「西郷さんを支えながら子どもを育てる糸の強さを見せられるように」黒木華(岩山糸)【「西郷どん」インタビュー】

2018年1月14日 / 20:50

 生涯に三度結婚した西郷隆盛(鈴木亮平)の三番目の妻となり、明治維新に向かって突き進む西郷を支えた岩山糸。本作では、幼い頃から西郷に思いを寄せ、紆余(うよ)曲折の末に結ばれる運命の女性として登場する。演じるのは「真田丸」(16)以来、2年ぶりの大河ドラマ出演となる黒木華。糸役に込めた思いや、主演の鈴木亮平の印象など、撮影の舞台裏を語ってくれた。

岩山糸役の黒木華

-「真田丸」以来、2年ぶりとなる大河ドラマ出演の感想は?

 「真田丸」で演じた梅は、残っている史実が少ない人物だったので、三谷(幸喜)さんの台本や共演の堺(雅人)さん、長澤(まさみ)さんたちと一緒に楽しく作っていく感じでした。今回の糸さんは、それに比べたらよく知られていて、有名な言葉も残している人物。そういう役を1年間演じられるだろうかというプレッシャーが大きかったです。西郷さん自身も有名な人ですし、その奥さんをやれるだろうかという不安もありました。ただ、鈴木亮平さんとはこれまで何度かご一緒させていただいているので、楽しんでやれたらと思っています。

-糸はどのような人物でしょうか。

 か弱い女性ではなく、女とか男というものにとらわれず、どっしりしたものを持っている明るい人です。西郷さんや大久保(正助/瑛太)さんたち男衆が集まって、もっと日本を良くしたいと語り合っている姿を間近で見て、同じ闘志を燃やしている。自分も女だけどもっと勉強したい、家にいるだけではなく、もっと外に出て行きたいというアグレッシブな意志がある。これから成長するにつれて変わっていく部分もあるでしょうけれど、こういうところが、糸の根底にあるものだろうと思いながらやっています。

-そんな糸をどのように演じていこうと思っていますか。

 チャーミングだと思ってもらえるようにしたいです。とはいえ、最後まで西郷さんのそばにいるというのは、すごく大変なことだと思うんです。三番目の奥さんということで、二番目の奥さんの愛加那(二階堂ふみ)の子どもを引き取って、革命を起こしていく男性を近くで支えながら、子どもを育てたりするわけですから。だから、そういう強さを見せられるようにしたいです。

-若い頃から晩年まで、糸の長い人生を演じることになりますね。

 私は今、27歳ですが、年を取ってからの糸を演じるときは、実年齢との差はもちろん、人生の厚みの違いも出てくると思うんです。一度、西郷さんと別れて違う人と結婚して、また戻ってくるという、生きてきた軸が糸にもあります。それをどう表現すればいいのか、悩んでいる最中です。ただその分、若い頃は“薩摩おごじょ”らしい明るさと元気と力強さを大事にしながらやっています。糸は足が速いので、いろいろな所を走る場面があるのですが、そういう足腰のしっかりしたところが、西郷さんを支える力強さにつながっていくのかなと思いながら、一生懸命走っています。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「光る君へ」第十五回「おごれる者たち」見どころを成立させるドラマの積み重ね【大河ドラマ コラム】

ドラマ2024年4月20日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。4月14日に放送された第十五回「おごれる者たち」では、藤原道長(柄本佑)の長兄・道隆(井浦新)を筆頭に、隆盛を誇る藤原一族の姿やその支配下の世で生きる主人公まひろ(吉高由里子)の日常が描かれた。 … 続きを読む

「今回は、極上のエンターテインメントを作ったつもりです」 『悪は存在しない』濱口竜介監督【インタビュー】

映画2024年4月19日

 長野県の自然豊かな高原を舞台に、代々つつましい生活を続けてきた住民の、レジャー施設の開発をめぐる生活の変化を描いた『悪は存在しない』が、4月26日から全国公開される。本作で第80回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門で銀獅子賞に輝いた … 続きを読む

【週末映画コラム】気持ちのいい人情喜劇『あまろっく』/山田太一の小説をイギリス人監督が映画化『異人たち』

映画2024年4月19日

『あまろっく』(4月19日公開)  理不尽なリストラに遭い尼崎の実家に戻ってきた39歳の近松優子(江口のりこ)は、定職に就くことなくニートのような毎日を送っていた。  ある日、「人生に起こることはなんでも楽しまな」が信条の能天気な父・竜太郎 … 続きを読む

小関裕太&岡宮来夢、念願のロミオ役に「プレッシャーも力に変えて頑張りたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年4月19日

 上演の度に大きな話題を呼ぶミュージカル「ロミオ&ジュリエット」の3年ぶり6度目の上演が決定。5月16日に東京・新国立劇場 中劇場で幕を開ける。  本作は、2001年にフランスで生まれ、世界20カ国以上で600万人以上を動員したメガヒットミ … 続きを読む

「自由に映像を撮れることを楽しんでいる作品だと思います」 山本奈衣瑠『走れない人の走り方』【インタビュー】

映画2024年4月18日

 映画監督の小島桐子はロードムービーを撮りたいと思っているが、限られた予算や決まらないキャストなど、数々のトラブルに見舞われる。理想と現実がずれていく中で、彼女はある選択をする。台湾出身で日本に留学し、東京藝術大学大学院映像研究科で学んだ蘇 … 続きを読む

Willfriends

page top