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国父・島津久光(青木崇高)の命に背いた罪で沖永良部島へ送られた西郷吉之助(鈴木亮平)。そこで出会ったのが、薩摩藩の役人として吉之助の世話をする土持政照だ。島出身ながら薩摩で学問を身に付けた土持は、献身的に吉之助を支え、やがて義兄弟の契りを交わすこととなる。土持役でフレッシュな演技を披露しているのは、期待の若手俳優・斎藤嘉樹。初めての大河ドラマ、初めての時代劇となった本作の現場で感じたことや、鈴木亮平との共演について語ってくれた。
実はあまり覚えていないんです。美術が非常にリアルで、スタッフさんたちも緊張感のある空気を作ってくれた上に、本物の嵐が来て、雨もものすごくて…。完全に役に入り込むような状況だったので、始まるまでは「助ける!」という気持ちで集中していたのですが、始まった後は何も覚えていません。多分、せりふにないことも言っていたんじゃないかと…。僕も、どんな気持ちだったか知りたいぐらいです(笑)。
とにかくびっくりしました。今までの経験上、僕には時代劇の演技論というものが全くない状態だったので。もちろんテレビでは見ていましたが、それを自分で表現できるのかな…?など、不安が大きかったです。所作も現代とは違うので、ものすごく勉強しました。
いろいろ調べてみたのですが、西郷さんのことは詳しく書いてあっても、土持さんのことは、“こういうことがありました”という出来事ぐらい。人柄や性格までは分からず、「きついな…」と思ったまま沖永良部島に行くことになりました。ところが、ちょうど撮影初日が強風で休みになったんです。そこで、西郷記念館など、ゆかりの場所を回らせてもらいました。そうしたら、僕が土持役だと知った地元の方々が、いろいろなことを教えてくれて…。おかげで、僕の中でどんどん土持という人が確立されていきました。役作りの面では、島の皆さんにすごく助けられました。
亮平さんがいろいろなアドバイスをくれたので、2人で「ここはこうでは?」、「このせりふ、俺はこう思う」などと話し合いながら、芝居を作っていきました。その結果、台本で「西郷先生」と呼んでいた部分を、義兄弟の契りを交わした後は「西郷さぁ」に変更させてもらったりもしています。
初めて会ったとき、「よろしくお願いします」と笑顔で丁寧にあいさつをしていただいて、とても温かい人だなという印象を受けました。撮影に入ると、最初のうちは距離があって何を話していいのか分からない感じでしたが、今ではもう、お互いに目を見てうなずくだけで会話ができるくらいになりました。セッションなんかもできたので、まるで兄弟のような気分です(笑)。
すごいです。まず、押さえている情報量が半端ではありません。何を聞いても必ず答えが返ってきますから。西郷隆盛以上に西郷さんのことを知っているのではないかと。たたずまいも、まさに“西郷さん”といった雰囲気で、手を広げて待っていてくれるような懐の広さを感じるので、「西郷さぁ」と呼びかけるときも、遠慮なく向かっていくことができます。そういうところから役作りしているんだなと、改めてすごさを感じました。
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