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原田優一、オレノグラフィティ、小柳心、鯨井康介が、「演劇を作るチーム」として立ち上げた「PAT Company」の第2回公演となる、ミュージカル「眠れぬ森のオーバード」が8月19日から上演される。本作は、ある不気味な館で起きた殺人事件と、探偵による解決後の朝までの様子を描いたヒューマン「ミュステリー」。PAT Company(以下、PAT)の4人に、チーム結成までの経緯や本作の見どころを聞いた。
鯨井 1年前に小柳くんのYouTubeチャンネルに僕がゲストで出演させていただいたのがきっかけです。小柳くんとは「ゆくゆくは演劇を作っていきたい」という話を昔からしていたので、その話の中で、「ぜひ、紹介したい人間がいる」と。それで、演出家でもある原田優一さんと音楽家でもあるオレノグラフィティさんを紹介させていただき、演劇集団として作品を作っていこうと盛り上がって、結成しました。
鯨井 チームを発足してからは、定期的に公式YouTubeチャンネルで企画会議を配信していたのですが、最初の配信を本多劇場の方がご視聴くださっていて、うちの劇場で公演をしないかというオファーを頂いたんです。それで、かなりのスピードで公演が決まって、しかも憧れの本多劇場だったので、夢見心地のまま進んでいきました。実際に初日が開いたときは、いろいろな思いが込み上げてきて、私、恥ずかしながら泣いてしまって…。地に足がついていないまま、そこまで進んでいたと思っていたけれど、どこかでしっかり現実味があったんだと不思議な感覚でした。
小柳 最初に本多劇場でやると聞いたときは、「何言ってるんだ?」と思いました(笑)。野球で地区大会から勝って甲子園に行く予定だったのに、最初から「甲子園のマウンドに立っていいよ」と言われたような、夢みたいな感覚でした。
オレノグラフィティ 僕は、絶対に面白い芝居を作らなくちゃいけないというプレッシャーを強く感じていました。でも、心さんも原田さんも鯨井さんも、僕の予想を遥かに超えるアイデアをたくさん出してくださって、稽古中もずっと笑っていて、毎日とにかく楽しかった。このメンバーで長く続けていきたいと改めて思いました。
原田 1作目は、どんな作風がこの4人にとっていいのかを整理しながら方向性を定める作業をしていたところがあったと思います。開幕してからは、ゲストの方も含めてみんなが盛り上がっていたと感じました。僕は、出演はしていなかったのですが、初日が終わって舞台裏に行ったら3人が熱くなって泣いていて(笑)。
鯨井 この人、すごくドライなんですよ(笑)。
原田 3人は熱いけれど、演出だけだった僕はどこか引いた目線で見ているところがあったので、そのバランスもいいのかなと思います。すごく刺激的で、楽しかったです。
鯨井 第1回公演の楽屋で雑談をしていく中でスタートしました。
小柳 推理小説とか探偵ものって、クローズドサークル系の作品だと殺人事件が起きて、犯人が明らかになった後、次のシーンはカットが変わって翌朝になっているんですよ。でも、犯人が分かってからの一晩は、彼らは何をしているの? ってすごく気になっていたんです。だって、殺人犯もいるし、死体もある。そんな異様な空間で何をしているんだろうって。その疑問からスタートしました。
鯨井 はい。(探偵 ホムロ役の)鳥越裕貴さんと(助手 ワトウ役の)椎名(鯛造)くんだけじゃなく、強力なキャストが集まって、われわれが作ってきたものを何倍にも膨らませて、色濃く表現してくださっています。
小柳 今、台本を最初から最後まで初めて通したところですが、初めてでこれだけ面白いんだからという手応えはありました。
オレノグラフィティ 皆さんすごく個性があるので、この方にこういう曲を歌ってほしいというファン目線で曲を書きました。今すぐにでも見ていただきたいなと思うぐらい手応えは感じています。
原田 演出面から見ると、今回のキャストの皆さんは、自分がどこに立ち、どうすればいいのかを理解している方たちばかりです。しかも、それぞれが個性的に動いてくださるので、とてもありがたいですし、稽古もとてもスムーズに進んでいます。PATは、音楽家も脚本家もプロデューサーも常時、稽古場にいるというなかなかない現場なんです。しかも、すごく自由なカンパニーなので、その場で決断ができるんです。その速度感はPATならではの魅力だと思います。
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