【インタビュー】『ジュラシック・ワールド/炎の王国』 クリス・プラット&ブライス・ダラス・ハワード「恐竜と人間がじかに接触するシーンが多いので、今までとは違うタイプのアクションも楽しめると思います」

2018年7月3日 / 15:11

 テーマパーク「ジュラシック・ワールド」が、恐竜たちによって破壊された事件から3年。オーウェンとクレアは、火山活動を始めた島から恐竜たちを救い出そうと行動を開始するが…。シリーズ5作目に当たる『ジュラシック・ワールド/炎の王国』が7月13日から公開される。オーウェン役のクリス・プラットと、クレア役のブライス・ダラス・ハワードが公開を前に来日し、映画のみどころや、オーウェンとクレアの関係の変化について語った。

ブライス・ダラス・ハワード(左)とクリス・プラット Photo:Kazuhiko Okuno

-今回は、前作よりもダークなストーリーが展開する中で、オーウェンとクレアの掛け合いは、まるで往年のスクリューボールコメディーを思わせるような楽しいものでした。演技をする中で、互いに気をつけたことはありますか。

ブライス 今回は、軽妙さや、笑いの要素を入れ込んでいくことが重要だと思いました。激しい部分は前作よりも誇張されていますが、各シーンで、どこかにユーモアを入れ込める可能性はないかと探りながら演じていました。そのユーモアとは、オーウェンとクレアの力関係のバランスの変化を強調するためのものでした。

クリス これは(J・A・)バヨナ監督のスタイルによるものですが、確かに前作に比べて、全体のトーンがダークになっています。ただ、撮影をしているときは、僕たちの演技が、どんな形で完成した映画に反映されるのかは、想像するしかありません。なので、僕たちはその時々の演技の中から出てくる真実味を頼りに、時にはちょっとした面白みも加えながら、誠実に演じることだけを心掛けました。
 もう一つは、前作からの3年の間に、この2人の間に何があったのかを、僕たちなりに考えて演じたので、そこには僕たちの個性も反映されていると思います。完成した映画を見ると、クレアが恐竜の背中に飛び乗ったり、オーウェンが恐竜にベロッとなめられたりという、楽しいシーンもありながら、ちゃんと怖いシーンもあって、バランスよく仕上がったと思います。

-前作にも増してアクションシーンが多かったように見えましたが、何かご苦労はありましたか。

ブライス 確かにアクションシーンは前作よりもパワーアップしています(笑)。当然、私たち俳優に求められる肉体的なスキルも高度なものになりました。例えば、難しくなったアクションの振り付けも覚えなければなりませんでしたし、ハードなトレーニングも必要でした。でも、俳優としては、それが最高に楽しく、やりがいのあることでもあるのです。

クリス このシリーズの基本的なトーンはサスペンスだと思います。サスペンスが下地にあって、その要所要所にアクションシーンを盛り込むという作りなのですが、今回はいきなり火山が噴火するという、とんでもないスペクタクルシーンから始まります。今までのシリーズのどの作品よりもアクションがメインになった作品なので、今ブライスが言ったように、肉体的に試されるシーンも多くて大変でした。ただ、あのシーンから始めたことで、とてもテンポのいい映画になったと思いますし、最後までアクションで引っ張っていくので、見ていて飽きない映画になったと思います。恐竜と人間がじかに接触するシーンが多いので、そうした今までとは違うタイプのアクションも楽しめると思います。

-本作が描いた最も大きなテーマは何でしょうか。

ブライス オリジナルのマイケル・クライトンの原作のテーマが、「人間は常に革新し続け、創造し続ける生き物であるが、テクノロジーの進歩は人間の“欲”によるものであって、それ故にトラブルを抱えることになる」というものでした。そうしたことに警鐘を鳴らすという意味があったのです。それから25年たって、今回が5本目の映画になるわけですが、そのテーマが、今ほど大きな意味を持つ時代はないというのが、興味深いところです。もちろんエンターテインメントとしても、アドベンチャーあり、サスペンスあり、ホラーもありと、とてもレベルが高いと思いますが、それと同時に、知的な部分で観客の感情に訴えかけるものもあると思います。

クリス ブライスが言ったように、今の人間に対して警告を発するというのが大きなテーマですが、前作よりもさらに掘り下げて描いているのは、動物(恐竜)の愛護や、生きる権利という点です。地球に生きる全ての者に同等の権利があるということです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

山下智久「ブルーモーメント」最終回は「僕も上海や香港からテクノロジーを駆使して見ます!」【インタビュー】

ドラマ2024年6月26日

 山下智久が主演するドラマ「ブルーモーメント」(フジテレビ系)が今夜最終回を迎える。同名コミックが原作の本作は、甚大な気象災害によって脅かされる人命を守るべく、知恵と知識を駆使して現場の最前線で救助に立ち向かう内閣府直属チームSDM(特別災 … 続きを読む

「大きなスクリーンでこの大自然を楽しんでもらえたら」「いい時代の邦画の匂いを感じていただけたら」杉田雷麟、寛一郎『プロミスト・ランド』【インタビュー】

映画2024年6月26日

 マタギの伝統を受け継ぐ東北の山間の町に、役所から今年の熊狩りを禁止する通達が届いた。違反すれば密猟とみなされ、マタギとして生きる道を閉ざされてしまう。だが、20歳の信行は、兄貴分の礼二郎から2人だけで熊狩りに挑む秘密の計画を打ち明けられ、 … 続きを読む

西野七瀬、30歳を迎え「素直にうれしい」 2度目となる劇団☆新感線で戦女役に挑む「記憶に残る作品に」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年6月26日

 西野七瀬が、7月7日から開幕する、2024年劇団☆新感線44周年興行・夏秋公演 いのうえ歌舞伎「バサラオ」でアクション満載の演技を見せる。本作は幕府と帝が相争う時代を舞台に、自分自身の美しさを武器に天下取りを目指す男と、そんな男の参謀とし … 続きを読む

「光る君へ」第二十四回「忘れえぬ人」“忘れえぬ人”への思いに突き動かされる人々のドラマ【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年6月23日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。6月16日に放送された第二十四回「忘れえぬ人」では、思いがけない藤原宣孝(佐々木蔵之介)からの求婚と宋人の周明(松下洸平)への思いの間で揺れる主人公まひろ(吉高由里子)を中心に、さまざまな人間模 … 続きを読む

【週末映画コラム】70年代にこだわった『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』/とにかく草笛光子が素晴らしい『九十歳。何がめでたい』

映画2024年6月21日

『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』(6月21日公開)    1970年、米マサチューセッツ州にある全寮制の寄宿学校。生真面目で皮肉屋で学生や同僚からも嫌われている独身教師のポール(ポール・ジアマッティ)は、クリスマス休 … 続きを読む

Willfriends

page top