【インタビュー】『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』クリス・プラット「映画づくりはチームワークそのものです」

2017年5月8日 / 08:00

 お尋ね者たちが成り行きで結成したチームが、銀河の危機を救う姿を描いたアクションアドベンチャーのシリーズ第2作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』が5月12日から公開される。前作に引き続き、スター・ロードを自称するガーディアンズのいい加減なリーダー、ピーター・クイルを演じたクリス・プラットが来日し、映画について語った。

スター・ロードことピーター・クイル役のクリス・プラット

スター・ロードことピーター・クイル役のクリス・プラット

-今回の映画の始まりの時点で、スター・ロードはどんな状況にいますか。

 今回の物語は1作目で起こった出来事の数カ月後の設定です。そういう意味では、物語がそのままつながっています。スター・ロードことピーター・クイルは、1作目の終わりで得た役割に就いています。つまり、ヒーローグループのリーダーとして、ロケットやドラックスを初めとする癖のあるやつらを文句を言いながらまとめています。今回の彼は、前回と比べれば、少しだけリーダーシップを発揮して、ほんの少しだけど、責任感も持って行動しています。

-本作でスター・ロードとガーディアンズはどのような成長を遂げるのでしょうか。

 今回は1作目よりもキャラクターを掘り下げて描くことができました。ピーターの父親を捜す旅路の中で、メンバーそれぞれの関係にも焦点が当てられ、彼らが家族のようになっていく様子が描かれていきます。

-今回はクイルのバックストーリーが重要なテーマになっていますね。

 今回のテーマの一つは、人生を懸けて、何かを探し続けていたつもりでも、実はその答えは、以前から自分のすぐそばにあった、ということです。クイルは実の父親が誰なのか知りたくてたまらなかったし、物心がついたころからずっと、自分の父親は特別な存在で、クールな人物だったらいいなと夢見ていました。だから、父親と出会うことで、彼のこれまでの人生で、心にポッカリと空いていた大きな穴が満たされたのです。

-父親役のカート・ラッセルと一緒に仕事をしてみていかがでしたか。

 カートがクイルの父親役だと知った時、とにかく興奮しました。まるでポーカーをやっていて、すでにすごい手がそろっているところに、もう1枚エースが配られてきたような気分でしたね。まさに完璧な配役だし、これ以上望みようがないという感じでした。彼は俳優として傑出しているだけでなく、本当に素晴らしい人物なんです。

-本作は父と子の関係が大きなテーマになっています。ご自分の息子さんとの関係についてはどう考えていますか。

 僕が親として最も重要視していることは、そこに存在しているということです。常に子どもたちと一緒にいるということ。たとえ、物理的には一緒にいられなくても、彼らが父親の存在を感じられることが大切だと思います。また、子どもは親を見て育つから、どうしても親を手本にしてしまう。そのことを軽く受け止めずに、自分が親として子どもたちにどんな影響を与えられるのかを理解することも大切だと思います。

-アクションやSFへの出演が多いですが、このシリーズにはコメディー的な要素もあります。本格的なコメディーもやってみたいですか。

 テレビではやっていたけど、映画でもやってみたいですね。どんな役にもコミカルな要素はあると思うけど、全編がコメディーという役もいいですね。コメディーは見るのも大好きなので(笑)。

-このシリーズで描かれているチームワークやリーダーシップは、映画づくりとも通じると思いますが、いかがでしょうか。

 映画づくりはチームワークそのものです。長いエンドロールをずっと見ていると、こんなにたくさんの人が映画づくりに関わっているんだと驚くでしょ。特にこの映画のような大作は何千人もの人が関わっていて、一人一人の仕事がとても重要なんです。映画を作りながら僕らにもいろいろと思うところはありますよ。例えば、ちゃんと自分を表現することができているのか、自分が出たことが誇らしく思えるような作品になっているのか、時間がたっても残っていくような映画が作れているのか…。それから、皆が見たいと思えるような、稼げる映画になるのかということも。もちろん、そういう映画にしたいのは山々だけど、忘れてはいけないのがプロセスなんです。僕は映画を製作するプロセスは常にポジティブなものであるべきだと思います。お金がどうとかではなく、毎日その現場で楽しく仕事ができたのかが重要なのだと思います。そのために必要なのが素晴らしいリーダーなのではないでしょうか。

(取材・文・写真/田中雄二)

Guardians Of The Galaxy Vol. 2..Peter Quill/Star-Lord (Chris Pratt)..Ph: Film Frame..©Marvel Studios 2017

Guardians Of The Galaxy Vol. 2..Peter Quill/Star-Lord (Chris Pratt)..Ph: Film Frame..©Marvel Studios 2017

●公開情報
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
5月12日(金)全国ロードショー
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】俳優同士の演技合戦が見ものの3作『爆弾』『盤上の向日葵』『てっぺんの向こうにあなたがいる』

映画2025年11月1日

『爆弾』(10月31日公開)  酔った勢いで自販機を壊し店員にも暴行を働き、警察に連行された正体不明の中年男(佐藤二朗)。自らを「スズキタゴサク」と名乗る彼は、霊感が働くとうそぶいて都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。  やがてその言葉 … 続きを読む

福本莉⼦「図書館で勉強を教え合うシーンが好き」 なにわ男⼦・⾼橋恭平「僕もあざとかわいいことをしてみたかった」 WOWOW連ドラ「ストロボ・エッジ」【インタビュー】

ドラマ2025年10月31日

 福本莉⼦と⾼橋恭平(なにわ男⼦)がW主演するドラマW-30「ストロボ・エッジ  Season1」が31日午後11時から、WOWOWで放送・配信がスタートする。本作は、咲坂伊緒氏の⼤ヒット⻘春恋愛漫画を初の連続ドラマ化。主人公の2人を軸に、 … 続きを読む

吉沢亮「英語のせりふに苦戦中です(笑)」主人公夫婦と関係を深める英語教師・錦織友一役で出演 連続テレビ小説「ばけばけ」【インタビュー】

ドラマ2025年10月31日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「ばけばけ」。明治初期、松江の没落士族の娘・小泉セツと著書『怪談』で知られるラフカディオ・ハーン(=小泉八雲)夫妻をモデルに、怪談を愛する夫婦、松野トキ(髙石あかり)とレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ) … 続きを読む

阿部サダヲ&松たか子、「本気でののしり合って、バトルをしないといけない」離婚調停中の夫婦役で再び共演 大パルコ人⑤オカタイロックオペラ「雨の傍聴席、おんなは裸足・・・」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年10月31日

 宮藤官九郎が作・演出を手掛ける「大パルコ人」シリーズの第5弾となるオカタイロックオペラ「雨の傍聴席、おんなは裸足・・・」が11月6日から上演される。本作は、「親バカ」をテーマに、離婚を決意しているミュージカル俳優と演歌歌手の夫婦が、親権を … 続きを読む

高杉真宙「見どころは、何よりも坂口健太郎さんと渡辺謙さんの演技だと思います」『盤上の向日葵』【インタビュー】

映画2025年10月30日

 『孤狼の血』で知られる柚月裕子の同名小説を映画化。昭和から平成へと続く激動の時代を背景に、謎に包まれた天才棋士・上条桂介(坂口健太郎)の光と闇を描いたヒューマンミステリー『盤上の向日葵』(配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/松 … 続きを読む

Willfriends

page top