【インタビュー】ドラマW「今日、帰ります。」伊藤淳史「相手が子どもでもきちんと気持ちを伝えることが大事」

2019年3月7日 / 14:42

 幸せって、何だろう?――応募総数399編から、WOWOW新人シナリオ大賞に選ばれた圓岡由紀恵の作品はその問いをひも解いていく。主演の伊藤淳史が“家族の幸せ”を描いた作品と、そこに対する思いを語った。

――まず、脚本を読んだ感想は?

 主人公の克博と似ている部分を探しましたが、大切にしているものの順位や考え方は結構違いました。ですが、こういう人って結構いるのかなと思えたんですね。ダメな男ではない、間違ってもいない、でもほんのちょっとのところから修正できないほどの傷を作ってしまったのが、克博です。物語はごく日常を描いていて、でも家族や人間関係って実はそういうところに大切な何かがいっぱい詰まっていることを教えてくれるような作品だと思いました。

――そんな中で、安定した生活を守るのか、農家を継ぐのかという、ある種究極の選択に迫られますね。

 そうなんです。克博がそういう選択をしなければいけないところまで来てしまったことが問題で、もっと手前で軌道修正したり、話し合ったりするチャンスがあったはずなんです。家族を思って仕事をしていたはずなのに、その気持ちを伝えていなかったとか、会話が足りなくて息子の貴裕(小林未来)の学校でのことに気付かなかったとか、東京で家族3人暮らしている段階から、選択を迫られる前にできたことがあったと思うんですよね。今回は仕事と家庭で描かれていますが、人それぞれ抱えているものや大切にしているものがあるので、自分に置き換えても感じてもらえるようなことがたくさんあると思います。

――撮影で大変だったことは?

 自分は本当に虫が苦手なんですね。虫を持つシーンは全体的にすごく嫌で、これも仕事だと思いました(笑)。でも克博も虫が苦手という設定だったので、虫と戦うシーンで「うわっ」と叫ぶところは、わりとお芝居でなく本気でした。そういう意味では“伊藤が虫を克服する”というドキュメンタリーでもあります(笑)。

――虫には慣れましたか?

 虫を持てるようにはなったので、それは進歩ですよね! 僕自身も子を持つ父親ですが、田舎に行ったときに子どもが自然の中にいるダンゴムシを見てテンションがあがるんですね。以前は無理だったんですが、撮影後はそういう虫も子どもと一緒に見られるようになりました。あと家族でキャンプをするシーンがあるんですけど、グランピングをやってみたいと思いました。木南さんがキャンプ好きで「グランピングから始めたらいいよ」っていろいろ教えてくれて、実践する直前までいったんですよ。家族の予定が合わなくてその時は断念したのですが、また春先に挑戦したいですね。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

川口春奈、高杉真宙「自分や家族、周りの人たちを大事にしようと思うきっかけになったらうれしいです」『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』【インタビュー】

映画2026年10月1日

 大腸がんによって24歳で他界した遠藤和(のどか)さんが亡くなる10日前までつづり続けた手記を映画化した『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』が、10月2日から全国公開される。本作で、主人公の和と夫の将一を演じた、川口春奈と高杉真 … 続きを読む

木戸大聖「悲しいと思っていてもそれを表情に出せないのが難しかったです」『沖晴くんの涙を殺して』【インタビュー】

映画2026年10月1日

 余命1年の音楽教師・京香(広瀬アリス)と、喜び以外の感情を失った高校生・沖晴が織りなす、切なくも温かい感動の人生賛歌『沖晴くんの涙を殺して』が10月2日から全国公開される。本作で、訳あり高校生の沖晴を演じた木戸大聖に話を聞いた。 -沖晴の … 続きを読む

小瀧望「ファンの皆さまの声に応え続けたい」 舞台「ロックンロール」では「僕たちの芝居とともに、当時のロックミュージックも楽しんで」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年9月30日

 小瀧望が主演する舞台「ロックンロール」が、11月6日から上演される。本作は、世界的な劇作家トム・ストッパードが祖国チェコスロバキアを舞台に、20年以上にわたる歴史のうねりを描きながら、自由の尊さをうたう物語。愛するロックンロールと母親を守 … 続きを読む

佐津川愛美「酒井監督に惚れました(笑)」念願だった酒井麻衣監督との初タッグ『時給三〇〇円の死神』【インタビュー】

映画2026年9月30日

 10月2日から全国公開となる『時給三〇〇円の死神』は、累計発行部数36万部を突破した藤まるの同名小説を原作にしたファンタジーだ。生きる希望を失った大学生・佐倉真司(西畑大吾)が、謎めいた同級生・花森雪希(福本莉子)に誘われ、この世に未練を … 続きを読む

【K-POPもKドラマも深読みしたら韓国が見えた】#受験競争だけではない韓国の教育問題、「鉄槌教師」が問う教師の役割

2026年9月29日

 K-POPや韓国ドラマは、エンターテインメントであると同時に、韓国社会を映す鏡でもある。何気ない言葉やしぐさ、習慣の背景をたどると、その国ならではの価値観や歴史、人との関わり方が見えてくる。この連載では、韓国カルチャーを入り口に、知ってい … 続きを読む

page top