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たくさんありますが、まだ自分の中で消化しきれていない感じです。ただ、役者をやっていて良かったと思うのは、演じることで、今まで教科書で習ってきた人たちが、自分たちと同じ人間であると、身近に感じられること。愛加那さんとのことについても、吉之助さんの人生の悲しい出来事の一つという印象を持っていました。でも、実際に演じてみると、島にいた間、自分の中で消化しきれないほどの愛を愛加那さんは感じていたと思います。そして、それを2人が互いに体感していたのであれば、きっと愛加那さんは幸せだったのではないか…。そう思えたことは、大きな発見でした。
いろいろなことに気付かされたので、この作品は私の人生の中で、ものすごく大事なものになりました。広い自然の中で感情を思い切り出すお芝居をさせていただいたので、自分に対する気づきも多くて…。奄美にいる間、「愛とは何だ?」みたいなことをずっと考えていました(笑)。
母親になる役はこれまでも何度か経験がありますが、今回は子どもたちと一緒にいる時間が濃密だったので、今までとは違う心の変化がありました。吉之助さんはいずれ遠くに行ってしまいますが、愛加那さんにとって唯一、その温もりを感じることができるのがその子たちなのだと思います。だから、いとおしく、命に代えても守りたかったのはもちろんですが、同時に吉之助さんがそこにいた証しでもある。本当に大事な存在だったと思います。
かわいかったです(笑)。生まれて5日目ぐらいの子だったのですが、ものすごくエネルギーが満ちあふれていて。抱っこしていたら、そのエネルギーが愛加那さん自身の体から放出されたようにも感じられて、お芝居する上でとても助けられました。
山と海から自然のパワーをたくさん頂きながら演じていました。演じているうちに自分自身が愛加那さんになったような感覚にもなりました。撮影中、2人のおばあちゃんがスクーターに乗って見学に来たことがあったんです。年齢を聞いてみたら97歳と90歳。なのに、すごくお元気で。私に「あなたが愛加那さん?」と聞いてきて、拝むようなしぐさをするんです。仲良くなって、そのおばあちゃんのお宅に何度か遊びに行きました(笑)。
(取材・文/井上健一)
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