朝ドラのナレーターは“憧れの仕事”「女優冥利に尽きます」風吹ジュン(楡野廉子・語り)【「半分、青い。」インタビュー】

2018年9月19日 / 08:30

 鈴愛(永野芽郁)のおばあちゃんとして登場するも、あっけなく天に召されて視聴者を驚かせたが、以降は“語り”として鈴愛たちの人生を見守り続ける廉子さんを演じた風吹ジュン。憧れだったというナレーターを務めた感想や、収録時のエピソード、また、ヒロイン役の永野への思いを語ってくれた。

楡野廉子役・語りの風吹ジュン

-廉子さんの本音が時々漏れる、優しくて楽しいナレーションが本作の見どころの一つでもありますが、役としてナレーターを務めることはいかがでしたか。

 普通のナレーターとして詩を朗読するように淡々と伝えたり、空気を盛り上げる補助の役割もあったりしますが、おばあちゃんとして話すときは、生きている廉子さんがベースにあるので、感情が入りやすく、表現の幅が広がりました。秋風羽織(豊川悦司)さんが出てきたときに、廉子さんとしてのベクトルがピッと上がって、直接声を掛けてしまうところは他の作品ではできないですよね。朝ドラの長いスパンの中で遊びの部分は、やりがいがあって楽しかったです。

-オファーを受けた時の率直な感想は?

 滑舌が非常に悪いので、事務所は驚いたでしょうね(笑)。だから、まずは声に出して録って、自分で聴いてみることを自主トレとしてやりました。それから、何を伝えたいかを考えながら練習したのも今までにない努力でした。演じるときのワンシーンの中で、自分がどうあるべきかを考えるイメトレとは違い、状況や空気なども含めたドラマ全体の流れを考えなければいけないことは、女優とは全然違うモードでした。

-ナレーションを吹き込む過程を教えてください。

 まずは台本を読んで仮ナレを入れ、映像ができてからその一部を見て本ナレを入れます。仮ナレの一発で決まればいいですけど、台本を見て自分の自由な解釈で読むのと、役者の動きや、声が付いた映像を見てからでは微妙にニュアンスが変わるんです。それによってこちらの心も動かされて、泣きが入ったり、怒りが入ったり…。役者の力は大きいんだなぁと改めて感じました。

-結構時間がかかるのですね。

 収録は週に1回、2時間ぐらいかかりますけど、疲れるというより、元気を頂いています。演出家が妥協せずにどんどん言ってくださるときは、私の中でもいろんな発見があるのでうれしいです。

-朝ドラ出演は4作目ですが、初体験のナレーターはいかがでしたか。

 とってもいいお仕事で、いい経験になりました。女優冥利(みょうり)に尽きます。すてきな方々のナレーションを聞いて、いずれはそこもクリアしたいと思っていた憧れの仕事だったので光栄です。

-中村雅俊さん演じる祖父・仙吉さんも亡くなってからは天の声となって再登場し、“仙吉さんロス”を免れたファンも多いのですが、中村さんの印象は?

 ドラマの中では鈴愛が柱だけど、楡野家の大黒柱は仙吉さん。彼の歌やギターで何度も救われたし、それは、70年代から築き上げてきた中村さん自身の存在感や、画になる格好良さによるものでもあると思います。現場は、中村さんがいらっしゃるかどうかで空気感が違います。ある意味、自己チューですけど、気遣いもあるので、とても居心地がいいです。よくネタがあるなぁと感心するほど、どんなときでもしゃべっていて、私たちは聞くことから始まり、ふられたら話す感じです(笑)。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

舘ひろし、西野七瀬「とにかく、西野くんに見下してもらいたいと思いました」『免許返納!?』【インタビュー】

映画2026年6月18日

 70歳の映画スターが免許返納をめぐる大騒動に巻き込まれていく姿を描いたコメディー『免許返納!?』が、6月19日から全国公開される。本作で、『免許がない!』(94)で演じた役と同名の俳優・南条弘をコミカルに演じた舘ひろしと、南条に振り回され … 続きを読む

山下美月が“かつてなく最高の主人公”に 「自分も成瀬あかりのような人間に近づきたい」舞台「成瀬は天下を取りにいく」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年6月16日

 舞台「成瀬は天下を取りにいく」が7月4日(土)から上演される。本屋大賞をはじめ数多くの文学賞を受賞し、主人公・成瀬あかりが全力で我が道を突き進む姿が読者を魅了した、シリーズ累計発行部数210万部を突破する大人気小説『成瀬あかりシリーズ』。 … 続きを読む

片山友希、MEGUMI「間違えても失敗しても、とにかく前に進み続けるということはお伝えできたかなと思います」『FUJIKO』【インタビュー】

映画2026年6月15日

 1970~80年代の静岡を舞台に、激動の時代を生きるシングルマザーが自らの生き方を模索しながら力強く歩んでいく姿を描いた、木村太一監督の『FUJIKO』が全国公開中だ。本作で主人公の富士子を演じた片山友希と、企画・プロデュースを担当し、出 … 続きを読む

舞台「キングダムII ―継承―」三浦宏規・高野洸・山本千尋・山口祐一郎、「死力を尽くさなければいけない」作品に再び挑む【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年6月12日

 累計発行部数1億2000万部を突破した、原泰久による大ヒット漫画を原作とした舞台の第2弾となる「キングダムII ―継承―」が、8月9日から上演される。本作は、苛烈な戦乱の中にある中国・春秋戦国時代を舞台に、戦災孤児の少年・信と、のちの始皇 … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第22回「播磨大誤算」戦国の世の難しさを印象付けた播磨攻略戦【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年6月11日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。小一郎と秀吉が播磨攻略に難渋する様子を描いた6月7 … 続きを読む

page top