【インタビュー】「連続ドラマW 神の手」椎名桔平「この作品を通じて、安楽死の問題を疑似体験してほしい」

2019年6月19日 / 12:00

-椎名さんご自身は、安楽死についてどんなことを考えていますか。

 最近、芸能界でも元気だった先輩方が立て続けに亡くなる様子を目にして、改めて考えるようになりました。もし、自分がその立場になったらどうするか。そういうことを怖がらずに考えることが、ある意味、自分の将来に対する安心につながる。人間はいつか必ず生を終えるときが来るわけですから。こういう作品を通じて疑似体験することで、自分に照らし合わせて再確認できる。そうすると、延命治療をしない選択をした人がいると聞いても、その意味が理解できるようになる。ずっと苦しんで、病院のベッドの上で、天井だけを見て過ごすことが果たして幸せなのか…と。そう考えると、「それはそれで、良かったのでは…」とも思いますよね。

-確かにそうですね。

 ただ、そう考えることができるのも、目を背けず、そういうものを見ようとしてきたから。だから、皆さんにもぜひこの作品を見てほしい。安楽死から始まるつらい話ですが、見ることによって「もしこうなったら、どっちがいい?」と家族や親兄弟と話し合うきっかけにもなる。そういうことはすごく大事。この先「そのときになったら、何とかなるだろう」では済まなくなるはずですから。そういう意味では、久坂部先生の小説はわれわれに警鐘を鳴らしてくれるものだし、そんな難しい題材のドラマ化に挑戦したことは、WOWOWさんの英断だと思います。

(取材・文・写真/井上健一)

「連続ドラマW 神の手」

 「連続ドラマW 神の手」の第1話は6月23日(日)午後11時~6月30日(日)午後10時まで、番組公式サイト&WOWOW公式YouTubeにてオンラインで視聴可能。

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

蓮佛美沙子&溝端淳平「カップルや夫婦が“愛の形”を見直すきっかけになれたら」 グアムで撮影した新ドラマ「私があなたといる理由」【インタビュー】

ドラマ2025年7月1日

 ドラマ「私があなたといる理由~グアムを訪れた3組の男女の1週間~」が、7月1日からテレ東系で放送がスタートする。本作は、グアムを訪れた世代が違う男女3組のとある1週間を描いた物語。30代の夫婦(蓮佛美沙子、溝端淳平)、20代の大学生カップ … 続きを読む

風間俊介「横浜流星くんと談笑する機会が増えてきたことがうれしい」蔦重と和解した鶴屋喜右衛門役への思い【大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」インタビュー】

ドラマ2025年6月29日

-それが変わってきたということでしょうか。  物事は、ある程度加速がつき、歯車がスムーズに回り始めれば、少ないエネルギーで進んでいくようになりますが、スタートするときは膨大なエネルギーが必要です。この作品もそういう過程を経て、ようやく彼が笑 … 続きを読む

栗田貫一「今回はルパンたちが謎の世界に迷い込んで謎の敵と戦って、しかも前に倒した連中もよみがえってくるみたいな感じです」『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』【インタビュー】

映画2025年6月27日

-30年間やってきて、栗田さんなりのルパンに対する思いや魅力について。また栗田さんにとってルパンとはどういう存在でしょうか。  やっぱりルパン三世の声は、パート2や『ルパン三世 カリオストロの城』(79)の頃の、山田さんが一番元気だった頃の … 続きを読む

光石研、大倉孝二「ちょっと重いけれどちゃんとエンターテインメントになっていると思います」『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』【インタビュー】

映画2025年6月27日

-三池崇史監督の演出や映画に対する姿勢についてはどう感じましたか。 大倉 あまり無駄なことはおっしゃらないです。すごく明確な演出をなさいます。僕の場合は、校長と薮下先生との間に挟まれているという、スタンスにちょっとよどみがあったのかもしれな … 続きを読む

【週末映画コラム】『トップガン マーヴェリック』と兄弟のような『F1(R)/エフワン』/過酷な救急医療現場にリアルに迫った『アスファルト・シティ』

映画2025年6月27日

『アスファルト・シティ』(6月27日公開)  犯罪と暴力が横行するニューヨークのハーレム。クロス(タイ・シェリダン)は医学部への入学を目指し勉学に励む一方で救急救命隊員として働き始める。  ベテラン隊員のラット(ショーン・ペン)とバディを組 … 続きを読む

Willfriends

page top