エンターテインメント・ウェブマガジン
仲野太賀と吉岡里帆。人気と実力を兼ね備えた同い年の2人が、真正面から芝居で向き合った映画が公開される。大人になり切れない青年の成長を温かなまなざしで見詰めた『泣く子はいねぇが』(11月20日(金)公開)だ。舞台は秋田県の男鹿半島。娘が生まれたばかりの青年たすく(仲野)は、伝統行事ナマハゲ参加中に泥酔し、取り返しのつかない失敗をしてしまう。妻・ことね(吉岡)から愛想を尽かされ、逃げるように上京したたすくは、2年後、自分の失敗と向き合い、家族の絆を取り戻そうと帰郷するが…。たすくとことねの複雑な心情を巧みに表現した2人の熱演は、見る者に強い印象を残す。その裏にあったものは何か。撮影の舞台裏を聞いた。
仲野 うれしかったです。吉岡さんとは同い年で、「ゆとりですがなにか」(16)で初めてご一緒させていただきましたが、そのときは、一緒にお芝居をする機会が少なかったんです。だから、この作品でご一緒できると聞いて、素直にうれしかったです。こんなに面と向かってお芝居するのは初めてなので、すごく濃い時間を過ごせるんじゃないかな…と。
吉岡 「太賀くんが主役」というのも、この作品を「やりたい」と思った理由の一つなんです。同い年ですけど、出演作を見るたびに、「こういう作品を手繰り寄せる人なんだ。いいなぁ…」と、うらやましく思っていたので。そういう憧れの相手でもあるし、「一緒に仕事をしたい」とずっと思っていたので、うれしかったです。
仲野 たすくは、すぐに楽な方、楽な方へと行ってしまい、ここぞというときに逃げてしまう、「甘え」のある役だと思っていました。それだけ聞くと、「どうしようもないやつ」と思われそうですが、ことねや娘に対する愛情がちゃんとあるんだという、「切実さ」みたいなものが映れば、たすくという人間が浮き彫りになるんじゃないかな…と。一緒のシーンは少ないですけど、2人のことを思わないシーンは一つもなかったですから。ずっとその思いを抱えながら、たすくとしていることを心掛けた感じです。
吉岡 たすくは、父親になれずにもがき苦しんでいますが、ことねも同じです。突然母になったことを受け止め切れていない。たすくに対しても、向き合いたい気持ちはあるんだけど、向き合えない。なぜなら、もっと向き合わなきゃいけない、子どもという存在ができてしまったから。多分、本人も気付いていないレベルだと思うんですけど、そういう“悩み”みたいな部分は、大事にしたいと思っていました。
仲野 自分が20代に入ってから、漠然と抱えているモヤモヤみたいなのがずっとあるんです。「なんでもっとうまくやれないんだろう」とか「なんでもっと大人でいられないんだろう」という感じで、10代の頃の気持ちが、今も心の中に図太く横たわっている自覚がある。たすくも、父親の自覚がないまま父親になってしまった男で、求められたものに対して応えられなかった自分、応えたい気持ちはあったけど追いつかなかった自分、みたいなものがすごく近い気がして。だから、この脚本を読んだとき、「今の等身大の自分を余すことなく表現できる」と思ったんです。
吉岡 ことねに関しては、佐藤(快磨)監督がきちんと女性の意見をくまれた部分が大きいと思います。初めは、もっと包み込むような優しさがあって、「本当は今もたすくのことを愛しているんだけど、仕方なく拒絶する」という“男性が夢見る女性像”みたいな感じだったんです。だけど、そこから周りの女性の意見を取り入れていったらしく、脚本のニュアンスもどんどん変わっていって。最終的には、はっきりと拒絶するキャラになっていたので、演じる上でも納得度は高かったです。そこは、監督のキャパシティーの広さだな…と。ただ、試写の後、男性のスタッフからは「あんなに怒られたら、どうしようもないよね。つらい」と言われましたけど(笑)。
舞台・ミュージカル2026年2月19日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼相撲 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2026年2月19日
小林聡美が主演する舞台「岸辺のアルバム」が、4月3日から上演される。本作は、数々の名作ドラマを世に残した山田太一が原作・脚本を務め、1977年に放送された連続ドラマを舞台化。一見平和で平凡な中流家庭の崩壊と再生を描く。ドラマでは八千草薫が … 続きを読む
ドラマ2026年2月17日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=藤吉郎/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。2月15日に放送された第6回「兄弟の絆」 … 続きを読む
映画2026年2月16日
「法医学教室の事件ファイル」シリーズを始め、数多くの2時間サスペンスで活躍してきた名取裕子。そして、2時間サスペンスを愛する人気お笑い芸人の友近。プライベートでも親交のある2人が、“2時間サスペンス“の世界観を復活させた『2時間サスペンス … 続きを読む
映画2026年2月14日
お笑い芸人のゆりやんレトリィバァが映画監督に初挑戦した『禍禍女』が絶賛上映中だ。「好きになられたら終わり」という「禍禍女」を題材に、ゆりやん自身のこれまでの恋愛を投影しながら描いたホラー映画。ゆりやん監督と早苗役で主演した南沙良に話を聞い … 続きを読む