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以前の吉之助は、「斉彬様(渡辺謙)がそう言うから」という理由で信じていただけで、自分の目で一橋様を見極めていたわけではありません。今では、取り巻く状況もお互いに重ねてきた時間も、当時とは変わっています。そこで1人の人間として向き合ってみたら、どうも違う…と。信じていたのとは違う人間で、そのために民が苦しむ…。それが分かった瞬間にたもとを分かつ。そんな流れになっています。
完全に「徳川を討つ」と決意するまでは、磯田屋で一緒に過ごした日々や、(橋本)左内さん(風間俊介)と3人でいたときのことを、きちんと自分の中に置いておこうと思っていました。最後の最後まで「自分の思うような人であってほしい」という希望を持ち続けながらも、ある時点で「この人は違う。もう駄目だ」となる。その間で引っ張られていく気持ちを大事に演じようと。その後は、「地の果てまで追い詰めてやる」というせりふがあるように、息の根を止めるつもりで戦うことになります。
僕は「鬼モード」と呼んでいるのですが(笑)、今は倒幕のために非情な人物に徹しています。とはいえ、人情も捨てることができず、苦しさが積み重なっていく。やっぱり、政治をゼロから立ち上げていくのは向いていないと、自分でも思っていたのではないかと思います。他人の立場に立ち過ぎる人なんです。よく言えば、人情家。明治に入るとすぐに引退して薩摩に帰ってしまいますが、その気持ちがだんだん分かってきました。
ここからが一番面白いところです!皆さんが知る西郷さんが登場して、物語が大きく動いていくのはここから。それを見て「この人はどんな若い時代を過ごしてきたのかな?」と興味を持ったら、DVDやオンデマンドで第1回からさかのぼる。そういう見方もお薦めです(笑)。
(取材・文/井上健一)
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