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ラストの印象的なせりふに関しても、「最後まで懐疑的でもんもんとしていました。原作ものだと、ふに落ちないせりふでも『これが決めぜりふなので』と言われればそれまでだし、オリジナルものなら、監督に『これでいく』と断言されれば通常は従うけど、今回はそれが嫌でした」と明かし、「入江監督やプロデューサーと話し合い、何パターンも撮影しました」と裏話を披露する。
入江監督はこの型破りの提案を受け入れ、せりふ案があふれ出てきたそう。大沢は「どれが採用されたかは映画を見て初めて知りましたが、自分がこれだったらいいなと思っていた言葉でした」と笑みをこぼす。
サウンドにもこだわり、「日本の映画はおとなしく、音も中レベルで済ませていますよね。逆に『アベンジャーズ』や『ジョーカー』のようなハリウッド大作は、映画館で隣のスクリーンで上映されていても『うるさいな』って音を感じる。でも、映画はそれでいいんです。だから、重低音を大目にしてボリュームを上げちゃいましょう!打倒『ジョーカー』!と子どもみたいなアプローチをしました」としたり顔を見せる。
かなり能動的に見える大沢は、「休んでいなかったら、こんなふうに積極的に意見を言うことはなかったかもしれませんね」と自身の変化を打ち明ける。そして、「エンターテイメントは真ん中を行っちゃ駄目。学校じゃないんだから、はみ出さないと」と映画業界に喝を入れる。
演じる“意義”と“スリル”を感じる作品に立て続けに出会い、いつの間にか復帰していた大沢は、新たな出会いに期待を膨らませ、役者という職業も捨てたものではないと思っているはず。その心は、エネルギッシュに嬉々として作品について語る表情に表れている。
(取材・文・写真・錦怜那)
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