【インタビュー】映画『かそけきサンカヨウ』鈴鹿央士「この映画は悪役がいないことがポイントです」

2021年10月14日 / 07:15

-今泉監督の演出法で印象に残ったことはありましたか。

 現場で生まれたものをすごく大切にしてくださる方です。動きを細かく指示する監督もいますが、今泉さんは結構自由にやらせてくださるので、やっていて楽しいし、一緒に作っているという感覚もより強くなるので、俳優を信頼してくれていると感じることができます。一緒に考えてくださるし、聞いたことにもきちんと答えてくださるので、すごくありがたいです。めちゃめちゃすてきな監督さんです。

-そういう雰囲気が映画にも出ていますね。

 そうですね。今泉組は本当にすてきな組なので、ぜひまた出てみたいと思います。

-では、最後に映画の見どころと、観客に一言お願いします。

 この映画は、二つの家族が、それぞれが持つ事情の中で苦悩しながらも頑張って、いい方向に進んでいく様子を描いています。映画やドラマは、人それぞれにいろいろな見方があっていいと思いますが、この映画は、一人一人の登場人物を大切に描いているので、自分の目線、親の目線など、どんな立場から見ても共感できるところがあると思います。それから、悪役が大切な映画もありますが、この映画は悪役がいないことがポイントです。

(取材・文・写真/田中雄二)

(C)2020映画「かそけきサンカヨウ」製作委員

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】映画は原作を超えたか 沖縄の現代史を背景に描いた力作『宝島』/純文学風ミステリーの趣『遠い山なみの光』

映画2025年9月18日

『遠い山なみの光』(9月5日公開)  1980年代のイギリス。日本人の母とイギリス人の父との間に生まれロンドンで暮らすニキ(カミラ・アイコ)は、大学を中退し作家を目指している。ある日、彼女は執筆のため、異父姉の景子が亡くなって以来疎遠になっ … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】レジェンドたちの「朝鮮の旅」たどった写真家の藤本巧さん

2025年9月18日

▼新しい美の概念  志賀直哉や武者小路実篤らと文芸雑誌『白樺』を創刊し、西洋美術を紹介していた柳宗悦(1889-1961)は、浅川兄弟との関わりで初めて朝鮮に興味を持つことになる。  「(彫刻家を目指していた)伯教さんは『白樺』を読み、柳先 … 続きを読む

エマニュエル・クールコル監督「社会的な環境や文化的な背景が違っても、音楽を通して通じ合える領域があるのです」『ファンファーレ!ふたつの音』【インタビュー】

映画2025年9月18日

-劇中に流れるさまざまな曲は、全て監督のチョイスですか。  音楽は全て私のチョイスです。こういうシーン、こういう状況だったらこの音楽は意味があるかなと考えながら一つ一つ選んでいきましたが、いろんな人たちの意見も聞きましたし、私自身もたくさん … 続きを読む

前田旺志郎「世の中に関心を持つ大切さに気付いた」窪塚愛流「止まっていた時間が動き出した」初共演の2人が福島原発事故を題材にした映画で感じたこと『こんな事があった』【インタビュー】

映画2025年9月16日

-お芝居に悩んだり、難しさを感じたりすることはありませんでしたか。 前田 たくさんあります。でもその都度、松井監督と相談しながら進めていきました。迷ったときは、松井監督を信じればいい、という信頼関係が出来上がっていたので。 窪塚 松井監督は … 続きを読む

グイ・ルンメイ、真利子哲也監督「お互いが思い合うからこそすれ違う。でもそこには愛があるという家族の形を描きたかった」『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』【インタビュー】

映画2025年9月12日

-ルンメイさん、夫・賢治役の西島秀俊さんの印象はいかがでしたか。 ルンメイ 今回西島さんと一緒にお仕事ができたことはとても光栄でした。西島さんは経験豊かな方なので、私は現場でとても安心して演技をすることができました。西島さんがいろんなエネル … 続きを読む

Willfriends

page top