【インタビュー】ドラマ『異世界居酒屋「のぶ」』武田玲奈 「品川ヒロシ監督らしい今までにないグルメドラマができました」

2020年5月14日 / 06:00

 蝉川夏哉の小説を原作にした異色のグルメドラマ『異世界居酒屋「のぶ」』が、5月15日深夜0時からWOWOWで放送スタートとなる(第1回無料放送)。コミックやアニメも人気を集め、累計300万部を超える大ヒットシリーズを、『ドロップ』(08)の品川ヒロシ監督の下、連続ドラマ化。舞台は、なぜか中世ヨーロッパ風の異世界アイテーリアにつながってしまった京都の居酒屋「のぶ」。この店の大将の矢澤信之(大谷亮平)と看板娘・千家しのぶが、日本料理を初めて目にする異世界の住人たちを相手に繰り広げる温かな人間ドラマだ。放送を前に、しのぶ役の武田玲奈が、作品の見どころを語ってくれた。

武田玲奈

-ユニークな世界観の作品ですが、オファーを受けたときの印象は?

 お話を頂いてから、「異世界の人が来る居酒屋って、どんな話なんだろう…?」と思いながら原作と漫画やアニメを見ました。そうしたら、異世界のお客さんたちが、日本の料理を見て驚く様子が新鮮で、「確かに、異世界の人にとっては不思議なものに見えるんだろうな…」と。でも、作中に登場する生ビールやお料理が、本当においしそうだったんです。漫画やアニメでもおなかが空いて、喉が渇くほどなので、それを実写にしたら、さらにそういう気持ちが増すんだろうな…と楽しみになりました。

-今まで見たことのないタイプのドラマですが、見どころは?

 出てくる料理は、家庭的なものが多く、私たちには見慣れたものばかりです。でも、それを知らない異世界の人たちには「すごい料理」に見えるんです。例えば、鶏の唐揚げは私たちにとってはありふれたものですけど、「鶏肉なんて、古くて硬くて、おいしくない」と思っていた異世界の人たちは、柔らかい鶏の唐揚げに驚く。そんなふうに「こんなところに驚くんだ!?」という発見が毎回あって、今まで当たり前だと思っていた料理が当たり前じゃないんだな…と。そういう魅力に改めて気付かせてくれるところが、面白いですよね。

-そういう異世界の人たちの反応の中で、印象的だったものは?

 枝豆も衝撃的でした。枝豆を見て「皮がついたままなんて、手抜きだ」と言うんです。確かに、何も知らなかったら、ただの手抜き料理と思われるかもしれませんよね。今まで、自分で皮をプチッとむくのが当たり前だと思っていましたけど、何も知らない人にとっては、そうじゃないんだな…と。ただ、毎回お客さん役で来られる方のそういうリアクションが個性的で面白いので、現場では笑いをこらえるのが大変でした(笑)。

-毎回出てくる料理がおいしそうですね。

 そうなんです。ウナギはちゃんとプロの職人の方が焼いてくれました。ただ、私はあまり食べるシーンがないので、食べられる皆さんがうらやましくて…。だから、合間にいろんなものを少しずつつまみ食いしていました(笑)。すごくおいしかったです。

-そんなにおいしそうな料理を見ていると、酒が飲みたくなりそうですが…。

 私は毎回、ビールを運ぶシーンがあるのですが、ビールサーバーからジョッキに注ぐのは本物なんです。皆さんがすごくおいしそうに飲んでいて…。それを見ていたら、私も「早く家に帰って飲みたいな…」という気持ちになりました(笑)。セットも本物の居酒屋みたいに細部までこだわっていて、「品川」や「しのぶ」という名前の架空のお酒も置いてあるので、ぜひ探してみてください。

-しのぶを演じる上で心掛けたことは?

 しのぶは普通の日本人です。監督からは「ナチュラルに」と言われていたので、現場に置いてあった原作や漫画を参考にしつつ、自然に演じることを心掛けました。とはいえ、京都の料亭の娘なので、“厳しく育てられた感”や“芯の強さ”みたいなものはきっちり出したいと思っていました。ただ、異世界の住人の方たちにはせりふがあり、大将には料理がありますが、私のお芝居については、台本にあまり具体的なことが書かれていないことが多かったんです。だから毎回、監督や助監督と話し合って、お皿を片付けたりするお芝居を自分で作っていきました。実は昔、居酒屋でアルバイトしたことがあるので、今回はその経験が役に立ちました。

 
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