エンターテインメント・ウェブマガジン
太賀 自分のお芝居を変えているということはありませんが、やはり映像と演劇のお仕事は全然違いますね。映像の畑でずっとやっている人間からしたら、受け取り側のリアクションが目の前にあることはすごく新鮮で、そのリアクションで一喜一憂したりするのも演劇ならではだと思います。自分のせりふ一言で、その場の空気が凍りつくこともあれば、緊張が一気に緩和されて大爆笑が起こることもあるし、役者がその空間で躍動できるということは、映像とは全く違う喜びですね。
東出 僕も、その場で生まれる奇跡のような瞬間がありえるのが舞台だと思っています。僕自身、お客さんとして劇場に行って、時間を忘れて没入して、目の前で起きていることの奇跡にうち震えることが度々あります。舞台を見ながら感情移入して泣くこともあります。僕自身も、そういった奇跡の時間を生めればと思いますし、生まなければいけないなと思います。
東出 (東京公演であれば)下北沢観光のつもりで来ていただければ!(笑)。演劇の象徴的な場所である本多劇場で舞台を見ていただいて、帰りに舞台のチラシがいっぱい貼ってあるような居酒屋で飲んで、隣の席で愚痴っている役者の話を小耳に挟んだりしたら、下北沢を堪能していただけると思います(笑)。
太賀 冷静に考えてみたら、この日本で演劇に触れたことがある人は、めちゃくちゃ少ないと思うんですよ。それでも、演劇を渇望している人間もいて、演劇に救われている人間もいて、そこには演劇の魅力が確かにある。演劇って難しいんじゃないかっていう先入観があるかもしれませんが、本来は間口が広いものですし、興味本位でもいいので触れてみてもらいたいと思います。映像では分からない何かがあるので、劇場には!
(取材・文・写真/嶋田真己)
舞台「二度目の夏」は7月20日~8月12日、都内・本多劇場ほか、福岡、広島、静岡、大阪、名古屋、神奈川で上演。
2025年9月18日
▼新しい美の概念 志賀直哉や武者小路実篤らと文芸雑誌『白樺』を創刊し、西洋美術を紹介していた柳宗悦(1889-1961)は、浅川兄弟との関わりで初めて朝鮮に興味を持つことになる。 「(彫刻家を目指していた)伯教さんは『白樺』を読み、柳先 … 続きを読む
映画2025年9月18日
-劇中に流れるさまざまな曲は、全て監督のチョイスですか。 音楽は全て私のチョイスです。こういうシーン、こういう状況だったらこの音楽は意味があるかなと考えながら一つ一つ選んでいきましたが、いろんな人たちの意見も聞きましたし、私自身もたくさん … 続きを読む
映画2025年9月16日
-お芝居に悩んだり、難しさを感じたりすることはありませんでしたか。 前田 たくさんあります。でもその都度、松井監督と相談しながら進めていきました。迷ったときは、松井監督を信じればいい、という信頼関係が出来上がっていたので。 窪塚 松井監督は … 続きを読む
映画2025年9月12日
-ルンメイさん、夫・賢治役の西島秀俊さんの印象はいかがでしたか。 ルンメイ 今回西島さんと一緒にお仕事ができたことはとても光栄でした。西島さんは経験豊かな方なので、私は現場でとても安心して演技をすることができました。西島さんがいろんなエネル … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年9月12日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力 … 続きを読む