エンターテインメント・ウェブマガジン
あのシーンは、僕も台本を読んだ瞬間にグッときてしまい、堪えるのに必死で「三谷さん、ずるい!」と思いました。この戦で敵陣にいるのは全員、幼なじみのような顔ぶれ。中でも、和田義盛という毛むくじゃらのおじさんは(笑)、振り返ってみたら、畠山にとって第1回からずっと一緒にいるすごく大きな存在なんです。勝手にライバル視している和田義盛と、それを相手にしない畠山。両極端な2人がやり合っている様子が愛らしくて、かわいらしくて、僕も大好きでした。そんな2人が視聴者の方から愛されていたのも、すごくありがたかったです。その和田義盛が、仲間を代表して最後に会いに来るわけですから。三谷さんがそういうことを受け止めてくださって、あのシーンができたのかなと勝手に想像していました。
この戦の何が苦しいって、誰も口にはしませんが「やらなくてもいい戦なのに、なぜこうなっちゃったんだろう?」と、みんなが分かっていることなんです。でも、武士として引き下がれないところまで来てしまった。そういう思いを抱えながらの戦なんですよね。1年間やってきて、畠山が感情を爆発させることはあまりなかったんですけど、あのシーンにはそういう「戦なんかしたくない」という気持ちと悔しさの二つの葛藤があったのかなと。
何が悲しいって、誰よりも畠山が一番、和田義盛のことを分かっているんです。言われなくても、全部先回りするぐらい、あなたのことは分かっていますよと。それぐらい一緒に戦ってきた仲間ということで、すごく苦しかったです。
今回で四度目の大河ドラマの現場でしたが、今までで一番長く作品に携わらせていただきました。最初にお話しを頂き、“畠山重忠”の名を初めて聞いたときは、どんな人物なのかよく知らなかったので、どのぐらいキャラクターを深めていけるのか、未知の部分もありました。でも、知れば知るほど、畠山重忠という人に引き込まれていき、後世に語り継がれる意味も理解していく中で、しっかりと畠山重忠を体現しなくては…という思いで最後までいました。畠山重忠と共に過ごした時間が長い分、「本当に終わってしまったんだな…」という寂しさもありますが、今はとにかく胸がいっぱいです。
(取材・文/井上健一)
映画2025年8月15日
-ネプトゥーヌス国王役の三宅さんはいかがでしょうか。人魚という設定の上に、娘と接するときと、それ以外では雰囲気がだいぶ違いますが。 三宅 ネプトゥーヌス国王は、「屈強で、威厳があり、でも娘に甘い」。最初にその3つのファクターを大事に、と伺い … 続きを読む
映画2025年8月14日
-リアム・ヘムズワースとラッセル・クロウを演出してみていかがでした。 2人とも自分が演じるキャラクターを見いだすための努力を惜しまず、そのキャラクターの中にある真実や誠実さを見つけてくれます。さらにそのキャラクターにエンタメ性や楽しさも持 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年8月14日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼みなさん、こんにちは 日本の伝 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年8月11日
-本作はドラマ制作の現場が舞台の物語で、いとうさんはドラマ主演俳優の癖のあるマネジャー役です。 いとう 役者さんのマネジャーさんについて正直知らないこともありますが、ある意味役者をよく見せたい、役者の魅力を伝えたいという芯は想像できます。た … 続きを読む
映画2025年8月10日
また、ジョン・ウィリアムズ作曲のオリジナルテーマ曲の流用は、先に公開された『スーパーマン』同様絶大な効果があり、恐怖とユーモアの同居は、スピルバーグが得意とする演出法だ。 また、「以前から、フィルムで撮影し、自然な映画的な質感を表現した … 続きを読む