【インタビュー】ドラマ「No Activity/本日も異状なし」豊川悦司「相手が中村くんなら、絶対大丈夫」中村倫也「豊川さんとコンビでやれたのはうれしかった」ユーモアあふれる新感覚刑事ドラマでバディ役に挑戦

2021年12月16日 / 12:00

 深夜、大規模な麻薬取引の張り込みに臨む警察。新たにバディを組んだ万年ヒラ刑事の時田と人たらしな新米刑事・椎名は、この捜査に駆り出される。だが、現場の緊迫感をよそに、やりたい放題な2人の行動は次第にエスカレート。指令室のオペレーターや犯人、人質までも巻き込みながら、事態は予想もしなかった方向へ…。12 月17 日からAmazon Prime Video で見放題独占配信開始となる「No Activity/本日も異状なし」(全6話)は、シュールでユーモアあふれる新感覚の刑事ドラマだ。本作で時田と椎名を演じるのは、数々の作品で活躍する名優・豊川悦司と変幻自在のカメレオン俳優・中村倫也。劇中で絶妙な掛け合いを見せる2人に、撮影の舞台裏を聞いた。

豊川悦司(ヘアメーク:山﨑聡/スタイリスト:富田彩人)と中村倫也(ヘアメーク:Emily/スタイリスト:小林新 (UM))

-豊川さんは「相方が中村倫也さんだったので、ぜひやってみたいと思いました」と語ったそうですが、その言葉に込めた思いを聞かせてください。

豊川 初めて一緒にお芝居をしたのは、NHKの連続テレビ小説「半分、青い。」(18)で、中村くんのお芝居がすごくツボにはまったんです。「あの作品で1人、キャラを選べ」と言われたら、絶対に「マアくん」(中村が演じた朝井正人の愛称)と答えるぐらいで(笑)。だから今回、お話を頂いて台本を読んでみたところ、「相手役によるな」と思っていたのですが、誰なのかを聞いてみたら、「中村くん」ということだったので「それなら絶対大丈夫」と。

-それはどういう意味があったのでしょうか。

豊川 真夜中の覆面パトカーという何もない密室が舞台なので、男2人がたわいない話をする様子が、お客さんに面白く見えないと全く意味がないんです。だから、誰とやるのかは、すごく重要な問題でした。その相手が中村くんであれば、体ごと預けられるな、と。

-中村さんも、「時田の役が豊川さんだと知ったときから楽しみで仕方がなかった」とコメントしていますね。

中村 生意気なことを言うようですが、豊川さんの時田がいるだけで、もう完成しているというか。僕の仕事は“猛獣使い”じゃないですけど、そこにうまくちょっかいを出して泳がせたり、踊らせたりする役割だったので、楽しみでしかなかったですし、楽しければ大丈夫だと思っていました。だから、豊川さんに全幅の信頼を寄せて、現場ではずっとニヤニヤしていました(笑)。

-時田は「“警視庁のお荷物”と呼ばれる万年ヒラ刑事」ですが、演じる上で人物の背景などは考えたのでしょうか。

豊川 作品によっては、「こういう人だから、こういうことをやるだろうな」というキャラクターの探し方をすることもありますが、今回は「時田の口をふさぐことはできない」みたいな人だったので、そこから探していった感じです。

-脚本を担当したのは、お笑いコンビ、シソンヌのじろうさんですが、そのじろうさんが書かれたせりふを読み込み、自分のものにしていく、ということでしょうか。

豊川 そういう努力すら必要ないほど、せりふの一つ一つが面白かったです。だから、せりふをすぐに好きになれたし、好きになると早く言いたくなるんです。「このせりふを言ってみたい」という欲求が出てくる、というのかな。覚えるのも早かったですし。

中村 そういう意味では、僕は「時田さんのこのせりふを早く引き出したい」という気持ちで自分のせりふを覚えていました(笑)。

-時田のせりふにうまくつなげるため、椎名のせりふをどう言おうか、と考えたということですか。

中村 半々です。時田さんにせりふを言わせるための流れを計算して、椎名を演じる僕がいる一方で、それだけだとただの“添え木”になってしまうので、そうならないよう2人で立つために椎名のキャラクターに興味を持たせるようにしている僕もいる、という感じで。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

生駒里奈が語る俳優業への思い 「自分ではない瞬間が多ければ多いほど自分の人生が楽しい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年11月20日

 ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む

史上最年少!司法試験に合格 架空の設定ではないリアルな高校2年生がドラマ「モンスター」のプロデューサーと対談 ドラマ現場見学も

ドラマ2024年11月17日

 毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む

八村倫太郎「俊さんに助けられました」、栁俊太郎「初主演とは思えない気遣いに感謝」 大ヒットWEBコミック原作のサスペンスホラーで初共演『他人は地獄だ』【インタビュー】

映画2024年11月15日

 韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。  地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む

「光る君へ」第四十三回「輝きののちに」若い世代と向き合うまひろと道長【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年11月15日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月10日に放送された第四十三回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)の譲位問題を軸に、さまざまな人間模様が繰り広げられた。  病を患い、視力と聴力が衰えた三条天皇に、「お目も見えず、お耳 … 続きを読む

「ローマの共和制の問題点は、今の世界が直面している数々の問題と重なる部分が多い」『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』コニー・ニールセン【インタビュー】

映画2024年11月15日

 古代ローマを舞台に、皇帝の後継者争いの陰謀に巻き込まれ、剣闘士(グラディエーター)として壮絶な戦いに身を投じる男の姿を描いたスペクタクルアクション『グラディエーター』。巨匠リドリー・スコットが監督し、アカデミー賞で作品賞や主演男優賞など5 … 続きを読む

Willfriends

page top