【インタビュー】映画『ソワレ』村上虹郎「役者次第でどうにでもなる台本。責任重大だと思っていました」 芋生悠「この映画を見た皆さんが、もっと自分を愛せるようになったらうれしい」

2020年8月26日 / 06:07

-翔太とタカラの行動の根底には、「生きづらさ」があるように感じます。今の世の中に生きづらさを感じている人は多いと思いますが、お二人はその点で翔太やタカラに共感する部分はありましたか。

村上 みんな感じていそうですよね。その理由はそれぞれ違うでしょうけど。僕の場合、人生に対する美意識とか、理想みたいなものが自分を一番縛っている気がします。ただ、翔太が感じている生きづらさは、明らかにタカラとは違います。タカラから見たら、翔太は「そんな甘いこと言ってんじゃないよ」という世界で生きている。だから、お客さんには翔太が駄目なやつに見えるかもしれません。とはいえ、それがこの映画の中での翔太の存在意義かな…と。

芋生 社会のことを言い出すと切りがありませんが、私もタカラのように自分のことが嫌いになる瞬間がたくさんあります。それでも、たとえ少なくても、お芝居をする私を見て勇気づけられる人や、応援してくれる両親がいることに励まされて、役者を続けている。そういう意味では、私自身も含めて、みんながもっと「自分のことを好きって言っていいんだよ」と言える雰囲気になったらいいな…とすごく思います。

-それは、タカラにも通じるものがありそうですね。

芋生 そうですね。強そうに見える人でも弱い部分はあるし、助けを求められる人もいれば、自分からSOSを出すことが苦手な人もいます。だから、いろんな悩みを抱えている人に対して「そんなの大したことないでしょ」と突き放すようなことはしたくないな…と。「生きづらさ」はみんなが感じていることなので、メンタルケアをしてくれる場所がもっとたくさんあればいいな…とも思いますし。私自身も、これからは自分のことをもっと愛していきたいですし、この映画を見た皆さんもそう感じてくれたらうれしいです。

(取材・文・写真/井上健一)

(C) 2020ソワレフィルムパートナーズ

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】新旧のSFアクション映画の魅力が詰まった『ジュラシック・ワールド/復活の大地』

映画2025年8月10日

 また、ジョン・ウィリアムズ作曲のオリジナルテーマ曲の流用は、先に公開された『スーパーマン』同様絶大な効果があり、恐怖とユーモアの同居は、スピルバーグが得意とする演出法だ。  また、「以前から、フィルムで撮影し、自然な映画的な質感を表現した … 続きを読む

清水尋也、松本潤は「目が何個付いているのだろうと思うくらい、現場を把握されている」 日曜劇場【インタビュー】

ドラマ2025年8月10日

-撮影現場での松本潤さんの印象を教えてください。  共演させていただくのは今回で2回目ですが、初めてお会いしたときから印象は変わらず、目が何個付いているのだろうと思うくらい現場を把握されている方です。スタッフの皆さんやカメラや照明のことなど … 続きを読む

井上祐貴 蔦重、田沼意次の運命を左右する松平定信役への思い「『めんどくさいやつ』と思わせたい」【大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」インタビュー】

ドラマ2025年8月10日

-田沼意次役の渡辺謙さんの印象はいかがですか。  謙さんとご一緒させていただくのは初めてだったので、最初に「松平定信役の井上です」とごあいさつに伺いました。すると、ちょうどメイク中だった謙さんが「お前か!」と冗談っぽく迎えてくださったんです … 続きを読む

のん『この世界の片隅に』は「末長くご覧いただきたい作品」片渕須直監督「私たちが暮らしている時代は昭和20年8月15日に始まった」終戦80年上映に込めた思い【インタビュー】

映画2025年8月9日

-これまでは「戦争の時代をいかに生き抜いたか」という物語と受け止めていましたが、終戦後の第一日目を意図したビジュアルと聞くと、見方が変わってきますね。 片渕 だから、映画としてはこの後が結構長いんです。昭和20年8月15日が新しい時代の最初 … 続きを読む

吉川愛「恐竜を目の前にして、登場人物の人間性が見えてくるところも魅力的なポイントだと思います」『ジュラシック・ワールド/復活の大地』【インタビュー】

映画2025年8月8日

-叫ぶ時は、何かを想像しながらするのですか。  目の前に本当に恐竜が現れたらどういう悲鳴を出すのかなとか、少しだけ痛い時はどういう声を出すのかなとか、本当にその場で自分が演じているのを想像しながら声を出していました。私のアフレコ風景を見たら … 続きを読む

Willfriends

page top