【インタビュー】『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』安田顕「完成した映画を見たら、今まで以上に『母親を大事にしたい』という気持ちが湧いてきました」

2019年2月22日 / 14:54

-サトシと母親の関係に共感する部分はありましたか。

 全面的ではないにしろ、共感はしました。男にとって母親は絶対的な味方。心から甘えることができる人で、愚痴も言ってしまうし、どんなことがあっても味方でいてくれる…。そういう甘えが、男にはあるのかな。その分、失った時の喪失感はとてつもなく大きいでしょうね。その一方で、うっとうしさを感じもします。劇中でも、サトシが母親からの電話に出ない場面がありましたが、僕も母親と電話すると、3分持ちません。

-そういう意味では、安田さんとお母さんの関係も、サトシと母親に似ていますか。

 どうなんでしょう。でも映画を見ている最中、何度か「こういうことあるよね」と思いました。原作が広く愛されている理由は、やはり共感する方がたくさんいるからではないでしょうか。ただ、僕の母親は、サトシの母親とはかなり違いますが(笑)。

-この映画に出演したことで、お母さんに対する接し方が変わったようなことは?

 撮影中に自分の母親を思い出すことはありませんでしたが、完成した映画を客観的に見て、いろいろと思うことが出てきました。映画を見て教えられた感じでしょうか…。その後、誕生日に「おめでとう。体に気を付けて、これからも私を楽しませてください」とメールをもらいました。いつも私のことばかり気にかける母が初めて、自分を楽しませてほしいと付け加えていたんです。母との時間を大切にしたいと思いました。それもこの映画のおかげです。

-お母さんがこの映画をご覧になったらどんな感想を持つでしょうか。

 それは聞いてみないと分かりませんね(笑)。ただ、必ず見てくれると思います。僕の故郷は北海道の室蘭市で、両親は今もそこに住んでいます。『俳優 亀岡拓次』(15)の舞台あいさつを地元でやったときは、北寄貝の入ったおにぎりを握って持ってきてくれましたし、『小川町セレナーデ』(14)のときは、川崎が舞台の映画なのにわざわざ札幌まで見に来てくれましたから。後になって「今だから話すけど、(観客は)私たち2人だけだった。(北野)武さんのとき(『龍三と七人の子分たち』(14))は、いっぱいいたのに」と言われましたけど(笑)。

(取材・文・写真/井上健一)

『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

ふじきみつ彦「トキとヘブンが本当に生きていた気がします」連続テレビ小説「ばけばけ」脚本家が物語を振り返る【インタビュー】

ドラマ2026年3月16日

-トキとヘブンの平凡な日常の中にある幸せを丁寧に描いている点も、「ばけばけ」の大きな魅力です。劇中、その象徴のように使われているのが、しじみ汁を飲んだトキが満足そうに口にする「あー…」という言葉と、スキップです。この二つはどこから思いついた … 続きを読む

『罪人たち』と『ワン・バトル・アフター・アナザー』が対決!『国宝』ほか日本にゆかりの作品も。授賞式直前!第98回アカデミー賞を占う【コラム】

映画2026年3月13日

 3月15日(日本時間3月16日(月))、映画の祭典・第98回アカデミー賞授賞式が、アメリカのロサンゼルスで開催される。今年は人種差別に対する風刺を交えたアクションホラー『罪人たち』が16ノミネートで、最多記録を更新したことが大きな話題とな … 続きを読む

LiLiCo「ドキュメンタリーは本気なんです」「TBSドキュメンタリー映画祭2026」【インタビュー】

映画2026年3月12日

-おススメの作品は。  ボーイズグループを追った『THE LAST PIECE -Glow of Stars-』と、脚本家の野島伸司さんに密着した『野島伸司 いぬ派だけど ねこを飼う」、『ブルーインパルスの空へ』は比較的分かりやすいと思いま … 続きを読む

【インタビュー】「ルーツを大切にする心を知って」、台湾原住民シンガーのサウヤーリさんが大阪でパフォーマンス

音楽2026年3月11日

▼海の民特有の発声 ――台湾と地理的にも近い沖縄に共通点を感じることはありますか。  音楽面では、海の民特有の「明るく響き渡る発声」に非常に親近感を覚えますね。今回の来日は、集落の人々の祝福を背負っているような不思議な感覚があります。私の故 … 続きを読む

「再会」“万季子”井上真央の過酷な過去が判明 「ラストの4人の友情と愛情に泣いた」「真犯人はあの人」

ドラマ2026年3月11日

 竹内涼真が主演するドラマ「再会~Silent Truth~」(テレビ朝日系)の第8話が、10日に放送された。(※以下、ネタバレを含みます)  本作は、横関大氏の推理小説『再会』をドラマ化。刑事・飛奈淳一(竹内)が、殺人事件の容疑者となった … 続きを読む

page top