【インタビュー】映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』黒木華「スリリングで気持ちよく楽しめる映画です」ハラハラする夫婦の心理戦で見せた名演の舞台裏

2021年9月9日 / 08:00

-なるほど。黒木さんのお芝居の魅力の一端が垣間見えた気がします。ところで、男性から見ると、佐和子だけでなく、「不倫がバレたかも?」と焦る俊夫とは対照的に、平常心で振る舞える相手の千佳にも女性の強さやしたたかさを感じましたが、黒木さんがより共感できるのはどちらでしょうか。

 どちらも共感できるし、どちらも共感できない、という感じです(笑)。

-具体的には?

 同じ職場の人と不倫関係になるというのがよく分からないんですよね。絶対に面倒くさくなるのが分かっているのに「そんな近場に、手を出す?」っていう…。そういうところは、あまり共感できないです。ただ、千佳さんの立場で見ると、魅力的な男性がそこにいた、だから仕事とは関係なく親しくなりたいし、なってしまったものはしょうがない、という気持ちも分かります。逆に佐和子の立場で見ると、「俊夫さんならそこ行っちゃうよね。しょうがないな…」という部分があるんだろうな、ということも理解できますし…。

-なるほど。

 結局、佐和子は俊夫さんに対して愛情があるんですよね。「もう一度漫画を描いてほしい」という…。そこがこの映画のいいところだと思うんです。不倫を題材にしながらも、そこにフォーカスし過ぎないから、ドロドロした話にならず、気持ちよく見られる。見終わった後、スカッとした気持ちになれますし(笑)。

(取材・文・写真/井上健一)

(C)2021「先生、私の隣に座っていただけませんか?」製作委員会

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