【インタビュー】PARCO劇場オープニング・シリーズ「大地」竜星涼が語る俳優論「常に挑戦していきたい」

2020年4月28日 / 06:00

 PARCO劇場オープニング・シリーズ「大地」が6月20日から上演される。本作は、三谷幸喜が新生PARCO劇場に書き下ろす新作。大泉洋を主演に迎え、三谷流「俳優論」を繰り広げる。三谷作品初出演となる竜星涼に、自身が考える「俳優論」を語ってもらった。

「大地」に出演する竜星涼 (ヘアメイク:TAKAI/スタイリング:Takashi Yamamoto)

-初めての三谷作品出演になりますね。

 三谷さんとはいつかご一緒させていただきたいと思っていたので、とても光栄に思います。しかも、それが舞台作品で、さらにPARCO劇場での公演ということで、僕にとっては意味のある作品になると思いました。舞台は、(18年に上演された)劇団☆新感線の「修羅天魔~髑髏城の七人 Season極」(以下、「髑髏城」)以来となるのですが、「髑髏城」でのお芝居を踏まえて、挑戦していきたいと思います。

-三谷作品の魅力をどこに感じていますか。

 出演者みんなが楽しそうに演じられていることだと思います。映像もそうですが三谷作品には、現場の楽しい雰囲気が画面から伝わってくる作品が多いので、きっと舞台裏でも同じ空気感が漂っているんだろうなと楽しみにしています。

-PARCO劇場に立つのも初めてということですが、初めて尽くしの公演で、どのようなことを意識しようと思っていますか。

 演劇に出演させていただくときは、学びの場として真摯(しんし)に向き合いたいと思って臨んでいます。今回も素晴らしい先輩方ばかりなので、たくさん学ばせていただきたいと思います。

-本作は「俳優論」を描いた作品ということですが、竜星さんご自身も出演する中で「俳優論」について考えることになるのでは?

 毎回、演劇に出演することは、僕自身の役者としてのマインドやスタンスを変えてくれるターニングポイントだと思っているので、そういう意味でも今回、このテーマの作品に出演できるのはうれしいです。僕にとって「髑髏城」で得たものはすごく大きなものだったので、今回もまた、役者として今まで経験してきたこと以上の経験をさせていただけると思いますし、次のステップに進まなくてはいけない時期なんだと、このテーマを見ても感じました。

-「髑髏城」ではどんなものを得たのですか。

 「自信」だと思います。それまで僕は、この仕事が本当に自分に合っているのかということをどこかでもがきながら考えていたんですが、「髑髏城」に出演したことで、役者としての使命感や責任感を感じることができましたし、お客さまや先輩方からのお言葉を頂いてこの仕事をやっていて本当によかったと実感できたんです。もちろん、これまでもいろいろな作品に出演させていただいて、感謝の気持ちを持って仕事をしてきましたが、「髑髏城」で自分の中に一つの芯ができたように思います。なので、公演が終わってからは、この仕事に対する迷いもなくなりましたし、もっともっとストイックに、そして楽しくやれるようになりました。そういう意味で、自信がついたのだと思います。

-そもそも、竜星さんは映像作品でも活躍されていました。「髑髏城」は久しぶりの舞台作品だったと思いますが、そこに挑戦してみようと思ったきっかけは何だったのですか。

 これまでも、劇団☆新感線の舞台は観劇させていただいていて、素晴らしい作品を上演されていることは分かっていたのですが、同時にそのステージに立つことの大変さや難しさも見えていたので、正直、すごく不安でした。でも、チャンスをもらったのだからやるしかない、飛び込んでみよう、と。僕の人生において、「挑戦」が一番のテーマになっているので、「髑髏城」に出演することも挑戦しがいのあることだと思ったんです。台本を読んだら、あまりにも大役だったので、震えましたが(笑)。殺陣もあって、日舞もあるという難しい役どころでしたので、稽古に入る前から練習をしてまさに挑戦が続く作品でした。

-本作の「俳優論」にちなんで、竜星さんの俳優としての歩みも教えてください。俳優を目指したきっかけは?

 僕はスカウトです。それまでは自分の中で「役者」というのは仕事の選択肢にはなかったのですが、スカウトされて何も分からないまま映像の世界に入って、こういう世界もあるんだと思いながら、ひたすら目の前のお仕事に一生懸命取り組んでいくうちに、気づいたらあっという間にここまできた感じでした。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第三回「千客万来『一目千本』」天職”本作り“と巡り会った蔦重の喜び【大河ドラマコラム】

ドラマ2025年1月24日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」。1月19日に放送された第三回「千客万来『一目千本』」では、主人公の“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)が、改めて吉原を救うため、入銀本『一目千本』の出版に奔走する様子が描かれた。 … 続きを読む

島太星、北海道からミュージカル界の新星が誕生 「フランケンシュタイン」抜擢に「命懸けで挑みます」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年1月24日

 北海道を中心に活躍するボーイズグループ「NORD」のメンバーで、近年は数々のミュージカル作品にも出演している島太星。4月10日から上演されるミュージカル「フランケンシュタイン」ではアンリ・デュプレ/怪物役を加藤和樹とダブルキャストで務める … 続きを読む

【週末映画コラム】今時代劇が熱い 多くの人々を疫病から救った実在の町医者『雪の花 -ともに在りて-』/初めて武士階級として一揆を起こした男『室町無頼』

映画2025年1月24日

『雪の花 -ともに在りて-』(1月24日公開)  江戸時代末期、有効な治療法がなく多くの人の命を奪ってきた痘瘡(とうそう=天然痘)。福井藩の町医者・笠原良策(松坂桃李)は、痘瘡に有効な「種痘(予防接種)」という予防法が異国から伝わったことを … 続きを読む

杉田雷麟、平井亜門、森田想「ジャパニーズホラーが好きな方にめちゃくちゃ刺さるホラーが戻ってきたと思います」『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』【インタビュー】

映画2025年1月23日

 山中でのかくれんぼ中に、弟が行方不明になった過去を持つ兒玉敬太(杉田雷麟)。ある日、彼のもとに母から弟がいなくなった瞬間が映った古いビデオテープが届く。霊感を持つ同居人の司(平井亜門)はそのテープにまがまがしさを感じて深入りしないよう助言 … 続きを読む

岡本圭人がギリシャ悲劇の最高峰に挑む思い「自分がクレオンとして前回とは違う旅路へ導くことができたら」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年1月23日

 2018年のアメリカ演劇学校への留学後、近年は舞台でめざましい活躍を見せており、2024年に第五十九回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞した岡本圭人。その岡本が、2025年2月21日から上演する舞台「オイディプス王」に出演する。古代ギリシャの三大 … 続きを読む

Willfriends

page top