エンターテインメント・ウェブマガジン
仲野 撮影初日、吉岡さんと初めて向き合ったときに、「強っ!」と思ったんですよね。「うわ、ことね強い!」って。
吉岡 (笑)。
仲野 それはもちろん、たすくとことねという関係性もあったと思いますが、それ以上に、吉岡さんから気迫みたいなものを感じたんです。吉岡さんがどんなふうにこの作品を捉えているのか、事前に話をする時間がなくて不安だったんですけど、目を見たら一瞬で分かったんです、本気で来てくれてるって。たすくが「圧倒的にかなわない」と思うようなたたずまい。母としての覚悟や女性の強さを感じさせる中に、はかなさもあって…。そういうものをはらんで現場に来てくれたので、本当に感謝しかありませんでした。
吉岡 そう言ってもらえるのは、すごくうれしいです。私もプレッシャーを感じて現場に行っていたので…。この作品に懸ける監督の思いや題材の難しさがある上に、シーン数もそれほど多くない中で、きちんと影響を与えなければいけない。最初に撮影したのは、冒頭の「子どもが生まれた直後なのに、破局寸前」みたいな場面だったんですけど、物語の軸になる部分だったので、かなり悩みながら現場に入りましたから。悩み過ぎて、頭が痛くて、熱くて、はち切れそうでした(笑)。
仲野 世の中には、「誰かが決めた平均点」ってありますよね。その平均点にちょっと追いつかない人を、すごくいとおしく描くことができる人だな…と。それは多分、人間に対する期待とか愛情があるからだと思うんです。僕は今まで、これほどスタッフに愛された新人監督に出会ったことがありません。みんな監督と脚本を信じて、この映画を作っている。そういうところが、すごく魅力的。このタイミングで、同年代の映画作家に佐藤監督がいる。これ以上、心強いことはありません。
吉岡 言いたいことがそっくりで、びっくりしました(笑)。本当に、人が見落としてしまう部分とか、切り捨ててしまう部分を、絶対に切り捨てない。なんなら、ゴミ箱から拾って「これ、まだ使えるよ」って、くしゃくしゃになった紙を伸ばして、メモ帳に使ったりできる人。そういう印象です。本当に優しい人だから、撮れる映画だな…と。完成した映画を見ても、ものすごく佐藤監督を感じる。同年代にこういう方がいらっしゃるのは、本当にうれしいことだし、そんな方の作品に出られたことを、誇らしく思います。
(取材・文・写真/井上健一)
舞台・ミュージカル2026年1月16日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 語りは、土地と人を結び直します。 … 続きを読む
ドラマ2026年1月15日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=藤吉郎/池松壮亮)と共に天下統一を成し遂げるまでの奇跡を描く物語だ。1月11日に放送された第2回「願いの鐘」では、一度は故郷の村 … 続きを読む
映画2026年1月15日
-今回は、初老の謎の女性と年下の男の子の話でしたが…。 松田 これは、ラブストーリーとか、いろいろな解釈で見る方がいると思いますが、実はだまし合いの話なんです。主人公の文子は、もともとは詐欺師だったのかもしれない。お金を元手に何かを搾取した … 続きを読む
ドラマ2026年1月14日
-ルッキズムは人格形成にも影響があると思います。菅生さんが幼少期から育つ中で、周囲の人から影響を受けたことはありますか。 両親が見た目ではなく「君の1番いいところはここだよ」と内面の個性を伸ばす形で育ててくれたので、幼い頃から家族の中で … 続きを読む
ドラマ2026年1月8日
西畑大吾主演のドラマ「マトリと狂犬」(MBS・TBSドラマイズム枠/毎週火曜深夜)が1月20日にスタートする。本作は、「ヤングチャンピオン」(秋田書店)で2020年から連載されている同名漫画のドラマ版。 麻薬取締捜査官・黒崎、刑事・葛城 … 続きを読む