エンターテインメント・ウェブマガジン
石井 自主映画時代には、疑似家族をたくさん扱っていたんです。ただ、当時それでいろんなことを言われて…。「おまえは自分の家族に対する欠落感を埋めるために疑似家族を作っているんだ」とか…(笑)。それで恥ずかしくなって、一時やめていたんです。
石井 でも、最近になってそういう足かせから解放されたんです。特に今回は韓国に行ったことで逆に素直になれたというか。日本では見せられないことが、海外だから見せられた、というところがあると思います。そういう意味では、僕の中にある強烈な本質が出ているんじゃないかな…と。そういうことの一環で、「既存のルールを無視して、みんながそれぞれの痛みによって結び付いていく」というドラマをやりたくなったんだと思います。
池松 “家族”の価値が薄れていく中、その在り方はますます従来通りにはならなくなると思いますし、それでいいと思っています。それでも人間は、形を変えたコミュニティーや社会を形成しながら誰かと手を組んで生き延びていくものだと思います。ウイルスや争いやAIの躍進により、これからも人はどんどん孤立していってしますような気がしていますが、その再生の兆しがあるとすれば、この映画における家族のようなもの、ゆるやかな団結によって希望を得ていくことなのではないかと感じていますし、それを二つの国の家族にフォーカスして描いたこの作品は、非常に先進的かつ優れていて、挑戦のしがいがあったと思います。この作品を送り出す者の1人として、目の前の人とコネクトし続けることを諦めず、いかに最後まで向き合えるかが、大きなテーマでした。出来上がった作品を見たときは、自分が携わった作品であるにもかかわらず、おかしいぐらい感動させられました。
(取材・文・写真/井上健一)
ドラマ2025年9月4日
-新之助の親友ともいえる蔦重を演じた横浜流星さんの印象はいかがでしたか。 横浜さんほどストイックな座長は見たことがありません。共演は今回が初めてですが、実は横浜さんとは10年位前からオーディションでよく見かけていて、ワークショップでも一緒 … 続きを読む
映画2025年9月4日
-吹き替えで難しかったところと楽しかったところはありましたか。 初めてのことだったので、付いていくのに必死な部分もありましたし、基本的には全てが難しかったのですが、それと同じぐらいの楽しさもありました。自分が当てた声を見たり聞いたりする時 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年9月3日
-劇団☆新感線は45周年を迎えますが、小池さんも今年、45歳になります。40代になって変わったところはありましたか。 みんな同じだと思いますが、疲れが取れない(笑)。気持ちだけではどうにもいかないことがあるなと思いました。女性の場合、更年 … 続きを読む
映画2025年9月2日
-確かにその通りですね。 そういう意味では、その両方が真実でもあると思います。その中で自分でどうにかできるのは、「自分の考える自分らしさ」なのかなと。自分が「こうしたい」「こういうことはしたくない」と考えることが、自然と「自分らしさ」につ … 続きを読む
映画2025年9月1日
『蔵のある街』(8月22日公開) 岡山県倉敷市に住む高校生の蒼(山時聡真)と祈一(櫻井健人)と紅子(中島瑠菜)は、小学校からの幼なじみ。ある日、蒼と祈一は、紅子の兄で自閉スペクトラム症のきょんくん(堀家一希)が神社の大木に登って叫んでいる … 続きを読む