【インタビュー】舞台「怖い絵」尾上松也、鈴木おさむとの初タッグで作り出す「“演劇美術館”のような、新しいお芝居」

2022年2月22日 / 08:00

-そうした雰囲気はどのように作っていくのですか。

 演出家の方が怒り出さない程度に、空気を読みながらふざけています。もしかしたら、そういうのがお好みではない方もいらっしゃるかもしれませんが、これまで歌舞伎以外の舞台で主演をさせていただいたときには、そうすることで比較的楽しい現場になったような気はします。もちろん、一番は作品がよくなること、そして皆が一つになることですので、それを最優先に考えて、その上で笑いのある現場になればいいなと思います。

-現在も、舞台業界は新型コロナウイルスの大きな影響を受けていますが、松也さんはコロナ禍に舞台に立つことにどんな思いがありますか。

 僕は根本が舞台人で、お客さまの前で何かを披露することに幸せを感じるので、どんな状況であっても舞台に立てることはありがたいと感じます。舞台に立つことが僕にとっては一番充実した時間なのです。もちろん、演劇全般としては、感染対策などいろいろな面を踏まえられて中止にせざるを得ないというのも分かりますが、僕個人としては、どんな状況でも演劇はやめるべきではないと考えています。これまで先輩、先祖たちが、苦労が多い時代を生きてきて、演劇を紡いできてくれたからこそ今があります。今はテクノロジーが進んだおかげで劇場に足を運ばなくても見たような気分になれるツールもたくさんありますし、そういう時代だからこそ僕たちもいろいろな見せ方を試みていかなければいけませんが、だからといってここで諦めてしまうのはよくない。僕はどんな状況であっても、選択する余地として、演劇は上演するべきだと思っています。

 -最後に、本作への意気込みを。 

 お芝居と美術と、ミステリーが融合した作品になると思います。お芝居に興味がない方も、美術を通してお芝居に触れていただきたいですし、今まで美術に触れてこなかった方も、このお芝居を見ることで絵画に興味を持つきっかけになればいいなと思います。これまでに前例のない物語の構成になっていますので、“演劇美術館”のような、新しいお芝居をぜひ見にきていただければと思います。

 (取材・文・写真:嶋田真己) 

舞台「怖い絵」

 舞台「怖い絵」は、3月4日~21日に都内・よみうり大手町ホール、3月24日~27日に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールで上演。
公式サイト https://www.ktv.jp/kowaie-butai/

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

草なぎ剛「やっぱりすごい…。心からリスペクトしています」 風吹ジュン「学ぶことも多く、新しい意識が生まれるドラマ」「終幕のロンド」【対談インタビュー】

ドラマ2025年10月27日

-お二人は、娘の真琴(中村ゆり)に余命を伝えないと決めたこはるの生き方に共感できますか。 風吹 こはるは愛に生きる人なので、会えばけんかばかりしてしまう娘でも、そこには母親としての愛情しかなくて、それが彼女の決意、引いては“死にざま”につな … 続きを読む

沢村一樹「勝負は“確認作業”」 孤高の馬主が見つめる“真の競馬”とは 「ザ・ロイヤルファミリー」【インタビュー】

ドラマ2025年10月27日

-感情を表に出さない冷静な椎名を、どのように意識して演技に臨んでいますか。  椎名にとって、レースは「確認作業」なんです。それが正しかったか、正しくなかったか。もし勝ったら「これが正しかったんだ」という確認ができて、逆に負けたら「何を変えた … 続きを読む

長尾謙杜&山田杏奈&石原慎也(Saucy Dog)が話題の映画でタッグ!「主題歌が主人公たちの気持ちを表している」『恋に至る病』【インタビュー】

映画2025年10月24日

-そうやってお2人が繰り広げる物語がドラマチックな分、エンディングに流れる「奇跡を待ってたって」が心に染み入ってきます。 石原 映画の内容をきちんと踏まえた曲にしたかったので、エンディングが始まって何秒で風景が変わり…といったことを細かく計 … 続きを読む

市毛良枝「現代の家族のいろんな姿を見ていただけると思うし、その中で少しでもホッとしていただけたらいいなと思います」『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』【インタビュー】

映画2025年10月23日

-文子が生涯学習の講座に行きますが、生涯学習についてはどう思いますか。  実は、以前、静岡県の生涯学習の委員をやっていました。それから最初に出した『山なんて嫌いだった』という本の後書きに「いつか少し時間ができたら大学に行って勉強してみたい」 … 続きを読む

林裕太「北村匠海さんや綾野剛さんとのつながりを感じました」期待の若手俳優が先輩2人と作り上げた迫真のサスペンス『愚か者の身分』【インタビュー】

映画2025年10月22日

-その場でとっさに反応したように見える迫真のお芝居でした。では、マモルにとってもう一つ大事な要素である北村さん演じるタクヤとのバディ感は、どのように作っていったのでしょうか。  北村さんと一緒に現場で作っていった感じです。僕が最初、緊張して … 続きを読む

Willfriends

page top