エンターテインメント・ウェブマガジン
西郷吉之助(隆盛)を語る上で忘れてはならないのが、大久保正助(利通)の存在だ。生涯を通じての盟友であり、ライバルでもあったこの人物を演じるのは、かつて「篤姫」(08)の小松帯刀役で好評を得た瑛太。あれから10年、再び鹿児島に縁のある大河ドラマへの出演となった。「見てくださる方のイメージが変わる」と語る大久保の人物像とはどんなものか。西郷との関係や役に込めた思いなどを聞いた。
今は序盤の撮影をしているところですが、とにかく熱いドラマになっています。吉之助を演じる鈴木亮平くんをはじめ、精忠組(西郷、大久保ら、薩摩の若者が集まったグループ)の皆さんが本当に熱くて、全身全霊でぶつかっています。「知的だけど冷徹」というのが大久保正助のパブリックイメージだと思いますが、この作品では純粋な面もある常識人として描かれています。見てくださる方のイメージが変わるのではないかと思うので、皆さんの感想を聞くのが楽しみです。
また祖父母に見てもらえる、というのが一番です。自分の大好きな仕事に携わらせてもらって、なおかつ、祖父母に孝行できるというのは、俳優冥利(みょうり)に尽きます。ただ、制作発表の時に「僕は西郷さんの血が入っているんです」と話したところ、次の日におじから「それは違う」とメールが届いてしまって(笑)。でもそれは、小さい頃からずっと祖母に聞かされていた話なんです。その後、祖母と話ができていないので、本当のところはどうなのか分かりません(笑)。
やっぱり「翔ぶが如く」(90)の西田敏行さんのイメージです。「篤姫」で西郷を演じた小澤征悦さんも印象に残っています。父が鹿児島出身なので、西郷さんは愛されている人、すごい人だと思っていました。ただ、今になって調べてみると、単に誠実で熱く強いだけではない、悩んだりした部分もあったのではないかという気がしています。亮平くんを見ていると、「今回の西郷はこうだ」という感じでとても純粋な人物になっているので、これからいろいろな側面が見えてくるのではないかと期待しています。
常識人で人格者ではあるのですが、純粋さ故に傷ついて吉之助に嫉妬したり、藩から謹慎させられたり、序盤は鬱屈(うっくつ)した状態が続きます。今は、後にはい上がっていくための力をため込む時期なのかなと。その間、吉之助の背中を見ながら、うらやましさや悔しさを経験した結果、自分が今何をすべきかと考えて、正助なりの動きをしていくようになり、理論武装という形で、表に出るときに世の中を変える手段が吉之助とは変わってくる。吉之助との違いを出す部分は、演じていてやりがいを感じます。そのあたりをじっくり楽しんでいただけたらと思います。
映画2025年11月22日
『TOKYOタクシー』(11月21日公開) タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、85歳の高野すみれ(倍賞千恵子)を東京の柴又から神奈川県の葉山にある高齢者施設まで乗せることになった。 すみれの「東京の見納めに、いくつか寄ってみたい … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年11月22日
数々のミュージカル作品へのオマージュが登場するコメディーミュージカル「サムシング・ロッテン!」が12月19日から上演される。2015年にブロードウェイで初演された本作は、「コーラスライン」、「アニー」、「レ・ミゼラブル」などの人気ミュージ … 続きを読む
映画2025年11月21日
日本独特のおかしな校則、ブラックな職場環境、暴走するSNSやネット報道といった社会問題を背景に、大人になりきれない中学校教諭が、生徒たちの金髪デモに振り回されながら成長していく姿を、坂下雄一郎監督がシニカルな視点で描いた『金髪』が全国公開 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年11月21日
映画やドラマ、アニメなど幅広いメディア展開を遂げてきた人気漫画「DEATH NOTE」のミュージカル版「デスノート THE MUSICAL」が11月24日から上演される。2015年に日本で世界初演された本作は、原作のスリリングな物語を世界 … 続きを読む
ドラマ2025年11月20日
なにわ男子・大西流星と、timelesz・原嘉孝がW主演する「東海テレビ×WOWOW 共同製作連続ドラマ 横浜ネイバーズ Season1」が、2026年1月から放送がスタートする。 本作は、令和版『池袋ウエストゲートパーク』として注目を … 続きを読む