「暢子と矢作のバディ関係がいい」沖縄料理店開業に向けて再登場 井之脇海(矢作知洋)【「ちむどんどん」インタビュー】

2022年9月2日 / 08:20

 NHKで放送中の連続テレビ小説「ちむどんどん」。主人公・暢子(黒島結菜)が開業を目指す沖縄料理店「ちむどんどん」の料理人として雇われたのは、かつてイタリア料理店「アッラ・フォンターナ」で働いていた頃の先輩料理人、矢作知洋だった。一度は店を辞めて姿を消しながらも、紆余(うよ)曲折を経て暢子と共に働くことになった矢作は、これからどうなっていくのか。演じるのは、「ごちそうさん」(13~14)、「ひよっこ」(17)に続いてこれが3度目の朝ドラ出演となる井之脇海。矢作役に込めた思いや撮影の舞台裏などを語ってくれた。

矢作知洋役の井之脇海(C)NHK

-紆余曲折を経て「ちむどんどん」で働くことになった矢作ですが、演じる上ではどんな人物だと捉えていますか。

 台本を読んでまず、矢作は思考の回路がちょっとねじれている人だな、と感じました。本当は素直にものを言いたいのに、ちょっときつい言い方をしてしまったり、嫌な言い方をしてしまったりするんですよね。でも、彼が面白いのは、自分が一番好きな料理のことに関しては、スムーズに言葉が出てくるところです。例えば、暢子が作った料理を食べて、思わず「うめえ!」と口走ってしまったり。そういう素直さや純粋さはちゃんと持ち合わせているんだなと。料理に対するそういう素直な姿勢と、人と向き合うときのちょっと気難しいところを、お芝居でうまく表現できたら、魅力的な人物になるんじゃないかと思っています。

-フォンターナ時代は暢子に厳しく当たっていた矢作が、「ちむどんどん」で働くことになりましたが、その変化をどんなふうに捉えていますか。

 矢作は、もともとフォンターナ時代から、料理に対する暢子の熱心な姿勢を認めてはいたと思うんです。でも、素直じゃないので、そんな自分を認められなかった。その後、大きな挫折を味わって暢子と再会したとき、「一緒に店をやろう」と言われたのは、想像もしていなかったけど、ものすごくうれしかったはずです。ただ、自分のプライドもあってすぐに「やりたい」とは言えなかった。それでも、暢子のひたむきな姿を見て、だんだん信頼するようになっていった、ということだと思うんです。

-ここまで演じてきて、役者としてどんな手応えややりがいを感じていますか。

 矢作は、フォンターナで料理人として働きながらも、仲間を裏切る形で店を辞めた末、再び暢子の前に姿を現しました。その間、どんなことがあったのか、監督やプロデューサーと相談しながら膨らませた上で、今は撮影に臨んでいるところです。そんなふうに、途中で長期間不在にするのは他のドラマにはないことなので、そこを緻密に作り、前半と後半で矢作なりの成長や経験が見えるようにお芝居で表現していくのは面白いですね。

-フォンターナ時代とは関係性も変わってきましたが、矢作にとって暢子はどんな存在でしょうか。

 矢作は暢子に対して、どこか憧れみたいなものがあるんじゃないかと思います。フォンターナにいた頃、矢作は自分の好きな料理のことは努力して、一生懸命突き詰めて、あの立場まで行ったんですけど、そこに料理をきちんと学んだことがない暢子が現れ、センスと感覚だけで作った料理がすごくおいしいことに衝撃を受けた。料理を緻密に勉強してきた矢作だからこそ、暢子の実力に気付き、自分にはないその天性の才能に憧れや嫉妬みたいなものを抱いたんじゃないのかなと。

-なるほど。

 ただ、その後いろんな経験をした矢作には、暢子の才能を認める余裕も出てきます。自分の店を持つ夢を諦めていない矢作は「ちむどんどん」で働きながら、そのために暢子からいろんなことを吸収しようとして、逆に矢作は自分が培ってきた料理の技術を暢子に教えていく。そんなバディ関係がいいな、と今は思っています。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

岸井ゆきの「『死』をポジティブに捉えることで、人生を前向きに考えられる」患者の最期をみとる看護師役を通して芽生えた死生観「お別れホスピタル2」【インタビュー】

ドラマ2026年4月3日

 現代医療のセーフティーネットというべき療養病棟を舞台にした沖田×華のコミックを原作に、死を迎える人が最後に出会う人=看護師の目線で死と生を描いた「お別れホスピタル」。2024年に放送されたこのドラマの続編「お別れホスピタル2」が、4月4日 … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第12回「小谷城の再会」豊臣兄弟の運命を左右する出会い【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年4月2日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=藤吉郎/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。3月29日に放送された第12回「小谷城の … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(13)道真公左遷の地、太宰府天満宮で

舞台・ミュージカル2026年4月2日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。   ▼太宰府天満宮で神道 … 続きを読む

南沙良 香港との合作映画で本格アクション初挑戦!「とても楽しかったです」『殺手#4(キラー・ナンバー4)』【インタビュー】

映画2026年4月2日

 NHKの大河ドラマ「光る君へ」(24)で注目を集め、今年も続々と出演作が公開されるなど、今最も勢いのある若手俳優の1人・南沙良。さまざまな作品に意欲的に取り組んできた彼女が新たに挑んだのは、アクションの本場・香港との合作映画。  それが、 … 続きを読む

森崎ウィン「ギンギラギンの金を見ているだけで元気になれます」『黄金泥棒』【インタビュー】

映画2026年4月2日

 人生に退屈していた平凡な主婦が金(きん)の魅力にとりつかれ、100億円相当の金の茶わんを盗み出そうとする姿を描いたクライムコメディー『黄金泥棒』が4月3日から全国公開される。実在の事件から着想を得た本作で、主人公の主婦・美香子(田中麗奈) … 続きを読む

page top