【インタビュー】「テンペスト~はじめて海を泳ぐには~」柳浩太郎舞台復帰2作目での挑戦「ハンディがあることは隠すものではないし、隠す必要もない」

2021年5月26日 / 08:00

 俳優の柳浩太郎が出演する、インクルーシブ・シアタークリエーション・プロジェクト「テンペスト~はじめて海を泳ぐには~」が6月1日から上演される。本作は、日本・英国・バングラデシュの3カ国の障がいがあるアーティストと共に、それぞれの文化や言葉、障がいの違いを生かして創作される作品。英国の演出家ジェニー・シーレイの呼び掛けの下、2020年5月の上演を目指していたが、新型コロナウイルスの拡大に伴い上演は延期に。今回、新たに公演が決定した。

 柳は、03年の交通事故によって脳に損傷を受けたことで高次脳機能障がいを抱え、14年に活動を休止。以降、表舞台から遠ざかっていたものの、ままならない体をコントロールするためのトレーニングを続け、19年から芸能活動に復帰した。本作は、柳にとって20年2月以来の有観客での公演で、復帰後2作目の舞台出演となる。柳に稽古を通して感じていることや、公演への意気込みを聞いた。

柳浩太郎

-公演が中止となってから約1年、待望の上演が決定しました。今、どんな気持ちですか。

 作品への思いという意味では、何も変わりません。延期が決まったときも、次にやれるときまでに、いい状態でいられるようにコンディションを整えておけばいいだけだと思っていました。もちろん、こうして公演ができることはすごくうれしく思っていますが。

-コロナ禍でエンタメ業界は大きな影響を受けています。柳さんも活動に影響があったのではないですか。

 例えば、講演会がネット配信になったり、形が変わることはありましたが、仕事自体は継続してやらせていただいていました。昨夏には、僕の大好きな街である中目黒で、PVを撮影してYouTubeにアップして、大きな反響も頂きましたし、大好きな南圭介くんと一緒にバースデーイベントを行ったりもして、充実していたと思います。

-有観客の公演は、今回が久々になると思いますが、それについてはいかがですか。

 やっぱり生でやりたいという思いは、この1年、ありました。もちろん、このような状況なので、映像でつながって、見てくださるみんなが喜んでくれればと思って活動していましたが、今回、やっと僕の出番が来たなという思いです。僕が本領を発揮できるのは、お客さんを前にしたパフォーマンスだと思うんです。なので、生で芝居をお見せすることで、僕の真の力が出るんじゃないかなと思っています。

-では、本作の脚本を読んでどこに魅力を感じましたか。

 シェークスピアの『テンペスト』が劇中劇となっていて、現代の僕たちも描いているという面白い構成の作品です。全編シェークスピアではないので、お芝居としては演じやすいですが、シェークスピアの芝居に対する僕たちの気持ちをどう見せられるかがポイントになると思います。それから、イギリスやバングラデシュの方たちとの(映像での)共演となるので、ワールドワイドなコミュニケーションが生まれていて、新しいものに仕上がっています。僕にとっても、こういったインターナショナルな芝居はこれまでやったことがないので、挑戦です。

-今回は障がいのあるアーティストが集まっているため、通常の舞台とはまた違った稽古の過程があるかと思います。さらに、演出家のジェニー・シーレイさんがオンラインでの参加となったこともあり、稽古の難しさもあるのではないかと思いますが。

 めちゃめちゃ難しいです(笑)。聴覚障がいの方もいれば、視覚障がいの方もいるので、ジェニーさんからの指示を伝えるのにも手順が必要ですから。ですが、僕自身はジェニーさんの指示を英語で一度聞いて、その後、通訳の方から分かりやすい言葉で聞くことで、考える時間もあって理解しやすくなるので、その手順も苦ではないです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【インタビュー】ドラマ「REAL⇔FAKE 2nd Stage」染谷俊之&和田雅成&松村龍之介「サスペンス要素もアクションもある」第2期スタート

ドラマ2021年6月11日

 2019年9月にMBS/TBSドラマイズム枠で放送され、新感覚ドラマとして話題を集めたオリジナルドラマ「REAL⇔FAKE」の第2期となる「REAL⇔FAKE 2nd Stage」が6月15日から放送される。第1期に続き、映像ディレクター … 続きを読む

【映画コラム】夫婦や家族についていろいろと考えさせられる『幸せの答え合わせ』と『ブラックバード 家族が家族であるうちに』

映画2021年6月10日

 今回は、夫婦や家族についていろいろと考えさせられる2本の映画を紹介しよう。まずは、6月4日に公開された『幸せの答え合わせ』から。  イギリス南部の港町シーフォードで暮らすグレース(アネット・ベニング)とエドワード(ビル・ナイ)は、結婚29 … 続きを読む

【インタビュー】『「宇宙戦艦ヤマト」という時代  西暦2202年の選択』山寺宏一「歴史の事実を突き付けられた気がした」福井晴敏「『ヤマト』は『ガンダム』や『エヴァ』の手が回らないところにあるべき存在」

映画2021年6月9日

 かつて社会現象を巻き起こした大ヒットSFアニメーションをリメークし、大きな支持を得た『宇宙戦艦ヤマト2199』(12~13)とその続編『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』(17~19)。この二つのシリーズに新作映像を交え、新たな切り口 … 続きを読む

【インタビュー】ドラマ「#コールドゲーム」結木滉星「仕事が生きがいだというぐらい楽しい」 氷河期を舞台にしたサバイバルドラマに挑戦

ドラマ2021年6月7日

 天才詐欺師がマイナス45度の極寒の中、サバイバルをする姿を描く、大人の土ドラ「#コールドゲーム」が、6月5日から東海テレビ・フジテレビ系で放送中。本作は、氷河期に突入した地球で、わずかに生き残った人類によるサバイバルストーリー。たどり着い … 続きを読む

【インタビュー】映画『47歳 人生のステータス』マイク・ホワイト監督「この映画は、自分と他人を比較したり、他人をうらやむことの不条理さを描いています」

映画2021年6月7日

 47歳のブラッド(ベン・スティラー)が、大学進学を目指す息子とボストンへ向かう旅の中で、自らの人生を見つめ直していく。人生の後半戦を歩み始めた中年男性の悲哀と再生を温かいタッチで描いた、プランBエンターテインメント製作の『47歳 人生のス … 続きを読む

amazon

page top