【インタビュー】「僕だけがいない街」古川雄輝「原作のファンにもとても喜んでいただけると思っています」

2017年12月14日 / 12:00

 「ヤングエース」(KADOKAWA)に2012年~16年まで連載された人気漫画『僕だけがいない街』。16年のテレビアニメ化、実写映画化を経て、Netflixオリジナルドラマとして12月15日から世界190カ国以上で配信される。母親を殺害した犯人を突き止めるために、時が巻き戻る“リバイバル”という現象によって18年前の小学校5年生時までさかのぼった藤沼悟は、当時起きた連続児童殺人事件に母親殺害の原因があると確信し、事件の謎を追っていく。今回のドラマは、原作完結後初の映像化ということでも注目されている。本作で主人公の悟を演じた古川雄輝に話を聞いた。

主人公の悟を演じた古川雄輝

-3度目の映像化ということで、役づくりや撮影にどのように臨まれましたか。

 原作が一緒でも、アニメ、映画、ドラマと全部違うと思うのですが、今回は原作にかなり忠実に寄せています。そして、大きな特徴が、ナレーションでストーリーが展開されていく点。映画だと“独り言”はあっても、ナレーションはあまり入っていなくて、ナレーションに当たる部分は表情や映像で見せています。その差が出ていますね。ただ、主人公は1人でいる場面が結構多いのですが、1人の時に1人でナレーションでずっとしゃべってしまうと、リアリティーがなくなってしまいます。そこで、(下山天)監督に「このせりふはやっぱりナレーションにしませんか」とか、その逆を相談したりしました。監督と一番話したのが、ナレーションとせりふの兼ね合いみたいなところです。監督とは『L-エル-』(16)という映画でご一緒していて今回が2回目。プライベートでも飲みに行ったり、マージャンをしたりと仲良くさせていただいているので、しっかりコミュニケーションを取りながらやらせていただきました。

-古川さんの声と落ち着いたナレーションも魅力的ですね。

 お芝居をしている時とナレーションは、少しテンションが違うんです。あえて落ち着いた雰囲気にしている部分もあります。声に関しては、アニメを少し参考にしました。原作は声がないので、アニメを見たときに、なるほど、主人公はこういうナレーション、こういう声でやっているんだなと。そのイメージをキープしつつ、ここのナレーションはこんな感じかな、などと考えながら作っていきました。例えば、第1話の追い込まれていく場面で「くそーっ!」と言っているけれど、ナレーションは落ち着いているとか。雰囲気作りの上での監督の狙いもあると思いますが。

-悟の子ども時代の舞台は北海道の苫小牧。大人の悟のシーンには苫小牧は出てきませんが、古川さんも苫小牧に行かれたそうですね。

 ロケ地を見学させていただいたのですが、かなり原作に近かったです。(悟が連続児童殺人事件の被害から回避させようとする少女)加代が住んでいる団地なんかも原作とそっくりでした。僕が演じている悟の子ども時代は、こういうところで生まれて育ったんだなと感じることができました。ロケ地が原作に近いというのはイメージをつかむ上で非常に役立つので、実際に見学に行けてよかったと思います。

-子役の内川蓮生くんと、2人で「悟」を演じていきますが、役作りについて話をしたことはありましたか。

 それは特にないですね。子役だからということではなく、共演の役者さんとはそういう話はしないです。

 
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