然に出てくることだけではやれなくて、「顔を見せたいので、もうちょっとこっち向きに」みたいな意図が常にあるのが映画を撮るということだし、二つのバランスですね。
見た映画の感想を人に話してみたり、書き出してみたり、言葉にすることは大事だなと思っています。監督とのコミュニケーションにも役立ちますし、映画を作る上で話が全く通じない、共通言語がないというのも困りますし。
作品に入るときは、できるだけメモみたいなものを作るようにしています。そこに、台本読んで感じたことや、物語の流れを踏まえたシーンごとのお芝居のプラン、台本に書かれていない自分で想像した役の過去などを書いておいて。それを見返すと、一カ月前の自分が考えていたことがヒントになったりして、後で役立つんです。
監督も含め、この映画に臨む皆さんの心意気みたいなものが、真っすぐに出た映画になっていることが、すごくうれしかったです。先生とのやり取りや部活動の舞台裏、友だちとの時間など、自分の高校時代のいろんな思い出が、まなみだけでなく、4人それぞれに投影されている感じもあって…。「自分の高校時代を思い出す」と言ってくださる大人の方も多いので、幅広い世代の方に共感していただけたらいいなと思います。
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