【インタビュー】「雨に叫べば」松本まりか×モトーラ世理奈「私たちの仕事場で行われていることが客観的に見られて面白かったです」

2021年12月17日 / 12:00

-ご自身にとって映画とはどんな存在?

松本 映画は駆け込み寺だなと。私は、今のこのモヤモヤを自分ではどうしていいか分からないときに、映画館へ行くんです。そうすると自分の中心に立ち帰れて、深い気付きを得られる。どんな立場の人でも登場人物の誰かには共感できるから、生きるモチベーションを与えてくれたり救ってくれたりする。生きる上で一見必要じゃないように見えてもすごく必要なもの。

-コロナ禍で、映画は不要不急ではないと言われますが…。

松本 むしろ必要ですよね。全ての生産性を上げてくれる。忙しくて見に行けないじゃなくて、たった2時間を費やすだけで、他の効率がものすごく上がる。人ってモチベーションだと思うんです。そのモチベーションを底上げしてくれるのが映画。自分の感性や人間力も高めてくれる。そういう意味での人生の駆け込み寺です。

モトーラ 私、一人で初めて行った映画館が、ちょうど東映大泉撮影所のところにあるT・ジョイでした。中学生のときに友達が皆受験で忙しくて、どうしても見たかった『陽だまりの彼女』を自転車に乗って一人で見に行きました。映画館で映画を見ると、映画と自分と1対1になる感覚がある。自分が知らない世界も見られるし、1対1だからこそ自分の初めての感情と出会える。自分をいろんな所に連れて行ってくれる場所だなと思います。

(取材・文/外山真也)

(C)2021東映・東映ビデオ

 

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