【インタビュー】『パンク侍、斬られて候』綾野剛「みんなそれぞれ違ったパンク精神を発揮」北川景子「強烈なロックやパンクのCDを聴いたときのようにスカッとした」

2018年6月29日 / 17:36

 町田康氏の小説を、鬼才・石井岳龍監督×脚本:宮藤官九郎の下、豪華キャスト集結で映画化した『パンク侍、斬られて候』が6月30日から全国公開される。超人的剣客・掛十之進を中心にした物語は、「ほぼ全編がネタバレ」と言われ、予測のつかない展開が次々と待ち受ける奇想天外なエンターテインメントだ。主人公・掛を演じた綾野剛とミステリアスな美女・ろんを演じた北川景子が、初共演の感想や撮影の舞台裏を語った。

綾野剛(左)と北川景子

-かなり奇想天外な映画ですが、それぞれどんな印象を持ちましたか。

綾野 見た人の今の生き方によって印象が大きく変わる映画です。どんな映画も、どんな精神状態で、自分がどんな生き方をしているかによって見え方が変わってきますが、近年では圧倒的に影響力のある作品になったことは間違いありません。劇薬です(笑)。

北川 説明するのは難しいですが…。「爆発!」ですかね…? 見終わったときに、爆発したような感じで、すごくすっきりしました。強烈なロックやパンクのCDを聴き終わったときのようにスカッとして、「解放された!」みたいな…。

-最初に台本を読んだときの感想は?

綾野 原作の持ち味を生かし、宮藤官九郎さんが持つ、いい意味での余白と面白みを積み重ねた秀逸な脚本で、素直に面白いと感じました。世界観もつかみやすく、何より読み物として面白い。だから、これを映像化したとき、脚本に負けないようなものを作らなければならないというプレッシャーを感じつつ、とても豊かな本だったので、楽しく読みました。

北川 架空の時代と場所が舞台ということで、どういう画になるのかなと考えながら読みましたが、物語そのものはつかみどころのない感じで…(笑)。ただ、一つ一つのシーンが笑えたので、とても面白かったです。「ジェットコースターに乗って楽しかった」というのに近いかもしれません。ちょっと乗り物酔いのような感覚も…(笑)。

-お二人はCM以外では初共演ということですが、感想は?

綾野 まず何よりも楽しかったです。相性がいいと言ってしまえば、それまでですが。その上で、ろんという役は一番まともに見えなければいけないし、一番パンクでなければいけない存在。現場で北川さんと初めてお芝居をしたとき、それをしっかり背負っていたことが、ものすごく印象的でした。立っているだけで説得力を出すのは、とても難しいんです。やはり、何度も主役として戦ってきた人は違うなと。

北川 仕切ってくれたので、すごく楽でした。普通だったら、座長は自分の演技のことだけ考えて、好きなようにやってくださいと思うのですが、助監督のように現場を回しているんです。「そろそろ本番いけるから、空調切ろうか」とか、エキストラの方にも「これが当たったら斬られて死んじゃうよ、その程度の恐怖感でいいの?」とか、声を掛けて…。それを聞いて私も「あ、そうだな」と思ったり…(笑)。付いていくだけでよかったので、こんなに楽な現場はありませんでした。

-綾野さんは、そういうことは意識して行ったのでしょうか。

綾野 現場では、監督には演出だけに集中してもらおうとして、演出部のスタッフが一生懸命に動くわけですが、意外と、僕たちの方が意識的には監督に近かったりするんです。だったら、一手、二手を加えることで監督の演出の妨げにもならず、僕たちの芝居も生きた状態になるのであれば…。そんな気持ちでやっていました。

-エキストラの方に対する指示もそこから?

綾野 長時間撮影していれば当然、エキストラの方たちは疲れてくるわけですが、それは僕らも同じ。だから、自分を鼓舞する意味もありました。「斬られちゃいますよ、大丈夫ですか」と言うことで、自分の疲れも払拭する。スピード感のあるシーンが多かったので、「ふわっ」としてしまうと、僕たちもいい波に乗っていけませんから。そんな時、誰かが波を作ればいいので、「じゃあ、僕が」と。

北川 見えている範囲がとても広く、いくつの部署のことをやっているの?と思うぐらい何でもやってくれるんです。それは、体力やキャパシティーもないとできないことだけど、綾野さんは動けるし、何でも自分でやらなきゃ気が済まないような人だから…。本当に、甘えたまま終わりました。今度、私が主演する作品があったら出てほしい…(笑)。

綾野 じゃあ、助監督として参加するよ(笑)。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「宮藤官九郎さんの脚本が面白いので、新しい大河ドラマのファンが増えるのでは」役所広司(嘉納治五郎)【「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」インタビュー】

ドラマ2019年1月18日

 いよいよ本格的に始動した大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」。主人公・金栗四三(中村勘九郎)をやがて日本人初のオリンピック出場へと導く人物が、講道館柔道の創始者として知られ、アジア初のIOC委員も務めた「日本スポーツの父 … 続きを読む

【2.5次元】『映画刀剣乱舞』、鈴木拡樹&荒牧慶彦が語る「刀剣男士」への思い 「ゼロから一緒に成長してきた親子のような感覚」

映画2019年1月18日

 名立たる刀剣が戦士へと姿を変えた“刀剣男士”を率い、歴史を守るために戦う刀剣育成シミュレーションゲーム「刀剣乱舞−ONLINE−」が、ついに実写映画化された。刀剣男士のキャストには、鈴木拡樹や荒牧慶彦、北村諒、和田雅成ら、舞台「刀剣乱舞」 … 続きを読む

【インタビュー】『劇場版 ダーウィンが来た! アフリカ新伝説』葵わかな「遠い世界だと思っていたアフリカに行ってみたくなりました」

映画2019年1月16日

 2006年の放送開始から世界中の動物たちを紹介してきたNHKの人気自然番組「ダーウィンが来た! 生きもの新伝説」がついに映画化され、1月18日から全国ロードショーされる。今回の舞台は、野生動物の宝庫アフリカ。ライオンやゴリラの家族を中心に … 続きを読む

【2.5次元】財木琢磨、2019年は「挑戦する」年に! 初めてづくしの「Dimensionハイスクール」からスタート

アイドル2019年1月15日

 2次元のアニメーションパートと3次元の実写ドラマパートを行き来しながらストーリーが展開する異色のテレビアニメプロジェクト、超次元革命アニメ「Dimensionハイスクール」の放送が1月10日から開始された。本作は、補習中の男子高生たちが次 … 続きを読む

【映画コラム】シリーズを見続けてきた者にはたまらない『クリード 炎の宿敵』

映画2019年1月12日

 前作『クリード チャンプを継ぐ男』(15)で新章に突入した『ロッキー』シリーズの最新作『クリード 炎の宿敵』が公開された。  前作でのアポロの息子アドニス・クリード(マイケル・B・ジョーダン)の登場に続いて、今回は『ロッキー4/炎の友情』 … 続きを読む

page top