【インタビュー】「ルーヴル美術館展 肖像芸術-人は人をどう表現してきたか」高橋一生「想像の可動域は常に広く取っておきたい」

2018年6月22日 / 18:42

 俳優の高橋一生がオフィシャルサポーターを務める「ルーヴル美術館展 肖像芸術-人は人をどう表現してきたか」が、東京・六本木の国立新美術館で開催中だ。本展の音声ガイドも務めた高橋は、3月に渡仏し、ルーブル美術館を訪問。「顔」にフォーカスした絵画や彫像に触れる中で、高橋が感じ取ったものとは…。インタビューを通して、高橋が「肖像芸術」に抱いた率直な思い、「表現」する者として、「顔」や「表情」をどのように捉えているのか、その考えも聞いた。

アンヌ=ルイ・ジロデ・ド・ルシー=トリオゾンの工房「戴冠式の正装のナポレオン1世の肖像」を鑑賞する高橋一生

-今回、美術展の“オフィシャルサポーター”という大役に就任された気持ちを教えてください。また、収録に当たって何か意識されたことはありましたか。

 「高橋一生にやらせたい」と思ってくださった以上は、「高橋一生がどのようにやるのがベストなのか」を考えましたし、会話の中で感じた「こういうことを望まれているんだろう」ということは、もちろん加味して臨みました。確かに大役ですが、だからといって縮こまってしまうと、きっと望んでもらったものが出ないので、フラットに受け止めました。「こういうふうにしていかなくては」という気概はあまりなくて。「望んでくださったこと」プラス「望まれたこと以上」をサポーターとしてできるようにと考えました。

-注目してほしいポイントはありますか。

 (担当した音声ガイドを聞いて)「僕の声で眠くならないように…」というのは2月の記者発表で言った通りですが、最後のボーナストラックは、僕の感想を話しています。そこは自分の感じたままのことを自由にしゃべりました。見終わった後に、そこを聞いてもらったら、裏側みたいなものを知れて面白いかもしれません(笑)。

-今日初めて国立新美術館で展示構成をご覧になったそうですが、いかがでしたか。

 作品群はほとんどルーブルで見せてもらったものですが、展示する場所によって雰囲気も変わるのが面白いです。本家のルーブル美術館は、それ自体が美術品のようだと感じました。空間がある意味全て額みたいなものなので、感じ方としては良くも悪くも対象がスッと入ってくるんです。一方、これだけモダンな建物の中で展示されていると絵画も彫像もディテールが際立つ。場所によって捉え方が変わるんだな…と今日見ていて思いました。

-記者発表会見では、フランツ・クサファー・メッサーシュミットの「性格表現の頭像」をお気に入りの作品として挙げていましたが、他に気になる作品はありましたか。

 ルーブル美術館では「最後の晩餐」 がとても良かったです。舞台の一場面を見ている感覚でした。あと「モナ・リザ」も素晴らしかったです。見れば見るほど謎が多いというか、想像する域が広い作品だと思いました。

-高橋さんは「役者として顔の表現にとても興味がある」とおっしゃっていましたが、今回実際に展示をご覧になって、どのようなインスピレーションを受けましたか?

 何においても言えることですが、どうしても「分かりやすいもの」「ガイドが入っているもの」が重宝されがちです。しかし「表情」をあえて自分で前面に出すということは、果たして(役者の)表現として正しいことなのだろうか…と、常々疑問に思っていました。そして今回、もう一度「これでいいんだ」と思い直すことができました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

富田望生「とにかく第一に愛を忘れないこと」 村上春樹の人気小説が世界初の舞台化【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月30日

 今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む

【映画コラム】実話を基に映画化した2作『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』『栄光のバックホーム』

映画2025年11月29日

『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』(12月5日公開)  太平洋戦争末期の昭和19年。21歳の日本兵・田丸均(声:板垣李光人)は、南国の美しい島・パラオのペリリュー島にいた。漫画家志望の田丸はその才能を買われ、亡くなった仲間の最期の雄姿を遺族 … 続きを読む

氷川きよし、復帰後初の座長公演に挑む「どの世代の方が見ても『そうだよね』と思っていただけるような舞台を作っていきたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月29日

 氷川きよしが座長を務める「氷川きよし特別公演」が2026年1月31日に明治座で開幕する。本作は、氷川のヒット曲「白雲の城」をモチーフにした芝居と、劇場ならではの特別構成でお届けするコンサートの豪華2本立てで贈る公演。2022年の座長公演で … 続きを読む

岸井ゆきの「夫婦の“切実さ”が描かれている」宮沢氷魚「すごくやりがいがありました」すれ違っていく夫婦役で初共演『佐藤さんと佐藤さん』【インタビュー】

映画2025年11月28日

 大学で出会った佐藤サチと佐藤タモツはたちまち意気投合し、一緒に暮らし始める。ところが卒業後、弁護⼠を⽬指すタモツは司法試験に失敗。独学を続けるタモツに寄り添うため、サチも司法試験に挑むが、数年後、合格したのはサチだった。結婚、出産を経て弁 … 続きを読む

28歳で亡くなった阪神タイガースの元選手の実話を映画化! 松谷鷹也「横田慎太郎さんのことを知っていただきたい」前田拳太郎「誰かの背中を押す作品になるはず」『栄光のバックホーム』【インタビュー】

映画2025年11月28日

 プロ野球、阪神タイガースの将来を担う選手として期待されながらも、21歳で脳腫瘍を発症して引退、その後も病気と闘いながら講演会活動などを続け、2023年に28歳で亡くなった横田慎太郎の生きざまを描いた『栄光のバックホーム』が、11月28日か … 続きを読む

Willfriends

page top