栄一、運命の第十二回!「『栄一と”命のやり取り“をするのはここだ!』と、撮影前から楽しみにしていました」満島真之介(尾高長七郎)【「青天を衝け」インタビュー】

2021年5月2日 / 12:00

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「青天を衝け」。主人公・渋沢栄一(吉沢亮)は、いとこの尾高惇忠(田辺誠一)らと共に、攘夷決行と幕府転覆をもくろみ、高崎城乗っ取りと外国人が暮らす横濱の焼き討ちを計画。5月2日放送の第十二回「栄一の旅立ち」では、命懸けの計画に挑もうとする彼らの運命を、惇忠の弟・尾高長七郎が大きく左右することとなる。剣豪としても名をはせた長七郎を演じる満島真之介が、役に懸ける思い、第十二回の見どころを語ってくれた。

尾高長七郎役の満島真之介

-長七郎を演じる上で心掛けていることは?

 これまで約半年間にわたって長七郎を演じてきましたが、ずっと出ずっぱりの役ではないので、描かれていない部分もたくさんあります。だから、「長七郎は何を感じ、どう考えて行動したのか」という空白の部分を、少ないシーンの中で埋めていく必要があります。そのために、視野を広く持ち、りりしくも心優しい長七郎にするための体作りや心作りを日々怠らずやることに集中しています。

-栄一やいとこの渋沢喜作(高良健吾)たちの兄貴的存在である長七郎をここまで演じてきた感想は?

 栄一や喜作、(弟の尾高)平九郎(岡田健史)、惇忠兄たちと長い時間を共にしてきたことで、愛情も深まってきました。顔を合わせるのがうれしく、心穏やかになるような方々とご一緒させていただいていることへの感謝の心であふれています。ただ、撮影が進むにつれ、ちょっとずつ皆さんと会えなくなってきたんです。長七郎が攘夷志士になる一方で、栄一と喜作はこれから一橋家に仕えることになり、生きる道が分かれ、お互いに環境が大きく変わっていく。そんな中、実際に撮影現場で会えない時間が長くなったことで、「彼らはこんなにも離れていたんだな…」と実感しているところです。これも、長い期間、撮影を行う大河ドラマでしか味わえない感情でしょうね。

-江戸での修行を経験して大きく変わった長七郎について教えてください。

 長七郎は、江戸に武者修行に行ったことで、顔つきもたたずまいも大きく変わりました。全国あらゆるところから尊王攘夷を唱える思誠塾に集まった志士たちと剣を交え、語り合い、寝食を共にすることで、心身ともに大きな刺激を受け、変化していったのだと思います。現代に例えるなら、田舎から東京の大学に行った同級生が夏休みに帰省したら、ものすごく変わっていた…みたいな感じでしょうか(笑)。そういう経験は少なからず皆さんにもあるはずです。とはいえ、当時の江戸の影響力は、今とは比べ物にならないほどすさまじかったに違いありません。

-5月2日放送の第十二回では、栄一たちの“高崎城乗っ取り”と“横濱焼き討ち”計画を長七郎が命懸けで阻止するシーンが描かれるそうですね。

 これは、史実として渋沢栄一さんご自身の年表にも必ず入っている、とても重要な出来事です。「栄一と”命のやり取り“をするのはここだ!」と、撮影に入る前から非常に楽しみにしていました。長七郎は、結婚もしなければ写真も残っていない、歴史上ほぼ知られていない謎の多い人物です。しかし、彼がこの計画を止めたからこそ、みんなが生き残り、その命が現代の日本につながった。だから、役を頂いたときから、あの場面は非常に意識していましたし、そこに至るまでに栄一や喜作、惇忠兄との関係性をどれだけ深めていけるかが大きな課題だと思っていました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

多部未華子「学びの多い現場でした」DV被害者役に挑んだヒューマンミステリー「連続ドラマW シャドウワーク」【インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。  主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む

森下佳子「写楽複数人説は、最初から決めていました」脚本家が明かす制作秘話【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。これまで、いくどとなく視聴者を驚かせてきたが、第4 … 続きを読む

富田望生「とにかく第一に愛を忘れないこと」 村上春樹の人気小説が世界初の舞台化【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月30日

 今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む

【映画コラム】実話を基に映画化した2作『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』『栄光のバックホーム』

映画2025年11月29日

『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』(12月5日公開)  太平洋戦争末期の昭和19年。21歳の日本兵・田丸均(声:板垣李光人)は、南国の美しい島・パラオのペリリュー島にいた。漫画家志望の田丸はその才能を買われ、亡くなった仲間の最期の雄姿を遺族 … 続きを読む

氷川きよし、復帰後初の座長公演に挑む「どの世代の方が見ても『そうだよね』と思っていただけるような舞台を作っていきたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月29日

 氷川きよしが座長を務める「氷川きよし特別公演」が2026年1月31日に明治座で開幕する。本作は、氷川のヒット曲「白雲の城」をモチーフにした芝居と、劇場ならではの特別構成でお届けするコンサートの豪華2本立てで贈る公演。2022年の座長公演で … 続きを読む

Willfriends

page top