「鈴木亮平さんたちと相談しながら、伸び伸びと演じています」田中道子(タマ)【「西郷どん」インタビュー】

2018年3月11日 / 20:50

-現場の様子はいかがですか。

 鈴木さん、高梨さん、北村さん、高橋さんと一緒のシーンが多いので、5人で相談しながら、リハーサルやテストを綿密にやっています。とはいえ、鈴木さんもおちゃめなところがあって、待機している間に「こんなにセットが大きいと、せりふが届かないでごわす」みたいなことを言うんです(笑)。そうすると、他の皆さんも「ごわすなあ」と応えて、私にも「タマどんはどう思うでごわす?」みたいな感じになるので、すごくいい雰囲気を作ってくださっています。

-初挑戦となる時代劇の感想は?

 時代劇は初めてですが、やってみてその難しさを知りました。今回、特に苦労しているのが、アドリブへの対応。以前、民放のドラマで西田敏行さんとご一緒したとき、アドリブに関してはかなり鍛えられたのですが、時代劇は全く別物です。皆さんのアドリブに応えようとすると、「これは江戸時代の言葉遣いとして正しいかな?」というところから気にしなければいけませんから。ただ、みんなで相談できる空気感はあるので、リハーサルの段階で「そのアドリブを入れるのであれば、せりふをどう直したらいいか聞いてきます」と相談しながらやっています。

-磯田屋の場面は庶民的な雰囲気で、幕末の緊張感を和らげるユーモアもありますね。

 磯田屋のセットは、奥の方でどんちゃん騒ぎをしている人たちまで見えるような作りで、ちょっとなまめかしい雰囲気もあるので、他の場面との対比は良く出ていると思います。北村さんも「磯田屋のセットに入ると、別のスイッチが入る」とおっしゃっていたので、皆さんもやりやすいのではないでしょうか。

-二級建築士の資格をお持ちとのことですが、セットの作りは気になりますか。

 面白いですね。磯田屋には中央にいけすがあって、ふすまを開けると遠くからでもそれが見えるんです。当時の建物を再現したそうで、開放感のある作りが味わい深いです。私が勉強していたのは近代建築ですが、江戸時代にこういう建物があったのかと思うと、日本家屋の魅力を改めて感じました。

-今回、今までの経験が生きた部分はありますか。

 今まで学んだことを生かして、常にベストを尽くそうという気持ちで臨んでいます。以前、民放のドラマでご一緒した生瀬勝久さんから、いろいろなアドバイスを頂きました。その中に、「君は目が大きいんだから、まばたき一つでも意味を作れ。無駄にまばたきをするな」というものがあります。「まばたきをするタイミング一つで、うそをついているのか、驚いているのか表せる」と。なので、それを常に頭の片隅に置き、考えてまばたきをするようにしています。第10回の病に伏せる場面では、多めにまばたきをするようにしたのですが、皆さんに違和感なく見てもらえたらいいですね。

-この作品の良さをどんなところに感じますか。

 壮大なセットの作り込みや、関わっている人たちの隙のなさはさすが大河だと思いました。私はエキストラの方とお話しさせていただく機会も多いのですが、皆さん、長時間の撮影にも一丸となって取り組んでいて、緊張感はありながらもアットホームな現場です。それは、鈴木さんが作り上げる空気感のおかげもあると思います。そういう居心地の良さは、出演者同士の距離感に表れてくるので、見ている方にも伝わるのではないでしょうか。

(取材・文/井上健一)

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

今田美桜「『アンパンマン』のように、幅広い世代に愛される作品に」連続テレビ小説「あんぱん」いよいよスタート!【インタビュー】

ドラマ2025年4月1日

-高知県の「やなせたかし記念館 アンパンマンミュージアム」も訪問されたそうですね、  「アンパンマンミュージアム」には二度伺いました。どちらの日も親子連れでいっぱいで、改めて『アンパンマン』という作品が幅広い世代に愛されていることを知り、「 … 続きを読む

坂本昌行&増田貴久がミュージカルで初共演「笑顔になって、幸せになって帰っていただけたら」 ミュージカル「ホリデイ・イン」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年4月1日

-なるほど。では、坂本さんは増田さんのテッド、増田さんは坂本さんのジムについてはどんな印象がありますか。 坂本 テッドは一見すると自分の意見を押し通して歩んでいるように見えるけれども、実は周りを自然と幸せにしたり、勇気づけたりするタイプの役 … 続きを読む

藤原竜也が挑む「マクベス」 「1日1日、壁を突破することが目標」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年3月29日

-では、鋼太郎さんの演出の魅力はどこに感じていますか。  鋼太郎さんらしい的確に丁寧な演出をつけてもらえるので、われわれとしてはやりやすいです。尊敬していますし、シェークスピア作品の演出家としてこの方の右に出るものは今、日本にはいないんじゃ … 続きを読む

竈門炭治郎を演じる阪本奨悟が語る、舞台「鬼滅の刃」の魅力 「生身の人間が演じているからこそ、リアルに共感できる」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年3月28日

-炭治郎のどんなところに魅力を感じていますか。  優しいところです。言葉にするとすごく薄っぺらく感じますが、僕だったら自分の家族が殺されたら恨み殺してやると思ってしまうかもしれません。心が歪んでしまってもおかしくない状況なのに、炭治郎は純粋 … 続きを読む

【週末映画コラム】何と主人公がサル!? 新たな試みの音楽伝記映画『BETTER MAN/ベター・マン』/17回死んでは生き返った男の悲喜劇『ミッキー17』

映画2025年3月28日

『ミッキー17』(3月28日公開)  失敗だらけの人生を送るミッキー(ロバート・パティンソン)は、地球から逃げ、何度でも生まれ変われる“夢の仕事”で一発逆転を狙うことを考える。  だがその内容は、権力者たちの命令に従って危険な任務を遂行し、 … 続きを読む

Willfriends

page top