【インタビュー】映画『ソウルフル・ワールド』日本版声優 浜野謙太、川栄李奈 「この映画を見ると、自分も頑張ろう、日々を大切に生きようと思えるのではないでしょうか」

2020年12月30日 / 07:30

 ジャズ・ピアニストを夢見る中学教師のジョー・ガードナーは、マンホールに落ちてソウル=魂の世界へ入り込む。ジョーは、地上へ戻る方法を探るため、人間になることを拒み続けるソウルの22番と共に冒険の旅に出る。ディズニー&ピクサーの最新作『ソウルフル・ワールド』が、12月25日からディズニープラスで配信された。本作の日本語吹き替え版で、ジョーを演じた浜野謙太と22番を演じた川栄李奈に話を聞いた。

22番を演じた川栄李奈(左)とジョーを演じた浜野謙太

-最初に映像を見た時、どう思いましたか。

浜野 実際のニューヨークの街並みや、人々の営みが、とても細かく描かれていて、ピクサー作品としてはちょっと意外な感じがしました。でも、その一つ一つがすてきで、美しい街だなあと思って、目を奪われました。

川栄 まず、映像がきれいで、すごいと思いました。それぞれのキャラクターも、みんなかわいらしくて、クスッと笑えるシーンもあって。でも、ちゃんと人生や大切なことについても教えてくれる作品だと思いました。

-ドラマ「とと姉ちゃん」では夫婦役でしたが、今回、お互いが相手役だと知ったときはどう思いましたか。

川栄 知ったのは、私の方が遅くて、アフレコに行ったときに、「ジョー役は浜野さんです」とだけ言われて、「あーそういえば…」みたいな感じで言われたんですね(笑)。最初は「ハマノさんって誰だろう、声優の方かな」と思ったのですが、「浜野謙太さんです」と言われて、「えーっ、ハマケン」みたいな感じで(笑)、とても驚きました。それですぐにメールをしました。

浜野 事前に、予告映像などにアフレコをしているときに「22番が川栄ちゃんだったら面白いな」と思いました。それで、実際にそうだと聞いたときは、爆笑しました。

-実際にアフレコをやってみて、いかがでしたか。

浜野 「川栄ちゃん、めっちゃうまいな。すごいな」と思いました。22番にしか聴こえないし、いたずらっ子っぽい感じも端々に出ているし…。アフレコは別々だったので、一緒にやっていたらもっとよかったのに、というちょっと悔しい気持ちもあります。

-それぞれが演じたキャラクターの印象は?

浜野 ジョーは、やっぱり自分と重ねてしまうところがあって、自分にもこういう部分はあるなと。正直なところ「俺だ」と思いました。夢に向かってばく進するあまり、人との出会いや、音楽の大切さや切なさを置いてきてしまうところや、周りにすてきなお母さんや友達もいるのに、それを忘れがちになるところなどは、「俺みたいだな」と思って、胸に刺さりました。自分も、もっと時間や人に感謝するべきだと感じました。

川栄 22番は、まず、見た目がとてもかわいいと思いました。生意気なところもありますが、それもいとおしいなと。演じていくうちに、22番が変わっていく様子を見ながら、自分もささいなことですごく楽しいと思える瞬間があるので、そういう部分は重なって見えるところもありました。

-浜野さんはミュージシャンでもあります。今回、ジャズ・ミュージシャンを夢見るジョーを演じてみて、どう感じましたか。

浜野 とても光栄でしたし、うれしかったです。結構うなずける部分があったので、自分がミュージシャンでよかったなと思いました。ジョーが演奏に集中してゾーンに入ったり、弾いているうちに、どんどんヒートアップして、ものすごい演奏をするところや、ライブの後に「すごい演奏だった」と興奮する様子は、自分がミュージシャンをやっている中で、分かることだったので、「俺でよかったな」と思いました(笑)。その、“ミュージシャンあるある的なこと”が、誰が見ても「なるほど」と思えるように描かれているので、すごくありがたい感じがしました。

-好きなシーンを教えてください。

浜野 たくさんあるなあ。特に理髪店のシーンが好きです。面白い友達がいるのに、彼らの話も聞かずに、ジョーは自分の音楽の話しかしないので、いつもここで浮いていたんだなと。あとは、ジョーがピアノを弾く前に、譜面台に、自分が持っている小物を一つ一つ置いていくシーンは、バックの音がすごく気持ち良く聴こえてきて、その後のピアノの音につながっていって…。しびれました。

川栄 ネタバレになるので詳しくは言えませんが、ラストシーンです。映像がすごくきれいなので、映画館みたいに部屋を暗くして見てもらえたらいいと思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【週末映画コラム】人気シリーズの最終章『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』/実際の元収監者たちが演劇メンバーを演じる『シンシン SING SING』

映画2025年4月18日

『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』(4月11日公開)  ブリジット(レニー・ゼルウィガー)は、4年前に最愛の夫マーク(コリン・ファース)を亡くし、深い悲しみを抱えながらシングルマザーとして2人の子どもを育てていた。自らの … 続きを読む

神山智洋&中村海人、ドラマ初共演で“ブラザーバディ”が誕生 神山、中村は「かわいい弟という感覚」

ドラマ2025年4月18日

 WEST.の神山智洋とTravis Japanの中村海人が出演する、土ドラ「ミッドナイト屋台~ラ・ボンノォ~」(毎週土曜23時40分放送/東海テレビ・フジテレビ系)の第2話が4月19日に放送される。  本作は、味覚を失ったスゴ腕フレンチシ … 続きを読む

三浦透子「その先で自分がどんな人間になっているのか、自分でも楽しみ」 舞台パルコ・プロデュース 2025「星の降る時」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年4月14日

 映画『ドライブ・マイ・カー』、舞台「ロスメルスホルム」で数々の賞を受賞し、さらに歌手としても第70回NHK紅白歌合戦に出演するなど、多才な活躍を見せる三浦透子。その三浦が、5月10日から上演する舞台パルコ・プロデュース 2025「星の降る … 続きを読む

石坂浩二 松平武元役は「渡辺謙さんと相談しながら、お芝居を工夫しました」【大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」インタビュー】

ドラマ2025年4月13日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、快調に進行中。4月13日放送の第15回「死を呼ぶ手袋」では、次期将軍候補だった徳川 … 続きを読む

ラミ・マレック、レイチェル・ブロズナハン「主人公はいわゆるスパイスリラーには出てこないようなキャラクター」『アマチュア』【インタビュー】

映画2025年4月11日

 戦闘や暗殺については全くの素人であるCIA職員の男が、妻を殺したテロリストへの復讐(ふくしゅう)に乗り出す姿を描いたアクションサスペンス『アマチュア』が、4月11日から全国公開される。本作で内気な愛妻家の主人公チャーリー・ヘラーを演じたラ … 続きを読む

Willfriends

page top