エンターテインメント・ウェブマガジン
演出のみならず、映画監督としても高い評価を得ている鄭義信が演出を手掛ける舞台「エダニク」が6月22日から上演される。脚本は、2009年に横山拓也が書き下ろしたもので、第15回日本劇作家協会新人戯曲賞も受賞した人気作だ。主演するのは、映画『春待つ僕ら』、ドラマ「平成ばしる」などでも注目を集める稲葉友。大鶴佐助、中山祐一朗と共に、食肉加工センターを舞台にした会話劇に挑む。稽古真っただ中の稲葉に本作への意気込みを聞いた。
そうですね。演劇人からのレスポンスがすごかったです。
ぐいぐい引き込まれるような、巻き込まれる感覚がありました。食肉加工センターで起きている出来事を描いていて、そこで会話をしている人を見ていたはずなのに、当事者にされているような不思議な気持ちになるというのが最初に読んだときの印象でした。
いや、大変です(笑)。鄭さんの演出が加わることで、最初に読んだ印象とは変わることも多くて、食らいついていかなければと思っています。会話のテンポ感も難しいですし…。でも、そのテンポに乗れれば、楽しくなると思うので、まだまだここからどんどん上げていかなければと思っています。
屠殺(とさつ)場で働いている人で、20歳そこそこで結婚していて、今、小学生の息子がいるんですが、いろいろと詰めが甘いところや調子に乗っちゃうところがある。人間誰しもそうだとは思いますが、身の回りのことや人を大事にしなければいけないと思っていて、それを体現している人物だと思います。
確かに多面性がある作品だと思います。雇用問題もありますし、屠殺場というあまりお茶の間向きではない場所を描いてもいます。でも、それだけではなく、家族や親子についても僕が演じる沢村は考えていて、そういったテーマもあります。いろいろなテーマを含んだ作品だからこそ、お客さんが興味を持つ場所もそれぞれにあると思うので、こちらから押し付けるのではなく、自由に感じていただければと思います。
普段、僕たちの目に屠殺場などが触れる機会は少ないですが、生きていく上で必要なものなので食肉問題については考えるところはあります。だからといって、僕自身は、お肉を食べることはやめないと思いますし、お肉を食べるたびに深く考えているというわけではありませんが、動物の命の一部を食べているということは忘れてはいけないとは思います。それから、沢村が体現しているように、手の届く範囲が大事だという思いは僕自身も共感できる部分です。例えば家族だったり、友達だったり、仕事だったり、そういった身近なものが大切だという考え方には関心を持てましたし、自分が沢村の立場だったらということはいろいろと考えました。
作品によって役につながるヒントがそれぞれ違うので、そのときによりますが…。生まれた場所や家族構成によって作用する人格があると思うので、そこを深く追求します。原作があるものの場合は、原作を読むことで全貌が分かるときと、原作の要素を取り入れ過ぎてしまうと脚本の中で動きにくくなるときがあるので、難しいバランスではありますが、どういう情報を取り入れればいいのかを考えながら作っていきます。あとは、細かいことをいえば、爪が伸びているのか、きれいにしているのかとか、髪の色がどうなのかという見た目的なこと、歩き方やしゃべり方というところから作っていくことが多いです。
映画2025年7月11日
シリアルキラーの恐怖に包まれた街を舞台に、とある男女の出会いが予測不能な展開へと突き進んでいく様子を、時系列を巧みに交錯させた全6章の構成で描いたスリラー映画『ストレンジ・ダーリン』が7月11日から全国公開される。米映画批評サイトのロッテ … 続きを読む
映画2025年7月10日
2024年の元旦に発生した地震で甚大な被害を受け、さらに8カ月後の豪雨によって2度目の災害に見舞われた能登で、ボランティア活動に参加した宮本亞門監督が、復興支援を目的に製作したショートフィルム北陸能登復興支援映画『生きがい IKIGAI』 … 続きを読む
ドラマ2025年7月7日
トリンドル玲奈が主演するドラマ「レプリカ 元妻の復讐」が、7日23時6分からテレ東系で放送がスタートする。本作は原作・タナカトモ氏、作画・ひらいはっち氏による同名漫画を映像化。整形して別人として生きる主人公・伊藤すみれ(トリンドル)が、人 … 続きを読む
ドラマ2025年7月5日
韓国の百想芸術大賞で作品賞、脚本賞、男性最優秀演技賞の3冠を達成した極上のサスペンス「怪物」。WOWOWが世界で初めてそのリメイクに挑んだ「連続ドラマW 怪物」(全10話)が、7月6日(日)午後10時から放送・配信スタート(第1話・第2話 … 続きを読む
ドラマ2025年7月5日
7月13日(日)にスタートする、松本潤主演の日曜劇場「19番目のカルテ」(TBS 毎週日曜夜9時~9時54分)。原作は富士屋カツヒト氏による連載漫画「19番目のカルテ 徳重晃の問診」 (ゼノンコミックス/コアミックス)。脚本は、「コウノド … 続きを読む