「栄一さんの妻として、共に歩む千代の成長を感じていただけたら」橋本愛(渋沢千代)【「青天を衝け」インタビュー】

2021年4月4日 / 20:50

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「青天を衝け」。4月4日放送の第八回では、主人公・渋沢栄一(吉沢亮)が、幼なじみの千代と結婚。これから2人は、支え合いながら激動の時代を歩んでいくことになる。千代を演じるのは、「西郷どん」(18)、「いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~」(19)に続き、これが3度目の大河ドラマ出演となる橋本愛。撮影の舞台裏や「尊敬している」と語る渋沢栄一への思いなどを聞いた。

渋沢千代役の橋本愛

-第八回では、千代を巡って栄一と喜作(高良健吾)が、剣術で勝負する場面がありました。その場に立ち会った感想は?

 とにかく恥ずかしかったです(笑)。ただ、千代の気持ちとしては、第六回で言っていたように、「剣を振るときも、土を掘っているみたいになってしまう」という栄一さんの穏やかで優しいところを慕っていたはずなんです。それが、あの場面ではものすごい気迫が感じられて…。「気迫が足りない」と言っていた栄一さんが、私のことになると、こんなに強く戦ってくれるんだ、と。そういううれしさはありました。でも、私自身としてはあの中に混ざって、一緒に竹刀を振り回したかったです。「男だけでずるい!」と思っていました(笑)。

-これから千代は妻として栄一と共に歩んでいくことになりますが、吉沢さんとの夫婦のシーンを演じる上で心掛けていることはありますか。

 夫婦になる前からそうだったんですけど、夫婦になった後は、より2人の関係性の少女漫画味が強くなっているんです。「これは女の子をキュンキュンさせるために書いたのかな?」と思うようなシーンがたくさんあって(笑)。でも、私はそういうシーンがすごく恥ずかしくて、苦手なんです。だから、本番までに一生懸命、その恥ずかしさを取り除くようにしています(笑)。

-意外な苦労があるんですね。

 ただ、その分、栄一さんに対する千代の愛情がものすごく大きいので、演じていると気持ちがあふれ出そうになるんです。触れたいと思ったり、抱き締めたいと思ったり…。でも、千代は「女性がそういうことをするのははしたない」という品性を持っているので、湧き上がってくる気持ちを頑張って抑制しています。抑えている分、千代からにじみ出る愛情が伝わったらいいな…と思って。

-改めて、出演が決まったときの感想を。

 「青天を衝け」の制作が発表されたときは、吉沢さんが主演する話を普通にニュースとして聞き、「すごい!」と思っていたんです。その後、私の参加が決まったので、びっくりしました。ただ、今まで大河ドラマには「西郷どん」に2回、「いだてん」も時々…という形の出演で、妻として主人公と並走するような役は初めてだったので、すごくうれしくて、光栄に思いました。それと同時に、撮影期間も長いので、ちゃんと心構えが必要だな、と身が引き締まりました。

-吉沢さん演じる栄一、高良健吾さんが演じる渋沢喜作と、幼なじみの3人が物語の中心になると思いますが、橋本さんから見たお二人の印象をお聞かせください。まずは吉沢さんから。

 事前に、吉沢さんと共演したことがある、友だちの杉咲花ちゃんに「吉沢さんて、どんな人?」と聞いてみたんです。そうしたら「すごく人見知りだよ」と教えてくれて。私も人見知りなので、「一緒だな…」と安心してお会いしてみたら、人見知りの部分だけでなく、現場に立ってたたずんでいる感じも似ているな…と。温度感が似ているというか…。そういうところで同じにおいを感じて、すごくやりやすいなと思いました。

-なるほど。

 しかも、私は渋沢栄一という人をすごく尊敬していたので、吉沢さんがどう演じるんだろう?と楽しみにしていたんです。実際に向き合ってお芝居をしてみたら、ものすごく明るくて、はつらつとして、表情が色彩豊かだな…と。栄一さんを見ているだけで楽しめるドラマになるんじゃないかな、とすごく感じました。

-高良さんの印象は?

 高良さんは、数年前にNHKのドラマでご一緒して、3カ月ぐらい一緒にやっていたので、「高良さんがいれば大丈夫」と信頼し切っています。印象的だったのは、千代に思いを寄せる14歳頃の喜作が、千代に告白しようとするけど、できない、みたいなシーンです。撮影のとき、既に30歳を超えている高良さんが、ランドセルを背負っている少年のような表情をされたんですよね。それがすごくかわいらしくて…。年齢や精神性の表現力に衝撃を受けました。あれは本当にすごかったです。

 
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