エンターテインメント・ウェブマガジン
これまで紆余(うよ)曲折がありましたが、役者は先が見えない仕事なので、いろいろ思い悩んでいてもしょうがないなと思って、最近は考え方がすごくシンプルになってきました。オファーがあれば全力で取り組みますが、なければないで仕方ないかなと。先日、野生動物に関するある記述を読んだら、野生界では「自分が食べること」、「人から食べられないこと」、「子孫を残すこと」の三つだけをシンプルにやっていると書いてあって、「なるほど」と納得したんです。相対的な評価や、他人の声を気にするのは人間だけだなと。そんなこともあって、「呼ばれれば絶対にいい芝居をする。だから、他人が何と言おうと、気にするのはやめよう」と。
いい芝居をしなければ、次は呼ばれませんから。逆に言えば、呼ばれなくなったら、いい芝居ができなかったということで、役者の仕事が減って、僕が淘汰(とうた)されていくだけで。その代わり、毎日、「いい芝居って何だろう?」と考え続けています。あとは、呼ばれればできる限りの準備をして、現場に向き合う、役に向き合う、台本に向き合う…やれるだけのことをやる、という感じです。
そうですね。全力を出し切って、悪い芝居だったときは、この仕事が向いてなかったということなんだと思います。今後もいろいろお話は頂いていますが、ただひたすら、いただいた仕事に全力で取り組み、がむしゃらに食らいついて芝居していこうと思っています。
とはいえ、役者業は人生の一部であり、それに人生を支配されているかというと、そんなことはありません。最近、「半農半X」という考えがあることを知ったんです。「半分の農業」と「半分のX」。「X」は都市部での仕事で、「農」は農耕に限らず、山での狩猟採集なども含みます。僕は、半農の時間もしっかり生きているつもりですし、残り半分の「X」がたぶん役者なんだと思います。
そうかもしれませんが、僕には何とも言えません。ただ、この映画が僕なりに「精いっぱいやった」と胸を張って言える作品であることは間違いありません。
(取材・文・写真/井上健一)
舞台・ミュージカル2026年10月31日
-改めて、この作品の魅力はどんなところにあると感じていますか。 僕は、生きていく中で「解釈力」が大事だなと思っています。生きているといろいろなことが起きますよね。大変な状況や苦しいこと、大失敗もある。でも、起こった事実は変えられなくても、 … 続きを読む
映画2026年10月31日
「クジラに落ちた男」(16日公開)★★★ 父を知り、父を乗り越える 巨大なマッコウクジラに丸のみにされた17歳のジェイ(オースティン・エイブラムス)が、亡き父の教えを頼りに脱出を図る。ブライアン・ダッフィールド監督が描くのは、「ピノキオ」 … 続きを読む
映画2026年10月30日
-以前お話を伺った際、柳楽さんはご自身のお芝居について「以前は自分を役に寄せていくやり方をしていたが、『浅草キッド』の後からは、自分のパーソナルな部分を役に反映させて演じるようにしている」というお話をされていました。今回、竜二という役に対し … 続きを読む
ドラマ2026年10月30日
-小駒と直の掛け合いで工夫したことはありますか。 小駒と直は年齢も職業も育ちも違い、仲良くなれる要素も、バディになれる要素も全くないと思ったので、まず2人の共通点を考えました。刑事も保険調査員も、被害者や遺族が一日でも早く安心できるように … 続きを読む
舞台・ミュージカル2026年10月30日
-5年前の「醉いどれ天使」以来の舞台出演となりますが、舞台にまた立ちたいという思いはずっとあったのですか。 お話をいただけるならと思っていました。ただ、役者は見てくださる方がいて、やりましょうとおっしゃっていただいてできるので、舞台に立つ … 続きを読む