「この作品は私の人生の中で、ものすごく大事なものになりました」二階堂ふみ(愛加那)【「西郷どん」インタビュー】

2018年5月22日 / 08:00

-愛加那を演じてみて、ご自身の中で発見することはありましたか。

 たくさんありますが、まだ自分の中で消化しきれていない感じです。ただ、役者をやっていて良かったと思うのは、演じることで、今まで教科書で習ってきた人たちが、自分たちと同じ人間であると、身近に感じられること。愛加那さんとのことについても、吉之助さんの人生の悲しい出来事の一つという印象を持っていました。でも、実際に演じてみると、島にいた間、自分の中で消化しきれないほどの愛を愛加那さんは感じていたと思います。そして、それを2人が互いに体感していたのであれば、きっと愛加那さんは幸せだったのではないか…。そう思えたことは、大きな発見でした。

-消化できるまで、もう少し時間がかかる感じでしょうか。

 いろいろなことに気付かされたので、この作品は私の人生の中で、ものすごく大事なものになりました。広い自然の中で感情を思い切り出すお芝居をさせていただいたので、自分に対する気づきも多くて…。奄美にいる間、「愛とは何だ?」みたいなことをずっと考えていました(笑)。

-愛加那と吉之助の間には子どもも生まれますね。

 母親になる役はこれまでも何度か経験がありますが、今回は子どもたちと一緒にいる時間が濃密だったので、今までとは違う心の変化がありました。吉之助さんはいずれ遠くに行ってしまいますが、愛加那さんにとって唯一、その温もりを感じることができるのがその子たちなのだと思います。だから、いとおしく、命に代えても守りたかったのはもちろんですが、同時に吉之助さんがそこにいた証しでもある。本当に大事な存在だったと思います。

-撮影で赤ちゃんを抱いてみた感想は?

 かわいかったです(笑)。生まれて5日目ぐらいの子だったのですが、ものすごくエネルギーが満ちあふれていて。抱っこしていたら、そのエネルギーが愛加那さん自身の体から放出されたようにも感じられて、お芝居する上でとても助けられました。

-奄美大島のロケの感想は?

 山と海から自然のパワーをたくさん頂きながら演じていました。演じているうちに自分自身が愛加那さんになったような感覚にもなりました。撮影中、2人のおばあちゃんがスクーターに乗って見学に来たことがあったんです。年齢を聞いてみたら97歳と90歳。なのに、すごくお元気で。私に「あなたが愛加那さん?」と聞いてきて、拝むようなしぐさをするんです。仲良くなって、そのおばあちゃんのお宅に何度か遊びに行きました(笑)。

(取材・文/井上健一)

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

香川照之「僕の中では6人全員にモデルがいました」「連続ドラマW 災」【インタビュー】

ドラマ2025年4月4日

-なるほど。  でも、同一性というのは非常に厄介で、これは本当に同じ人なのかという疑問を持つわけです。本当は同一人物じゃないけど、それをメタファーとして見せているだけなのかもしれないし、もっと高尚に考えれば、その存在自体が本当にいるのかどう … 続きを読む

【週末映画コラム】壮大な“時間旅行”を定点観測で描く『HERE 時を越えて』/チームワークを旨とした戦争冒険映画『アンジェントルメン』

映画2025年4月4日

『アンジェントルメン』(4月4日公開)  第2次世界大戦下、イギリスはナチスの猛攻により窮地に追い込まれていた。特殊作戦執行部に呼び出されたガス少佐(ヘンリー・カビル)は、ガビンズ“M”少将とその部下のイアン・フレミングから、「英国軍にもナ … 続きを読む

草笛光子「老女がはちゃめちゃな、摩訶不思議な映画ですから覚悟してご覧ください(笑)」『アンジーのBARで逢いましょう』【インタビュー】

映画2025年4月3日

-松本動監督の演出について、また寺尾聰さんら共演者の印象をお願いします。  松本監督とは初めてでしたが、私の問い掛けにも親切に細かく答えてくれました。とにかく自由にやらせてもらいました。寺尾聰さんは、昭和49年のドラマ「天下のおやじ」で寺尾 … 続きを読む

門脇麦、「芝居に対してすごく熱い」田中圭と夫婦役で5度目の共演 舞台「陽気な幽霊」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年4月2日

-ところで、門脇さんは映像作品でもご活躍されていますが、舞台に立たれることに対してはどのような思いがありますか。  気持ちの面では変わらないですが、舞台はカメラが寄ってくれるわけではないので、声や体の所作で伝えなければいけないと思います。映 … 続きを読む

今田美桜「『アンパンマン』のように、幅広い世代に愛される作品に」連続テレビ小説「あんぱん」いよいよスタート!【インタビュー】

ドラマ2025年4月1日

-高知県の「やなせたかし記念館 アンパンマンミュージアム」も訪問されたそうですね、  「アンパンマンミュージアム」には二度伺いました。どちらの日も親子連れでいっぱいで、改めて『アンパンマン』という作品が幅広い世代に愛されていることを知り、「 … 続きを読む

Willfriends

page top