【インタビュー】中川晃教コンサート2020 feat.ミュージカル「チェーザレ 破壊の創造者」中川晃教「時が止まっていた劇場が、このコンサートで眠りから覚める」

2020年7月10日 / 06:00

 ミュージカル「チェーザレ 破壊の創造者」のナンバーと名作ミュージカルの楽曲、中川晃教のオリジナル曲を披露する「中川晃教コンサート2020 feat.ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』」が、7月11日と12日に、都内の明治座で開催される。ミュージカル「チェーザレ 破壊の創造者」(以下、「チェーザレ」)は、明治座創業以来、初となるオーケストラピットを稼働させる本格ミュージカルとして注目を集めていたものの、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、全公演が中止になった。その後、東京都の休業要請解除を受け、明治座が新たにスタートする第1弾として今回の公演が決定した。

 今回のコンサートでは、主演のチェーザレ・ボルジア役で出演予定だった中川が、ハインリッヒ7世役の横山だいすけ、アンジェロ・ダ・カノッサ役の山崎大輝、ドラギニャッツォ役の井澤勇貴と近藤頌利をゲストに迎え、歌やトークを織り交ぜながら、映像による演出で「チェーザレ」の世界観を表現する。中川に公演に向けての思いを聞いた。

中川晃教(スタイリスト:Kazu(WORLD STYLING)/ヘアメイク:井上 京子)

-今回のコンサートが決定した経緯を改めて教えてください。

 「チェーザレ」は、明治座が生み出す新たなミュージカルの幕開けとなるはずだったので、キャスト、スタッフ全員が、新しいものを作りたいという思いが強い作品でした。(中止が発表される)ギリギリまで稽古を重ねていて、ほぼ完成していたんです。それだけに、どうにか皆さまに世界観をお伝えすることができないかと、明治座さんも制作サイドも動いてくださり、その中で一番実現可能な形として、中川晃教のコンサートと合体させた、この公演となったのだと思います。

-コンサート形式での公演というのは、中川さんご自身も考えていた形だったのですか。

 実は、僕個人としては、(コンサートは)全く想定していませんでした。きっと制作サイドも、出演できるメンバーを集め、ソーシャルディスタンスを保ちながら、何とか本番ができないだろうかと、ギリギリまで探ってくださっていたと思います。でも、最終的に、それは今じゃないという結論に至った。それで、僕がこれまでにも明治座さんでコンサートを行ってきたこともあり、この形を提案いただいたのだと思います。もちろん、それはとてもありがたいことで、単純にうれしい気持ちですが、同時に公演が中止になり、時が止まっていた劇場が、このコンサートで眠りから覚めることになるので、身が引き締まる思いでもあります。

-コンサートはどのような構成になるのでしょうか。

 「チェーザレ」の楽曲を4曲程度披露する予定です。横山さんが歌ってくださる楽曲もあるので、「チェーザレ」からは全部で5曲ほどお聞かせできると思います。それから、これまでに僕が出演した「SHIROH」「モーツァルト!」「銀河鉄道999 ~GALAXY OPERA~」の楽曲を歌わせていただきます。「チェーザレ」は、明治座さんが日本のミュージカルという新しい形を目指して作ってきた作品なので、オリジナルミュージカルの魅力をお伝えできたらと思っています。(ゲスト出演の)山崎さん、井澤さん、近藤さんは一応トークゲストということになっていますが、ただでは帰さないつもりなので、それも楽しみにしていただければ(笑)。

-オーケストラは入るのですか。

 いえ、今回は、基本はピアノ、ベース、ギター、ドラムの構成で行う予定です。映像での演出も入るので、ここでしか聞けないものになると思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

DAIGO「クリスマス気分を盛り上げてくれる作品なので、『パーシーのクリスマス急行』にぜひ乗車してください」『映画 きかんしゃトーマス サンタをさがせ!パーシーのクリスマス急行』【インタビュー】

映画2025年12月12日

 イギリスで最初の原作絵本が誕生してから80周年を迎えた人気児童向けアニメ「きかんしゃトーマス」の劇場版『映画 きかんしゃトーマス サンタをさがせ!パーシーのクリスマス急行』が12月12日から全国公開された。シリーズ初のクリスマスムービーと … 続きを読む

高橋克典「これは吉良の物語でもあるのだと感じていただけるような芝居をしたい」 堤幸彦「『忠臣蔵』は、演劇的に言えば1丁目1番地的な作品」 舞台「忠臣蔵」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年12月10日

 元禄時代に実際に起こった仇(あだ)討ちを題材に歌舞伎などで取り上げられて以来、何度もドラマ化、映画化、舞台化されてきた屈指の名作「忠臣蔵」が、上川隆也主演、堤幸彦演出によって舞台化される。今回、吉良上野介を演じるのは、高橋克典。高橋はデビ … 続きを読む

生田斗真が驚きの一人二役!「最初から決まっていたわけではありません」制作統括・藤並英樹氏が明かす舞台裏【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月8日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。謎の絵師“写楽”が、蔦重の下で歌麿(染谷将太)ら当 … 続きを読む

板垣李光人「最初から、戦争を考えて見るのではなく、実際に見て感じたことを広めていっていただければ、それが一番うれしいです」『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』【インタビュー】

映画2025年12月5日

 戦争がもたらす狂気を圧倒的なリアリティーで描き、第46回日本漫画家協会優秀賞を受賞した武田一義の戦争漫画をアニメーション映画化した『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』が12月5日から全国公開された。太平洋戦争末期、激戦が繰り広げられたペリリ … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(8)百年ぶりの復活へ 四代目が掲げた三つの大願

舞台・ミュージカル2025年12月4日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。    2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む

Willfriends

page top