「道三は先見性のあった人。『野心の塊』とは違う人間らしさを表現したい」本木雅弘(斎藤道三)【「麒麟がくる」インタビュー】

2020年2月16日 / 20:50

-光秀役の長谷川博己さんの印象は?

 長谷川さんとは数年前、他局のテレビドラマでご一緒したことがあります。「爽やかで、素直で、一見自分をあまり主張しない人。でも、うっすらと自信も漂っている…」という不思議な印象を受けました。今回の光秀は、道三や帰蝶(川口春奈)など、さまざまな人物から言われ放題という役回りで、基本的にはほとんど受け身の演技です。でも、見ていると、その奥にものすごい許容量があるように感じ、観察したものの良し悪しを見極め、みるみる判断力を高めていっているように映ります。その姿が、とても長谷川さん的で、かつ光秀的な印象です。池端さんも、長谷川さんを評して、誠実さの奥に殺気立つものを感じるとおっしゃっていたので、お墨付きの光秀役です。

-現場で長谷川さんとお芝居をしてみた手応えは?

 撮影で会うたび、長谷川さんの中で光秀がむくむくと育っている印象を受けます。滑舌がよく、理知的な声の響きがとても魅力的です。今後も、あらゆるものを吸収して、どんどん拡大していくのだろうな…と。大きく期待しています。自分も役者として長谷川さんを刺激していけたらという思いで、負けずに、道三なりの変化球をぶつけていきたいと思います。

(取材・文/井上健一)

斎藤道三役の本木雅弘

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