【インタビュー】ミュージカル『テニスの王子様』Dream Stream 阿久津仁愛「リョーマは憧れで、自分がたどり着けない存在。ライバルみたいな感じ」

2020年10月27日 / 06:19

 2014年11月に始動したミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン(以下、テニミュ)の集大成として、5月に開催予定だったミュージカル『テニスの王子様』コンサート Dream Live 2020(通称:ドリライ)が、新型コロナウイルスの影響で中止となり、その代替企画として、卒業メモリアル映像作品、ミュージカル『テニスの王子様』Dream Streamが配信される。Dream Streamは歌唱、ダンス、CG映像など、本来ドリライで実現したかった20曲以上の楽曲を詰め込んだ撮りおろしの映像作品。主人公の越前リョーマを演じてきた阿久津仁愛に、3rdシーズンのファイナルとなるDream Streamへ懸ける思いや、撮影のエピソード、リョーマという存在について、などを聞いた。

越前リョーマ役の阿久津仁愛(ヘアメイク:大西トモオ)

-ドリライが中止になったときはどのように思いましたか。

 中止と聞いたとき、5月のドリライ本番までまだ時間もあったので、もしかしたらできるかもしれないという気持ちもありました。それと、単純に悔しかったです。3月にドリライ開催を記念した広告がSHIBUYA109のシリンダー広告に掲出されたんですけど、そこに自分が載っているのを見て、感動した直後に中止と聞いたんです。だから、とても悔しかったです。

-その後、Dream Streamの制作が決まったときの心境は?

 映像で、今までの曲とドリライでやる予定だった曲ができると聞いたときは、すごくうれしかったです。テニミュのPV COLLECTIONをよく見ていて、かっこいいなと思っていたので、映像の形で自分たちの姿を残せるのが楽しみでした。ただ、舞台とは違うので、表情や口の動かし方などを、映像仕様に向けてどうすればいいのかという不安はありました。

-Dream Streamの撮影にはどのような気持ちで臨みましたか。

 僕たち青学(せいがく)は「これで卒業なんだ」という気持ちで、全力を出し切ることができたと思います。それと、久々に踊ったので疲れました(笑)。でも、疲れるぐらい全力を出せたので、見てくださるお客さんに喜んでいただけるものになればいいなと思います。撮影ではCGや合成を使ったり、ドローンでの撮影もあったので、どんな形で完成しているのかすごく楽しみです。ロケでは実際に学校に行って、その学校の生徒たちが部活をやっている近くで撮影をしたんです。生徒の皆さんに見られながらの撮影だったんですが、それが逆にモチベーションを上げることになって、やる気になりました(笑)。それから、TOKYO DOME CITY HALL(以下、TDCホール)での撮影は、マイクを付けて歌いながらの撮影だったので、それも印象に残っています。久々のTDCホールで、最後だと思いつつ、ウォーミングアップをしていたときは、自分の中でグッとくるものがありました。

-撮影で青学(せいがく)メンバーと再会したときの気持ちは?。

 青学(せいがく)のみんなとは久しぶりの再会でした。会えないことが僕はずっと寂しかったので、うれしくて1人でピョンピョンしていました(笑)。稽古場でダンスの振り起こしをしたときには、昔の公演のことをみんなで懐かしみながらも、ちょっと寂しくなったりしました。

-この撮影が、リョーマを演じる最後の機会だったと思いますが、どんな思いがありましたか。

 青学(せいがく)のみんなとは毎日会って、毎日一緒に過ごしていたので、それが今日の撮影で終わってしまうと思うと、寂しい気持ちはありました。だけど、撮影で舞台上にいるときは、絶対にそういう気持ちは出さないように、そして泣かないようにしようと決めていました。自分が悲しくなっていたら、お客さんに失礼だと思ったんです。きっと、僕たちと同じように、ドリライを楽しみにしてくださっていたお客さんがたくさんいらっしゃったと思うので、せめてこの映像を楽しんでもらいたいという思いで、寂しさは見せないように頑張りました。

-それでは、最後まで泣かずにできましたか。

 いえ、結局は泣きました(笑)。撮影の最後で、みんなはすごく泣いていたんですけど、僕は泣かずに、すがすがしい気持ちで終われたんです。だけど、撮影後にスタッフさんに「ありがとうございました!」と言った瞬間に、もう泣いてしまって…みんなに「泣かない」と宣言していたので、「泣いてんじゃん」と突っ込まれてしまいました(笑)。結局、泣いた方がスッキリしますよね(笑)。

-3年半にわたってリョーマを演じられてきましたが、自身にとって「リョーマ」とはどんな存在でしたか。

 憧れで、たどり着けない存在でした。舞台上にいるときはそんなことは考えないんですけど。あんなに生意気なのに、それに文句を言われないほどのテニスのセンスと強さがあって、あの自信は自分にはないなと感じていました。それもあって、リョーマみたいにちゃんと自分が思っていることや感情を伝えられるようになりたいと思っていました。だから、憧れであると同時に、ライバルのような存在でもありました。

 
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