【インタビュー】『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ライアン・ジョンソン監督「『スター・ウォーズ』は、新たな世界の中で自分の居場所を見つけていく、地図のような物語」

2017年12月8日 / 14:41

-では、監督にとっても伝説の存在だったという、マーク・ハミルとキャリー・フィッシャーの印象はいかがでしたか。

 最初はとても奇妙な感じがしました。マークの場合は「今、僕はルーク・スカイウォーカーと話をしている!」という自分の心の声が消えるまでに随分時間がかかりました(笑)。そんな感じで、初めはすごく緊張しましたが、最終的にはとてもいい関係が築けました。実はキャリーとの方が早く打ち解けることができたんです。それは、彼女が女優であるだけでなく作家だったということが大きかったと思います。僕も脚本を書くので、言葉を愛する者同士として、すぐに良好な関係を築くことができました。わずかな間でしたが、彼女と一緒の時間を過ごせたことに感謝しています。

-監督は、オリジナルの『スター・ウォーズ』(77)のどこに魅力を感じたのでしょうか。

 僕らの世代が『スター・ウォーズ』に魅かれた理由はたくさんあると思いますが、大人になった今、改めて振り返ってみて思うのは、全ての『スター・ウォーズ』シリーズの根本は、子どもから大人になる物語だったということです。ジョージ・ルーカスも「ジョセフ・キャンベルの『英雄の旅』を基にした」と語っていますが、それはヘラクレスのようになるための旅ではなく、子どもが思春期を経て大人になっていく、そして新たな世界の中で自分の居場所を見つけていくという、地図のような物語だと僕は思っています。大人になる過程の中で、自分の内面にある力に気付き、それをどう使うのか、誰を信頼するのか、自分の居場所をどう見つけていくのかという物語なのです。僕はオリジナルのそうしたところに魅かれました。今度の作品も、オリジナルと同じように、外側はアドベンチャーだけど、内面ではそうしたものを描いているということが伝わればうれしいです。

-今回、日本の映画から影響を受けた部分はありますか。

 ルーカスが黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』(58)などの影響を受けたということは、もう書き尽くされていますし、皆さんもよくご存じだと思います。デザインや美術の観点から見ても、例えばダース・ベイダーのマスクから全体的な風景まで、日本の文化から強く影響を受けています。それは『スター・ウォーズ』シリーズの大切な一部ですから、今回もそれを踏襲しています。それに加えて、僕は宮崎駿監督作品のファンで、ファンタジーと自然を調和させるような世界観がとても好きなので、それをポーグという新たなキャラクターや、ルークが住む島など、この映画のあちこちに反映させています。ポーグはちょっとトトロに似ているでしょ?(笑)。

-では、最後に日本のファンに一言お願いします。

 間もなく『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を皆さんにお見せすることができます。僕にとっての良質な『スター・ウォーズ』映画とは、映画を見終わった後で、宇宙船の模型やグッズを持ちながら、早くこれで遊びたいと思わせてくれるようなものです。ですから、今回も、いろいろと感じたり、笑ったりしながら、「あー『スター・ウォーズ』を見たなあ」と思っていただければうれしいです。それこそが僕たちが目指したことなのです。

(取材・文・写真/田中雄二)

(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

井上祐貴「決して美しい人間関係を描いているわけではありませんが、リアルな描写が多いので、それが共感につながると思います」『男ともだち』【インタビュー】

映画2026年11月5日

-3人のキャラクターに共感はできましたか。  そのキャラクター全部に共感できるというのは、あまりないのですが、ポイントポイントでは、そりゃそうだよねって思う共感はありました。ただ、それは違うぞと思ったところもたくさんありました。 -神名役の … 続きを読む

相葉雅紀「チームメイトの障がい者の皆さんから、ものすごい熱量を感じました」黒島結菜「相葉さんは本物の野球チームの監督のようでした」実際の障がい者たちとも作り上げた奇跡の物語『4アウト ─もう一度、プレイボール─』【インタビュー】

映画2026年11月3日

-お話を伺っていると、参加した皆さんが一丸となって作り上げたすてきな現場だったことが感じられます。 相葉 原作・脚本の平山讓さんは、取材から含めて30年くらいこの作品と向き合っていますし、稲垣(壮洋)監督も何年もの時間をこの作品に費やしてい … 続きを読む

山崎育三郎「一番、自分に近い存在」 ミュージカル「ファインディング・ネバーランド」が伝える「解釈力」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年10月31日

-改めて、この作品の魅力はどんなところにあると感じていますか。  僕は、生きていく中で「解釈力」が大事だなと思っています。生きているといろいろなことが起きますよね。大変な状況や苦しいこと、大失敗もある。でも、起こった事実は変えられなくても、 … 続きを読む

【映画コラム】10月の公開映画から

映画2026年10月31日

「クジラに落ちた男」(16日公開)★★★ 父を知り、父を乗り越える  巨大なマッコウクジラに丸のみにされた17歳のジェイ(オースティン・エイブラムス)が、亡き父の教えを頼りに脱出を図る。ブライアン・ダッフィールド監督が描くのは、「ピノキオ」 … 続きを読む

柳楽優弥「川栄さんと真剣に作品に向き合ってきた」川栄李奈「柳楽さんを信頼しています」共演4度目の2人が伝説的作品に挑む『RYUJI 竜二』【インタビュー】

映画2026年10月30日

-以前お話を伺った際、柳楽さんはご自身のお芝居について「以前は自分を役に寄せていくやり方をしていたが、『浅草キッド』の後からは、自分のパーソナルな部分を役に反映させて演じるようにしている」というお話をされていました。今回、竜二という役に対し … 続きを読む

page top