エンターテインメント・ウェブマガジン
相性はすごく良かったです。お互いに居心地が良かったのではないでしょうか。僕も、2人に実力を発揮してほしかったので、自然体でいられる現場にすることを心掛けました。そのせいか、2人だけのクライマックスを撮影するときには、思わず僕も泣いてしまったほどで…。普通は「こう動いて」という僕の指示に合わせて「段取り」という形で俳優が動き、それを見て芝居を調整した上で、テスト、本番へと進みます。でもこのときは、段取りの段階で、まるで本当にそれが目の前で起きている出来事のように見えて、心を動かされました。パッと周りを見たら、スタッフもみんな泣いている(笑)。だから、これはテストなしで、すぐ本番に行こうと。
圧倒されました。自分がある程度決めてきたものから、変えづらい俳優の方もいますが、永野さんはこちらがリクエストすれば、「分かりました」と切り替えて柔軟に対応する。現場での集中力も高いです。本番中は本当にその時間を生きている人に見えるのに、終わるといつもの天真らんまんな永野芽郁に戻る。匠海くんもちょっと戸惑っているようでした。「今、あんな芝居していたのに…」と(笑)。僕が今までご一緒した中にはいなかったタイプ。すごい女優です。
一見、「お涙頂戴の難病もの」と思われそうですが、僕としては、「生きることについての映画」という気持ちで作りました。その象徴が、「光り輝く」という表現。原作よりも「死」のにおいを薄め、元気いっぱいな永野さんをキャスティングしたのもそのためです。徹頭徹尾、「生きる」ことを意識して作った映画です。
(取材・文・写真/井上健一)
映画2025年12月5日
-戦場で、田丸が絵や漫画を描くことにどのような意味があったと思いますか。 功績係に任命された田丸には、もちろん何かを書き記すという使命感もあったでしょうが、いつ自分や仲間が命を落とすか分からない状況の中で、自分の世界の中で向き合えるものが … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年12月4日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む
ドラマ2025年12月1日
-雰囲気のいい現場だったようですね。 中でもしのぶさんは、「これはこういうことなのかな?」といった感じで、積極的に質問をされるんです。その上、「私、緊張しちゃう」などと、ご自身の気持ちを織り交ぜながら現場にいてくださるので、私も質問が … 続きを読む
ドラマ2025年12月1日
―確かにその通りですね(笑)。 ただ、大半は史実通りですが、(小田)新之助(井之脇海)とふく(=うつせみ/小野花梨)ととよ坊の一家、序盤に登場した蔦重の恩人の花魁・朝顔(愛希れいか)など、一部に私が創作したオリジナルキャラもいます。と … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年11月30日
今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む