【インタビュー】ミュージカル「笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-」浦井健治「どんなにつらくても人間は素晴らしいと思ってもらえる作品に」

2022年1月28日 / 08:00

 文豪ビクトル・ユゴーが自身の最高傑作と評した小説を原作とした、ミュージカル「笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-」が、2月3日から上演される。本作は、口を裂かれた奇怪な顔を持ち、幼い頃から見世物として生きる“笑う男”グウィンプレンが、運命に翻弄(ほんろう)されながら生きる姿を描く。2019年の日本初演に続き、主人公のグウィンプレンを演じる浦井健治に、再演に懸ける意気込みを聞いた。 

グウィンプレン役の浦井健治 (C)エンタメOVO

-再演が決まったときの心境を教えてください。

 デア役のお二人を始めとした新しいキャストと、それから初演時のメンバーで帝国劇場バージョンとして立ち上げることができるのがすごくうれしいです。同時に、また新たなトライになると改めて気合も入りました。もちろん、初演をリスペクトしながら演出の(上田)一豪さんとともに、今、自分たちが置かれている日常にリアルに響く作品を作り上げていきたいと思います。一豪さんもおっしゃっていましたが、現在は初演のときと世界が変わってしまいました。原作をビクトル・ユゴーが書いてから百何十年という時がたっていますが、その間、疫病がはやり、その度に立ち向かい、さらには貧富の差が広がり…と人間はさまざまな経験をしてきました。今も「もしかしたら、世の中は戻らないのではないか」という不安定な状況にあり、その中での上演は、ヒリヒリしたものをダイレクトにお客さまに感じていただけるのではないかと思います。

-コロナ禍のこの2年は、舞台での活動に対して思うところも大きかったですか。

 そうですね。人とつながることの大切さやありがたみを強く感じることができました。そして、人と人との絆の素晴らしさも実感しました。そうした思いを今作にも反映していけたらと思います。

-2019年の公演は、日本初演ということで、作り上げる苦労や楽しさがあったのではないかと思います。初演を振り返ってみて、どんなことを思い出しますか。

 シングルキャストでやらせていただくということの重圧が大きかったです。グウィンプレンは、大きなナンバーを歌い続ける役なので、全編を通しての力の入れ加減を考えながらやらなければいけないとすごく感じました。ずっとロングトーンで、張り上げていると、喉や体力面にも不安が出てきますが、同時に聞いているお客さまも飽きてしまいます。メリハリをつけ、ただ“歌を聞かせる”のではなく、“物語を伝える”ことに特化したいと今は思っています。

-初演時には、グウィンプレンを演じるに当たってどんなところを意識しましたか。

 人権というものをもともと持たない、大変過酷な状況下の中で生まれ、同時に一生消えない傷を負わされた人物が生きていくことを、僕自身がきちんと意識しなければいけない。そして、(興行師の)一座が自らのコンプレックスや身体的特徴を見せ物として日銭を稼いで生きているという事実をしっかりと受け止めることが大事だと思いました。希望が見えない中、そうしたやり方でしか生きられなかった人がいたというのは本当にやりきれないことだとも感じました。初演からコロナ禍を経た今回は、デアが思い描いていた夢を最期に見て終わるというような、ある種ハッピーエンドでありたいと考えているので、そうした提案もしていけたらと思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「豊臣兄弟!」第16回「覚悟の比叡山」“守られる側”の農民から“守る側”の侍になった小一郎と藤吉郎の覚悟【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年4月28日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=木下小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=木下藤吉郎/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの奇跡を描く物語は快調に進行中。4月26日に放送された第16回「 … 続きを読む

ゆうちゃみ「るり子が現実にいたらめっちゃ親友になれそうやなっていう感じでした」『アギトー超能力戦争ー』【インタビュー】

映画2026年4月28日

 仮面ライダー生誕55周年記念作『アギトー超能力戦争ー』が4月29日から全国公開される。本作で主要キャストの1人である葵るり子を演じたゆうちゃみに、映画初出演への思いなどを聞いた。 -出演が決まった時の心境は?  「マジ、ドッキリ?」みたい … 続きを読む

千葉雄大、「映像の人」「舞台の人」という「垣根をなくしたい」 友近と挑む二人芝居・リーディングドラマ「老害の人」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年4月25日

 内館牧子によるベストセラー小説『老害の人』が、リーディングドラマとして舞台化される。出演者は、友近と千葉雄大の二人だけ。登場人物のすべてを、二人が自在に演じ分ける。  物語の主人公は、小さな玩具屋を大企業に育てた元社長の福太郎。老いてなお … 続きを読む

小手伸也、「映像ではテンションの7割しか出していない」 リミッターを解除して臨む舞台初主演作「コテンペスト」

舞台・ミュージカル2026年4月25日

 小手伸也が舞台初主演を務める「俺もそろそろシェイクスピア シリーズ『コテンペスト』」が、6月27日から上演される。公演に先立ち、小手が取材に応じ、本作への思いを語った。  本作は、シェイクスピアの最後の作品「テンペスト」の設定を現代に置き … 続きを読む

【映画コラム】4月後半公開の映画から『人はなぜラブレターを書くのか』『今日からぼくが村の映画館』『ソング・サング・ブルー』

映画2026年4月24日

『人はなぜラブレターを書くのか』(4月17日公開)  2024年、千葉県香取市で定食屋を営む寺田ナズナ(綾瀬はるか)は、ある青年に宛てて手紙を書く。  24年前、当時17歳だったナズナ(當真あみ)は、いつも同じ電車で見かける高校生の富久信介 … 続きを読む

page top