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お尋ね者たちが成り行きで結成したチームが、銀河の危機を救う姿を描いたアクションアドベンチャーのシリーズ第2作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』が5月12日から公開される。前作に引き続き、スター・ロードを自称するガーディアンズのいい加減なリーダー、ピーター・クイルを演じたクリス・プラットが来日し、映画について語った。
今回の物語は1作目で起こった出来事の数カ月後の設定です。そういう意味では、物語がそのままつながっています。スター・ロードことピーター・クイルは、1作目の終わりで得た役割に就いています。つまり、ヒーローグループのリーダーとして、ロケットやドラックスを初めとする癖のあるやつらを文句を言いながらまとめています。今回の彼は、前回と比べれば、少しだけリーダーシップを発揮して、ほんの少しだけど、責任感も持って行動しています。
今回は1作目よりもキャラクターを掘り下げて描くことができました。ピーターの父親を捜す旅路の中で、メンバーそれぞれの関係にも焦点が当てられ、彼らが家族のようになっていく様子が描かれていきます。
今回のテーマの一つは、人生を懸けて、何かを探し続けていたつもりでも、実はその答えは、以前から自分のすぐそばにあった、ということです。クイルは実の父親が誰なのか知りたくてたまらなかったし、物心がついたころからずっと、自分の父親は特別な存在で、クールな人物だったらいいなと夢見ていました。だから、父親と出会うことで、彼のこれまでの人生で、心にポッカリと空いていた大きな穴が満たされたのです。
カートがクイルの父親役だと知った時、とにかく興奮しました。まるでポーカーをやっていて、すでにすごい手がそろっているところに、もう1枚エースが配られてきたような気分でしたね。まさに完璧な配役だし、これ以上望みようがないという感じでした。彼は俳優として傑出しているだけでなく、本当に素晴らしい人物なんです。
僕が親として最も重要視していることは、そこに存在しているということです。常に子どもたちと一緒にいるということ。たとえ、物理的には一緒にいられなくても、彼らが父親の存在を感じられることが大切だと思います。また、子どもは親を見て育つから、どうしても親を手本にしてしまう。そのことを軽く受け止めずに、自分が親として子どもたちにどんな影響を与えられるのかを理解することも大切だと思います。
テレビではやっていたけど、映画でもやってみたいですね。どんな役にもコミカルな要素はあると思うけど、全編がコメディーという役もいいですね。コメディーは見るのも大好きなので(笑)。
映画づくりはチームワークそのものです。長いエンドロールをずっと見ていると、こんなにたくさんの人が映画づくりに関わっているんだと驚くでしょ。特にこの映画のような大作は何千人もの人が関わっていて、一人一人の仕事がとても重要なんです。映画を作りながら僕らにもいろいろと思うところはありますよ。例えば、ちゃんと自分を表現することができているのか、自分が出たことが誇らしく思えるような作品になっているのか、時間がたっても残っていくような映画が作れているのか…。それから、皆が見たいと思えるような、稼げる映画になるのかということも。もちろん、そういう映画にしたいのは山々だけど、忘れてはいけないのがプロセスなんです。僕は映画を製作するプロセスは常にポジティブなものであるべきだと思います。お金がどうとかではなく、毎日その現場で楽しく仕事ができたのかが重要なのだと思います。そのために必要なのが素晴らしいリーダーなのではないでしょうか。
(取材・文・写真/田中雄二)
Guardians Of The Galaxy Vol. 2..Peter Quill/Star-Lord (Chris Pratt)..Ph: Film Frame..©Marvel Studios 2017
●公開情報
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
5月12日(金)全国ロードショー
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
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