【インタビュー】ドラマ「春の呪い」高橋ひかる 亡き妹の婚約者との“いけない恋”を描く本作は「『ねたみ』という言葉がぴったりの作品」

2021年5月24日 / 08:30

 女優の高橋ひかるが主演するドラマ「春の呪い」が、毎週土曜日午後11時25分からテレビ東京系で放送中だ。本作は、最愛の妹・春を亡くした主人公の夏美が、妹の婚約者で財閥系の御曹司・冬吾に恋をする激情のラブストーリー。いけない恋に揺れる夏美を高橋が、良家の名にとらわれつつもあがく冬吾を工藤阿須加が演じ、恐怖の幻影として姿を現す春を桜田ひよりが演じる。本作で夏美を演じている高橋に、亡き妹の婚約者から交際を申し込まれるという難役に挑んだ感想や、共演者の印象、ドラマの見どころなどを聞いた。

高橋ひかる(C)テレビ東京

-本作は、小西明日翔氏の同名漫画が原作ですが、まずは原作を読んだときの感想から教えてください。

 夏美のゆがんだ感情や、痛々しさが伝わってきて、苦しくなりながらも、どんどん世界観に引き込まれていきました。夏美、冬吾、春、それぞれの目線から読むことができて、すごくリアルに心情が動く物語だったので、そういうところを表現できたらいいなと思いながら読みました。

-夏美は亡き妹に対して複雑な心境を抱いている役どころですが、どのように役作りをしていますか。

 まずは、原作の絵から多くのイメージを頂いて、夏美の表情から、こう感じているのかな、こう考えているのかなという感情を読み取って膨らませたり、現場で監督と話をしながら感情を高めています。

-劇中では夏美、冬吾、春の“奇妙な三角関係”が描かれますが、演じる上で苦労しているところは?

 夏美を通して、初めて感じる感情がとても多くて、今まで携わらせていただいたどの作品よりも、台本を肌身離さず持ち歩いて読んだり、台本や作品と向き合っています。春が生前に言っていたことは本当にその通りだったのかなとか、音で聞こえる言葉だけが真実ではないのかなとか、いろいろなことを深く考えるきっかけになりましたし、春が後ろから見守っていたりと、想像や空想の中のシーンも多くあるので、どのシーンも悩みながら演じています。

-劇中で描かれる「ねたみ」という感情については、どのようなことを考えましたか。

 「嫉妬」は結構身近にあると思うんですけれど、「ねたみ」というのはもっと粘着力があって、深くてドロッした感情だと思います。劇中では、夏美が春に対してねたみを抱いているので、その言葉は、本当にこの作品にぴったりだなと思います。

-夏美という役と高橋さんご自身が似ているなと思う部分は?

 夏美は笑顔が印象的で、心の底から笑ってはいるけれど、どこかで笑っていない自分がいたり、空元気がある女の子なので、その部分は感情移入できるなと思いました。私も今は元気がないけれど、明るく振る舞っていれば元気になるかなと思っていた時期もあったので、無理をしがちなところや明るい感じが似ているのかなと思います。

-本作はテレビ東京が4月に新設した“中毒性の高いテーマ”を扱う「サタドラ枠」の第2弾作ですが、攻めた作風なのでしょうか。

 はい、撮影をしていても新しい試みだなと思うシーンが結構あるので、ぜひ期待していただきたいです。ただの恋愛ドラマじゃないぞ、純愛じゃないぞ、というのを念頭に置いて楽しんでいただければと思います。

-工藤阿須加さんや桜田ひよりさんと共演した感想は?

 工藤さんは周りのことを瞬時に察知して動かれる方で、役者としても人間としても尊敬できる先輩だなと思います。私が作品について悩んでいたときも、親身になってアドバイスをくださったり、人間としての考え方まで教えてくださるので、本当に先生みたいな方です。桜田さんは、すごく芯を持っていて、目の奥から感じる熱量があるのでカッコいいなと思います。私がテークミスをしても「大丈夫だよ」と言っていただいたり、年齢は一つ下なのですが、お姉さんみたいな雰囲気があって、私が逆にいじられている感じです(笑)。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

尾上眞秀「お母さんやおばあちゃんが喜んでくれました」寺島しのぶの長男が舘ひろしとの共演で映画初出演『港のひかり』【インタビュー】

映画2025年11月14日

 日本海沿岸の小さな漁師町を舞台に、元ヤクザの漁師・三浦と目の見えない少年・幸太という、年の離れた孤独な2人の絆を描くヒューマンドラマ『港のひかり』が、11月14日から全国公開中だ。  主演に舘ひろしを迎え、『正体』(24)の俊英・藤井道人 … 続きを読む

『物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家の物語』(7)神々がすむ土地を語る

2025年11月14日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼玉田永教と神道講釈  銭湯の湯け … 続きを読む

ハリウッド・リメイク決定!インド発ノンストップ・アクション!「日本の皆さんにも楽しんでいただけるはず」ニキル・ナゲシュ・バート監督『KILL 超覚醒』【インタビュー】

映画2025年11月13日

 40人の武装強盗団が、ニューデリー行きの特急寝台列車を襲撃! 刀を手に乗客から金品を奪う強盗団のリーダー、ファニ(ラガヴ・ジュヤル)は、大富豪タークルとその娘トゥリカ(ターニャ・マニクタラ)を人質に取り、身代金奪取をもくろむ。だがその列車 … 続きを読む

上白石萌歌「小さなお子さまから大人の方まで幅広く届いてほしいと思います」『トリツカレ男』【インタビュー】

映画2025年11月11日

 何かに夢中になると他のことが目に入らなくなってしまうジュゼッペ(声:佐野晶哉)は、街の人々から「トリツカレ男」と呼ばれている。ある日、ジュゼッペは、公園で風船売りをしているペチカに一目ぼれし、夢中になるが…。作家・いしいしんじの同名小説を … 続きを読む

八木莉可子「相反する二面性をどちらも大切にしたい」「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」【インタビュー】

ドラマ2025年11月10日

 草なぎ剛主演の月10ドラマ「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜午後10時)。第3話で強烈なインパクトを残したゆずは(八木莉可子)の母(雛形あきこ)が、再びHeaven’s messenger … 続きを読む

Willfriends

page top