【大河ドラマコラム】「青天を衝け」第八回「栄一の祝言」栄一や慶喜の姿に見る「思いやりと優しさ」

2021年4月8日 / 16:44

 4月4日に放送された大河ドラマ「青天を衝け」第八回「栄一の祝言」は、その名の通り、親戚や友人、知人に囲まれた、栄一(吉沢亮)と千代(橋本愛)のにぎやかな結婚式でクライマックスを迎え、揺れる幕府内とは対照的に、和やかな幕切れとなった。

渋沢千代役の橋本愛(左)と渋沢栄一役の吉沢亮

 ここで、栄一と千代の結婚が決まった経緯を振り返ってみたい。この回の冒頭で、千代に自分の思いを告白した栄一は、同じく「千代が嫁に欲しい」と主張する喜作(高良健吾)と剣術で対決。互いに全力で挑んだ勝負の末、僅差で喜作が勝利する。

 これで喜作が結婚を申し込む…かと思いきや、千代に「あいつ(栄一)は、俺の弟分だ。見ての通り、実にまだまだの男だ。…(中略)…あいつには、おめえのようなしっかり者の嫁がいた方がよい」と告げ、その場を立ち去る。つまり、勝者の喜作が、千代との結婚を栄一に譲ったわけだ。

 それは、栄一(と、栄一を慕う千代の気持ちも?)を思いやる喜作の優しさの表れと言える。これにより、栄一と千代は無事に夫婦となり、喜作も自分を慕うよし(成海璃子)と結婚。全員が幸せな形で締めくくられた。

 この栄一と喜作の勝負を筆頭に、この回は「強い者が弱い者を思いやる」姿が繰り返されたのが印象的だった。

 まずは、将軍後継争いだ。第13代将軍・徳川家定(渡辺大知)の後を継ぐのは、紀州藩主・徳川慶福(磯村勇斗)か、それとも英邁と評判の徳川慶喜(草なぎ剛)か。幕府内で意見が割れる中、徳川斉昭(竹中直人)や松平慶永(要潤)の推す慶喜優勢かと思われたが、家定の意を受けた大老・井伊直弼(岸谷五朗)の推挙により、慶福に決定する。

 これを直弼から知らされた慶喜は、「それは大慶至極ではないか」と、意外にも快諾。側近の平岡円四郎(堤真一)にも「このようなことで長くもめては、ますます公儀を弱らせるのみ。これでよかったのだ」と告げる。

 また、家定によって、誰も予想しなかった大老への大抜てきを受けた直弼自身も、「大老の器ではない」と悪評が立ち、四面楚歌(そか)の状況にあった。権力はともかく、人望は薄く、ある意味では「弱者」と言える。だが、そんな直弼に対しても、慶喜は慶福の次期将軍就任に関連して「幼いとの声もあるようだが、そこもとが大老として補佐すれば、何の不足があろうか」と、その立場を認める。

 
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