【インタビュー】『凪待ち』白石和彌監督「香取慎吾さんは、今まで出会ったどの俳優とも違う。衝撃を受けました」

2019年6月28日 / 14:11

-ギャンブル依存という設定については?

 もともと、こういう話をやりたいと言っていたのは、競輪が大好きな脚本家の加藤正人さんです。僕自身はまったくギャンブルはやらないので、最初は「どうかな…?」とも思いました。ただ、ギャンブル依存症に対する社会の取り組みや国の立ち位置について、「ちょっとおかしいのでは…?」という問題意識は持っていたので、いろいろ考えるうちに「面白そうだ」と。

-香取さんは、そういう社会的なテーマには乗ってきた感じでしょうか。

 全くNGはありませんでした。不思議に思ったのは、香取さんがリリーさんからお金を借りる場面のこと。借りた後の「本当にすいません…」という表情が真に迫っているんです。「こういう人、見たことある」という感じで…。お金を借りる人は借りた瞬間、必ずああいう顔をするんです。でも、香取さんは生活に困ってお金を借りたことなんて絶対にないはず。だから、どうしてあんな顔ができるのかと…。本当にゾクッとしました。間違いなく、世の中をよく見ていますよね。

-郁男という役には、香取さんの今までのさまざまな経験が生きている感じですね。

 そう思います。映画映えもする方ですし、このままではもったいない。忙しいことは分かっていますが、年に2本ぐらい映画に出てほしい。本当にすごい人だと思います。

(取材・文・写真/井上健一)

(C)2018「凪待ち」FILM PARTNERS

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【K-POPもKドラマも深読みしたら韓国が見えた】#受験競争だけではない韓国の教育問題、「鉄槌教師」が問う教師の役割

2026年9月29日

 K-POPや韓国ドラマは、エンターテインメントであると同時に、韓国社会を映す鏡でもある。何気ない言葉やしぐさ、習慣の背景をたどると、その国ならではの価値観や歴史、人との関わり方が見えてくる。この連載では、韓国カルチャーを入り口に、知ってい … 続きを読む

鈴鹿央士「絶対に映画館で見て損はさせない映画になっています」『藁にもすがる獣たち』【インタビュー】

映画2026年9月29日

-おばあちゃん役の風吹ジュンさんとの印象に残ったエピソードがあれば。  とても面倒見のいい方で、何か聞いたら何でも返してくれるし、気を使ってくださいました。本当は僕が気を使わなければいけないのに、風吹さんの方から、「大丈夫よ。頑張ろうね」っ … 続きを読む

向井理、演出家・倉持裕と再びタッグ 6人で描き出す会話劇に「戻ってきたな。こういうことがやりたかった」 M&Oplaysプロデュース「ブランク」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年9月29日

 向井理が主演するM&Oplaysプロデュース「ブランク」が、10月3日から開幕する。本作は、2023年に本多劇場で上演した「リムジン」に続き、向井と倉持裕が再びタッグを組んで贈る新作公演。ある弁護士事務所を舞台に、そこで繰り広げら … 続きを読む

「生きることはこんなに面白いと示したい」制作統括が「ブラッサム」に込めた思い【連続テレビ小説「ブラッサム」インタビュー】

ドラマ2026年9月28日

-そんな珠の父・清治は、現代ではありえないほど娘に厳しく接しますね。  厳しい父親の話は、宇野千代さんの著書にも書かれていることです。現代の視点で見るとつらい話ではありますが、当時の家父長制の下では、ああいう側面があったことは事実です。ただ … 続きを読む

石橋静河「皆さんに『一歩前進してみようかな』と思っていただけたら」連続テレビ小説主演に懸ける思い【連続テレビ小説「ブラッサム」インタビュー】

ドラマ2026年9月26日

  -劇中では、渡部篤郎さん演じる珠の父・清治が強烈な存在感を放っています。珠と清治の関係も物語の重要なカギになりそうですが、2人の関係をどのように捉えていますか。  実際のお父様は、宇野千代さんが「ドストエフスキーの小説に出てくる狂人のよ … 続きを読む

page top