【インタビュー】舞台「近松心中物語」石橋静河が体現する「生きるエネルギーが爆発したような二つの恋」

2021年8月20日 / 12:00

-ところで、本作ではお亀と梅川という二つの恋が描かれていますが、石橋さんはどちらの恋に共感できますか。

 うーん…タイトルにあるように「心中」のお話なので、どちらにもあまり共感はできないかな(笑)。当時は、選択肢も少なく、生きるか死ぬかということがもっと身近だったからこそ、「心中」ということもあり得たのかもしれませんが、今の時代では、なかなかその選択肢を選ぶことはないですよね。ですが、今回は、お亀という人物を通してこの作品を見ているので、やはりお亀と与兵衛の恋には特別な気持ちがあります。きっとこういう人物たちが本当にいたんだろうなと思える人物描写がされているので、本を読みながら2人の恋を応援したくなりました。

-では、石橋さんの理想の恋は?

 今は、いろいろと苦しい時代ですが、そういう中でも、相手の支えになれたらいいなと思います。不安がある中でも、お互いに安心できる場所だと思える関係がすてきだと私は思います。

-改めて、作品の見どころを。

 何度も上演されてきた作品ですが、今回は音楽をスチャダラパーさんが担当されたりと、これまでとはまた異なる形になっていると思います。長塚さんの演出によって、一人一人の役が生き生きと舞台上に現れ、その時代のその時間が舞台に出現すると思います。今の時代と通じるような、大変な世の中を生きる人たちが、苦しいことがあっても一生懸命に明るく生きている姿が見られます。その中で、生きるエネルギーが爆発したような二つの恋が切なく描かれます。何か伝わるものがあると思うので、楽しみにしていただけたらうれしいです。

(取材・文・写真/嶋田真己)

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「近松心中物語」

 KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「近松心中物語」は、9月4日~20日にKAAT神奈川芸術劇場(ホール)ほか、北九州、豊橋、兵庫、牧方、松本で上演。

公式サイト https://www.kaat.jp/d/chikamatsu

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