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どちらも共感できるし、どちらも共感できない、という感じです(笑)。
同じ職場の人と不倫関係になるというのがよく分からないんですよね。絶対に面倒くさくなるのが分かっているのに「そんな近場に、手を出す?」っていう…。そういうところは、あまり共感できないです。ただ、千佳さんの立場で見ると、魅力的な男性がそこにいた、だから仕事とは関係なく親しくなりたいし、なってしまったものはしょうがない、という気持ちも分かります。逆に佐和子の立場で見ると、「俊夫さんならそこ行っちゃうよね。しょうがないな…」という部分があるんだろうな、ということも理解できますし…。
結局、佐和子は俊夫さんに対して愛情があるんですよね。「もう一度漫画を描いてほしい」という…。そこがこの映画のいいところだと思うんです。不倫を題材にしながらも、そこにフォーカスし過ぎないから、ドロドロした話にならず、気持ちよく見られる。見終わった後、スカッとした気持ちになれますし(笑)。
(取材・文・写真/井上健一)
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