エンターテインメント・ウェブマガジン
ディズニーが55年の時を経て、名作を現代によみがえらせた『メリー・ポピンズ リターンズ』が2月1日から公開される。本作でミステリアスな魔法使いメリー・ポピンズを演じたエミリー・ブラントが来日し、インタビューに応えた。彼女が語る映画製作の舞台裏とは…。
前作は6、7歳のときに初めて見ましたが、とてもファンタスティックで、まるで魔法にかかったようなうれしさを感じました。同時に、安心感も得ました。それは多分、メリー・ポピンズにはしつけに厳しい面があり、混沌とした状況の中に彼女が秩序をもたらしたからだと思います。「うまくいかなくても、彼女が正してくれるんだ」と思ってホッとしたのを覚えています。
今回演じるに当たって、もちろん最初は怖さや不安がありました。何と言っても前作は、作品自体も、ジュリー・アンドリュースのパフォーマンスもアイコンですから。でも、メリー・ポピンズは、とても演じがいのあるキャラクターなので、きっと楽しんで演じることができるだろう、という喜びの方が勝りました。
今回、役を引き受けてから、改めて前作を見直すことはしませんでした。それよりも、原作を読み直してみました。すると、原作と、前作で描かれたメリー・ポピンズの人物像が少し違うことに気付きました。原作の彼女は、よりエキセントリックで、失礼な物言いで、厳しさとユーモアを併せ持っていて、いい意味で“未知の存在”でした。そうした部分を参考にして、今回のメリー・ポピンズ像を作り上げていきました。ですから、今回は、私たちなりの、“次章のメリー・ポピンズ”になったわけです。ジュリーのメリー・ポピンズは不滅の存在で、まねをするなどおこがましいと思ったので、あえてそうしました。
メリー・ポピンズが持っている両面性、ということを強く意識しました。彼女は一見、厳しいところもあり、気難しくて、失礼な物言いをしたりもしますが、その反面、自分の見掛けを気にして鏡を見たりするシーンがあるように、とても人間らしさを感じさせるキャラクターでもあります。彼女は空を飛ぶこともできるけれど、しっかりと地に足が付いています。マジカルでありながら現実的な部分もある。そうした両面性を見つけて、演じることを心掛けました。ロブ・マーシャル監督とも「彼女の人間性が垣間見える瞬間が大切だと思う」という話をしました。彼女は二次元的なスーパーヒーローではなく、“超人”なので、人間的なレイヤー(層)を見つけることが大切だと思いました。
今回、マーシャル監督にとって、手書きの2Dアニメーションを使うということは不可欠な要素でした。それは前作のスピリットに対するノスタルジーの喚起と、前作にオマージュを捧げるために必要だったのです。私が「いいなあ」と思ったのは、前作に関わった、引退したアニメーターたちが呼び戻されて、今のスタッフにアドバイスをしていた場面です。私たち演じる側は、全てグリーンバックで演技をしました。一度目はペンギン役の小柄なダンサーたちと一緒に、次はテニスボールと私たち、最後は私たちだけと、同じシーンを3回撮影しました。それをアニメーションと合成したわけです。撮影には2週間前後かかりましたが、そのかいはあったと思います。
もちろん、撮影現場でもディックのパフォーマンスには、みんなが驚きましたよ!(笑)。リン=マニュエルと共演できたことは本当に良かったと思います。彼は、自然に希望を感じさせてくれるような、ポジティブなスピリットや、はつらつさを感じさせるエネルギーを持っています。一緒に仕事をしていてもとても楽しい人です。メリルとは何と3度目の共演でした。私が女優としてのキャリアを積む中で、いつも相談に乗ってくれる存在ですし、とても聡明で楽しい人でもあります。今回の共演もとても楽しかったです。
そして、ディックですが、「ドアがぶっ飛ぶほど」の衝撃でした。本当に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。彼と同じ空気を吸えただけでも幸運だと思いました。彼は『メリー・ポピンズ』という作品の魂を象徴する存在です。彼は92歳ですが、いまだに童心を持っているし、はつらつさや生命力を感じさせてくれます。彼がデスクの上でタップダンスを始めたときに「この人ほど童心を体現できる人はいない」と改めて思い、とても感動しました。
映画2025年7月11日
シリアルキラーの恐怖に包まれた街を舞台に、とある男女の出会いが予測不能な展開へと突き進んでいく様子を、時系列を巧みに交錯させた全6章の構成で描いたスリラー映画『ストレンジ・ダーリン』が7月11日から全国公開される。米映画批評サイトのロッテ … 続きを読む
映画2025年7月10日
2024年の元旦に発生した地震で甚大な被害を受け、さらに8カ月後の豪雨によって2度目の災害に見舞われた能登で、ボランティア活動に参加した宮本亞門監督が、復興支援を目的に製作したショートフィルム北陸能登復興支援映画『生きがい IKIGAI』 … 続きを読む
ドラマ2025年7月7日
トリンドル玲奈が主演するドラマ「レプリカ 元妻の復讐」が、7日23時6分からテレ東系で放送がスタートする。本作は原作・タナカトモ氏、作画・ひらいはっち氏による同名漫画を映像化。整形して別人として生きる主人公・伊藤すみれ(トリンドル)が、人 … 続きを読む
ドラマ2025年7月5日
韓国の百想芸術大賞で作品賞、脚本賞、男性最優秀演技賞の3冠を達成した極上のサスペンス「怪物」。WOWOWが世界で初めてそのリメイクに挑んだ「連続ドラマW 怪物」(全10話)が、7月6日(日)午後10時から放送・配信スタート(第1話・第2話 … 続きを読む
ドラマ2025年7月5日
7月13日(日)にスタートする、松本潤主演の日曜劇場「19番目のカルテ」(TBS 毎週日曜夜9時~9時54分)。原作は富士屋カツヒト氏による連載漫画「19番目のカルテ 徳重晃の問診」 (ゼノンコミックス/コアミックス)。脚本は、「コウノド … 続きを読む