【インタビュー】音楽劇「夜来香ラプソディ」白洲迅「今の自分たちに重ねて見ることができる」松下洸平との初共演で実在した作曲家役

2022年2月25日 / 08:00

 松下洸平と白洲迅、木下晴香ほか、豪華キャストが出演する、cube 25th presents 音楽劇「夜来香(イエライシャン)ラプソディ」が3月12日から上演される。本作は、第2次世界大戦末期、治外法権が存在した上海の租界を舞台に、新進気鋭の作曲家と絶世の歌姫など、さまざまな人々が、音楽を通じて絆を結び、人種やイデオロギーの壁を乗り越えてコンサートを開催しようと葛藤する姿を描く。実在する「夜来香」の作曲家・黎錦光(れいきんこう)を演じる白洲に、初共演となる松下との稽古について、役柄への思い、公演への意気込みなどを聞いた。

黎錦光役の白洲迅 (C)エンタメOVO

-舞台出演は2018年以来となりますが、本作に出演することにどんな期待がありましたか。

 やはり、主演の松下洸平くんと一緒にやれるというのがすごく貴重な経験になると思っています。実際に稽古に入って、洸平くんがこれまで舞台を積み重ねてきた中で経験をしてきたたくさんのことを改めて感じています。同年代の洸平くんから、そうしたことが学べるのは、先輩や年上の方から学ぶこととはまた違った学びがあると思うので、僕にとって刺激的な現場になっています。

-例えば、どんなときに松下さんの経験値を感じているのですか。

 まずは、主演として現場を引っ張っている姿。それから、台本の読み方だったり、深いところまで掘り下げて役を作っているところはすごいなと思います。初対面の方が多い現場の場合、稽古の序盤から役者同士で深い話をすることはなかなかできませんが、今回は、洸平くんとは年齢が近く、同じ事務所で気心が知れた相手であるということもあり、最初からディスカッションできているのがとてもありがたいです。

-では、最初に脚本を読んでどんな感想を持ちましたか。

 終戦間際の上海という時代背景もあり、一筋縄ではいかない作品だなというのが正直な感想です。租界と呼ばれる治外法権の場所で生きている人たち、しかも日本人の作曲家と中国人の作曲家、そして李香蘭と名乗る日本人であることを隠して中国人として生きている歌手の女性の物語ですが、それぞれが抱えているものを掘り下げるとすごく複雑です。ただ、ストーリー自体は、そうした人物たちが皆で、さまざまな壁を乗り越えてコンサートを作り上げていくという分かりやすいものなっています。難しい時代背景を僕たちなりにそしゃくしながら、この群像劇をしっかりと伝えていけたらと思います。

-白洲さんが演じる黎錦光は、「夜来香」という楽曲を作った作曲家です。白洲さんは、今現在、どのように黎錦光という人物を捉えていますか。

 黎は、「夜来香」が中国でヒットした、新進気鋭の若手作曲家ではありますが、一方で、日本軍からの弾圧を受け、苦悩しながら音楽に向き合っていました。戦時下で、自由がない中で、自由に作りたいともがいていた男だと思います。今作の脚本では、(松下が演じる)服部(良一)さんが、非常に熱血漢に描かれていますし、それを洸平くんが高い熱量で演じているので、そのエネルギーに負けないようにしないといけないと思いながら、今、稽古をしています。同じ作曲家ではあるけれども、違う熱量を持っていると思うので、その対比や色分けはしっかりと出していきたいです。

-黎錦光は実在した人物ですが、実在の人物を演じるときと、創造したキャラクターを演じるときの違いはありますか。

 史実だったり、その人を知る資料があったり、頼りになるものがあるのかないのかという違いはあると思います。それから、実在した人物の場合は、その人物を世間の人がどれだけ知っているのかも考えなくてはいけないところです。やはりパブリックイメージがある人の場合には、そこは意識して演じなければいけないと思いますし、逆にそれがない人物ならばイメージにこだわらなくていいのかなと思います。今回の黎の場合には、「夜来香」という楽曲の方が印象深いでしょうし、日本の方々には、あまり知られていない存在なので、台本から受けた印象で役を作っています。

-今回は「音楽劇」ということなので、白洲さんの歌声も聞けるのでしょうか。

 少しだけですが(笑)。当たり前ですが、頑張らないといけないなと思っています。共演者の皆さんは歌える方ばかりですし。

-この作品では、音楽やコンサートといったものがテーマになっていますが、白洲さんにとっての音楽とは?

 すごくかっこをつけた言い方ですが、「そこにあるもの」ですね。気付いたら当たり前のようにそばにあるものです。確かに、なくてはならないものではないかもしれませんが、気持ちを盛り上げてくれて、悲しいときには寄り添ってくれる、人生を豊かにしてくれるものです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(12)道明寺天満宮と歴史の英雄たち ~野見宿禰、白太夫、そして道真~

舞台・ミュージカル2026年2月19日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。     ▼相撲 … 続きを読む

小林聡美、名作ドラマ「岸辺のアルバム」 舞台化は「今の時代も共感できる」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年2月19日

 小林聡美が主演する舞台「岸辺のアルバム」が、4月3日から上演される。本作は、数々の名作ドラマを世に残した山田太一が原作・脚本を務め、1977年に放送された連続ドラマを舞台化。一見平和で平凡な中流家庭の崩壊と再生を描く。ドラマでは八千草薫が … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第6回「兄弟の絆」 序盤の集大成となった小一郎必死の説得【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年2月17日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=藤吉郎/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。2月15日に放送された第6回「兄弟の絆」 … 続きを読む

名取裕子「“ぜひ友近さんと”とお願いして」友近「名取さんとコンビでやっていきたい」2時間サスペンスを愛する2人が念願のW主演『テレビショッピングの女王 青池春香の事件チャンネル』【インタビュー】

映画2026年2月16日

 「法医学教室の事件ファイル」シリーズを始め、数多くの2時間サスペンスで活躍してきた名取裕子。そして、2時間サスペンスを愛する人気お笑い芸人の友近。プライベートでも親交のある2人が、“2時間サスペンス“の世界観を復活させた『2時間サスペンス … 続きを読む

ゆりやんレトリィバァ監督、南沙良「この映画を見た後で告白されたらもう振ることはできないと思います。だから“恋愛成就ムービー”なんです」『禍禍女』【インタビュー】

映画2026年2月14日

 お笑い芸人のゆりやんレトリィバァが映画監督に初挑戦した『禍禍女』が絶賛上映中だ。「好きになられたら終わり」という「禍禍女」を題材に、ゆりやん自身のこれまでの恋愛を投影しながら描いたホラー映画。ゆりやん監督と早苗役で主演した南沙良に話を聞い … 続きを読む

Willfriends

page top